旧電波塔や延空木のアクションを高低差で表現! 千束とたきなの戦いはよりシリアスにーー舞台『「リコリス・リコイル」Life won’t wait.』ゲネプロレポート
稽古前の座談会インタビューでは、喫茶リコリコの4人の楽しいトークをお届けしたが、23年1月に行われた第1弾公演に続く、第2弾公演、舞台『「リコリス・リコイル」Life won’t wait.』が、東京ドームシティ シアターGロッソで上演されている。
本稿ではそのゲネプロの模様をレポート。かなり密度が濃い舞台だったので、作品をまったく知らない人は、ぜひTVアニメを予習して観に行くことをおすすめしたい。
※オリジナルTVアニメ『リコリス・リコイル』のネタバレを含みますので、ご注意ください。
会場をフルに活かしたパフォーマンス
オリジナルTVアニメ『リコリス・リコイル』の舞台化第2弾、舞台『「リコリス・リコイル」Life won’t wait.』が、2024年6月16日(日)まで、東京ドームシティ シアターGロッソで上演されている。
TVアニメでいう第8話以降が描かれていく第2弾『Life won’t wait.』。わかりやすく言うと、喫茶リコリコでバズった、たきな考案「ホットチョコパフェ」のところからなのだが、本当に賑やかでユーモラスだったのは、ここが一番だったかもしれない。
その直後に、千束のセーフハウスに真島が上がり込んでくる緊迫のシーンがあるが、舞台でもそれ以降、千束と真島を中心に、DA(ディーエー/犯罪を未然に防ぐ治安維持組織)と、アラン機関(あらゆる天才を無償で支援している団体)が絡むシリアス展開になっていく。
中でも大きかったのは、アラン機関が千束の人工心臓に細工をしたところだろう。千束の余命が明かされたところで、舞台のトーンが一気に変わった感じがした(これはTVアニメでも変わらない)。
クライマックスは、アニメを履修している方なら御存知の通り、旧電波塔と、新たな東京のシンボルとなる延空木を舞台にしたアクションになるのだが、ここからは、舞台『Life won’t wait.』の見どころを、独自の視点で紹介していきたい。
①東京ドームシティ シアターGロッソという会場を活かした、高低差を活かしたパフォーマンス
シアターGロッソは、普段はヒーローショーを中心に上演している会場である。ワイヤーアクションも使用可能で、舞台が縦に長く立体的。これが旧電波塔や延空木での戦いを表現するのに適していて、この舞台でも、思う存分活かされていた。ワイヤーが使われていたかどうかは、その目で確かめてほしいが、前の席だと首が疲れるほどの上下動をしていたので、迫力は申し分なかった。もちろん、舞台ならではの客席通路を使ったパフォーマンスも見られるので、楽しみにしていてほしい。
②激しいアクションシーン
舞台第2弾は、とにかくアクションシーンが多い! ここは、第1弾よりもパワーアップした部分だと言ってもいいだろう。千束 vs 真島に、どうたきなが絡んでいくのか。DAサイドのフキ、サクラ、エリカの活躍も見逃せない。さらに、アラン機関からは、姫蒲もその強さを見せつけていた。あとは、ミカの強さも見どころだ。
特にずっと戦い続けていた千束役の河内美里さんのアクションは圧巻だった。前回の舞台より、かなりの運動量が求められていた気がするので、千束のガンアクションは、目を離さずに観てほしい。
アクションシーンでの圧倒的フィジカル感は、舞台の絶対的な見どころ・面白さになるのだが、ウォールナット(=クルミ) vs ロボ太もしっかり表現されていた。電子戦ではあるのだが、こちらもかなりフィジカルを駆使した表現方法で、かわいい“アイツ”も登場するのでお楽しみに!
③こだわりの衣装
DAの制服の完成度の高さは、第1弾からわかっていたことだが、千束とたきなの私服の再現度も高かった。千束は晴れ着姿など、衣装の早替えがかなり多かったので、そこも見どころになるはずだ。個人的には、喫茶リコリコの常連さんの再現度も高かったので、登場時には安心感があった。
もちろん、千束の余命が明らかになってからの各キャラクターのお芝居は見どころで、誰が誰にどんなことを想っているのかというのを想像しながら観る楽しさがあった。すべてを受け入れ達観している千束と、千束の余命を認めたくないたきな。アラン機関へ対する怒りの表現も素晴らしかった。そのほか、ミズキの千束を思いやる気持ちや、クルミの諦めない想いなど、セリフの些細なニュアンスから感じ取ることができた。
DAメンバー(楠木、フキ、サクラ、エリカ)が千束やたきなに抱く感情に関しては、TVアニメをしっかり見ておくと、より深く理解できるはずだ。
時間を忘れるほど密度が濃かった舞台『「リコリス・リコイル」Life won’t wait.』。6月11日(火)14:00、14日(金)14:00の公演は、キャストによるアフタートークも開催。初日公演と千秋楽公演のライブ配信及びディレイ配信の実施が決定しているので、舞台『「リコリス・リコイル」life won't wait.』を思う存分堪能してほしい。
関連記事
公演情報
2024年6月7日(金)〜16日(日)
会場
東京ドームシティ シアターGロッソ
ローソンチケット 一般発売(先着)
応募受付期間:2024年5月3日(金)10:00〜
申し込みURL:https://l-tike.com/lycoris-stage/(※PC/スマートフォン共通)
店頭販売:ローソン、ミニストップ店内Loppi(Lコード:31814)
チケットに関するお問合わせ
ローソンチケット:https://faq.l-tike.com/
スタッフ
原作:Spider Lily
脚本:ほさかよう
演出:山崎彬
音楽:坂本弦
アクション:新田健太
振付:富田彩
技術監督:寅川英司
舞台監督:田中翼
美術:竹邊奈津子
大道具:合同会社Carps
音響:前田規寛(ロア)
照明:大波多秀起
映像:松澤延拓
衣装:雲出三緒
小道具:羽鳥健一
ヘアメイク:三根英世
ウィッグ協力:クラッセ
アクション補佐:北村海
アクションクルー:宮川康裕
演出助手:入江浩平 藤嶋恵
キャスト
錦木千束:河内美里
井ノ上たきな:本西彩希帆
中原ミズキ:石井美絵子
クルミ:大渕野々花
ミカ:北村圭吾
楠木:三枝奈都紀
春川フキ:田上真里奈
乙女サクラ:彩木咲良
蛇ノ目エリカ:井尻晏菜
吉松シンジ:小野健斗
姫蒲:新谷姫加
ロボ太:竹内凜太郎
真島:仲田博喜
アンサンブル
塚田知紀
及川崇治
望月祐治
松本竜一
寒川祥吾
高間淳平
青木素姫
北野瑠那
野中遥月
すぎやまみやび
【協賛】
【銃器協力】