<20年目の地球署>から当時の子どもたちへ――Vシネクスト『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』さいねい龍二さん×林剛史さん×伊藤陽佑さん×菊地美香さん×吉田友一さん スペシャルポリス・座談会!
S.P.D――「スペシャルポリス・デカレンジャー」! 2024年6月7日(金)より、『特捜戦隊デカレンジャー』の20周年作品『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』の期間限定上映がいよいよ開始となります。
大爆破事件をきっかけに、宇宙の遥か彼方から四国・高知県に及ぶ大捜査網が展開!? オリジナルキャスト・スタッフが集結し、燃えるハートでクールに戦う刑事たちの新たな物語が展開されます。
アニメイトタイムズでは、今作の上映を記念したインタビューを全3回にわたってお届け!
今回は、赤座伴番/デカレッド役・さいねい龍二さん、戸増宝児/デカブルー役・林剛史さん、江成仙一/デカグリーン役・伊藤陽佑さん、胡堂小梅/デカピンク役・菊地美香さん、姶良鉄幹/デカブレイク役・吉田友一さんに、20周年作品への想いや公開に向けた意気込みを伺いました。
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新しさの中に変わらないものがある
ーー自分は『デカレンジャー』直撃世代なのですが、みなさん当時の印象から全くお変わりがなくて驚いています。
胡堂小梅/デカピンク役・菊地美香さん(以下、菊地):補正されてるんですよ! ありがたいけど……(笑)。
江成仙一/デカグリーン役・伊藤陽佑さん(以下、伊藤):ファン補正はありがたいよね。
赤座伴番/デカレッド役・さいねい龍二さん(以下、さいねい):これが本音だと思うんですけど、ベトナムのイベントに伊藤さんとふたりで行ったとき、現地の方から「映像のバンとジャスミンがすごいフケてる!」って言われたんですよ(笑)。
一同:(爆笑)
戸増宝児/デカブルー役・林剛史さん(以下、林):めっちゃ面白い。みんなじゃなくて、ピンポイントだったんだ。
菊地:20年前の私たちから、いきなり現在に飛んでる可能性もあるよね。その間の私たちを見てないのかも?
さいねい:「直接見るとそんなことないのに何で!?」って。そこで20年経ったんだなと実感しました。
伊藤:そこで実感したの!?
林:実感したタイミンングがベトナム(笑)。
ーー(笑)。それでは、20周年作品のお話を伺いたいと思います。制作発表とともに実施された高知市との取り組みは、吉田さんの発案だったんですよね。
姶良鉄幹/デカブレイク役・吉田友一さん(以下、吉田):そうですね。企画の発端は、高知大学の黒潮祭(学園祭)で行った地方について考えるディスカッションでした。地方創生の起爆剤になればという気持ちで実施しましたが、ここまで盛り上がるとは思っていなかったです。
ーー本編を観させていただいたのですが、「これぞ『デカレンジャー』だ!」と思える要素が散りばめられていました。
伊藤:渡辺勝也さんに監督、荒川稔久さんに脚本を務めていただいたことで、TVシリーズを観ているような安心感がありましたよね。
林: パイロット版を担当したおふたりだから。
伊藤:福沢博文さんがアクション監督を担当していることも大きいです。
菊地:個人的には、終盤のバン(赤座伴番)とホージー(戸増宝児)のシーンですごく感動したんです。龍二くんから当時と変わらない……どころか超えてくるような熱量を感じました。
私たちにとっての龍二くんはお兄さんのような、クールなイメージがあるんですけど、「この瞬間はバンになっているんだな」と感じて、いちファンとして嬉しかったです。新しさの中に変わらないものがあるんだなって。
ーー今作のバンは後進を育てる立場になっていて、新しい切り口でキャラクターが掘り下げられていると感じました。
さいねい:バンというキャラクターに、今の中間管理職の人たちが投影されているというか。自分たちが育てられてきたような感覚で接すると、ハラスメントになってしまって、大事にもなりかねない。作り手の方たちがそういう年代になっているので、みなさんの経験が台本に落とし込まれているのかなと。“言いたいけど言えないこと”を作品を通して伝えている気がしました。
最後のシーンに関しては、「もうちょっと作り込みたい」という話もしていたんですよ。現場の渡辺監督がすごくサラッとしていて……。
菊地:それは確かに(笑)。
さいねい:ダイジェスト版のように格好良いシーンやセリフをテンポ良く見せるところが、渡辺さんの演出の魅力だと思います。でも、演じる側としては感情が追いついていかないときもあるんです。ただ、完成した映像を見ると、この見せ方で良かったんだなと。20周年なので、やはり作品に対しては特別な思いがあるんですよ。
林:「ホージーが自分から「相棒」って呼ぶのは最終話以来なんだけど、寄りのカットは撮らないんだ」とかね。でも、着地としては良かったと思います。
菊地:少し引いている感じも大人っぽくて、説得力があったよね。
ーー実は先日、プロデューサーの塚田英明さんとアクション監督兼デカレッドを務められた福沢博文さんにもお話を伺ったんです。そこで福沢さんもバン(デカレッド)というキャラクターに対する思い入れを語られていました。
さいねい:福沢さんがこの20年でアクション監督になって、再びデカレッドを演じてくれているのは、とても大きなことだと思います。僕たちの思いとしては、もっとスーツアクターの方々にスポットが当たって欲しいんです。
撮影前は「ざわさん、動けるの?」と思っていたんですけど、演じている姿が最高に格好良かったし、何なら当時より重厚感も増していて。当時と同じように、「龍二!ここはこうしたいんだけど……」という話をしながら、一緒に作品を作れたことが嬉しかったです。
直撃世代のみなさんには、「当時は知らなかったけど、スーツアクターというすごい職業がある」という視点でも、今作を観ていただけたら嬉しいです。