「存在してはいけない“アイツ”が現れた」――Identity V STAGE Ep4 「Phantom of The Monochrome」サバイバー編ゲネプロレポート|荘園に現れた「亡霊」の謎が繋ぐサバイバーとハンターの物語
Identity V STAGE Ep4 「Phantom of The Monochrome」が、2024年5月30日(木)〜6月2日(日)より IMM THEATERにて開幕しました。(6月6日(木)〜6月9日(日)はヒューリックホール東京)
荘園でサバイバーとハンターが繰り広げる不可解なゲームの中で、存在してはいけない“アイツ”が現れたことによって展開される本公演。サバイバーとハンターたちによるダンスパートや迫力のチェイスパートなど、盛りだくさんな内容となっています。
本稿では、サバイバー編のゲネプロの模様をお届けします!
考察要素満載の物語が展開!
「4対1の鬼ごっこに勝てばなんでも願いを叶える」
荘園主が綴った手紙通りに、荘園では囚人含む占い師・庭師・納棺師ら4人のサバイバーとハンター・白無常のゲームが繰り広げられていました。
「暗号機」を解読しゲートを開け、「サバイバー」である4人中2人以上がゲートを潜ることができればサバイバーの勝ち、脱出人数が2人以下なら「ハンター」の勝ち。ハンターの白無常は正しくは「白黒無常」という名前であり、手に持つ「傘」を通じて黒無常という別の人格に入れ替わるのですが、2人が同時に存在することはあり得ません。
熾烈なゲームの中で白無常たちに翻弄されながら追い詰められた次の瞬間、歪に響くノイズ。それと同時に現れたのは、ボロボロの服を身に纏った黒無常で……。白無常と黒無常が同時に存在するという不可解な光景が広がり、そんなもうひとりの黒無常「亡霊」の謎を軸に物語は動き出していきます。
オープニングで囚人の曲「Monochrome」が流れると、客席通路よりサバイバーの面々が登場し、ステージでダンスを披露しました。
続く第二幕は、食堂でのサバイバーたちの掛け合いからスタート。異常事態が発生していることをほかのサバイバーたちに訴えかける囚人。しかし、ハンターが不調であれば、ゲームはサバイバーの優位になるという画家の意見に賛同する探鉱者・墓守・ポストマンの姿もあり、サバイバー内でも意見が分かれていました。
そんな中で、ある事故によって脳に傷を受け、深く考えることができなくなってしまったことを白無常に打ち明ける囚人。それを受けた白無常も、亡霊が現れた日から傘を通じて黒無常と意思疎通ができなくなってしまったことを明かします。
ふたりは「亡霊」の謎、そしてその先にある荘園の実態を突き止めるべく、微笑みを浮かべながら握手を交わし協力関係に。対立する両者の和解に、思わずグッとくる人は多いのではないでしょうか。
また、庭師による「フレンド革命」、芸者による「燃え上がれこの情念の炎」といった劇中曲を用いたダンスパートでは、ステージ上で流れる映像とともに、サバイバー、ハンターが迫力のあるパフォーマンスで客席を魅了していました。
白無常は「亡霊」に関する情報を探る中で、囚人をはじめとするサバイバーたちの「誰かを犠牲にしてきた」という仄暗い過去を知ってしまいます。この一件によって、一時はサバイバーとハンターの間に溝が生まれたものの、最後には一丸となって亡霊や荘園の謎に迫っていくのでした。
黒無常に似た「亡霊」の謎から始まり、ハンターとサバイバーという対立する者同士が協力した先に待つものとは。白無常と黒無常の関係は正常に戻るのか、また「荘園」の正体とは……?