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『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』連載:小倉唯 × 高尾奏音【第5回】

リリーシュカとひすいは性格が全然違うのに、パズルのピースがうまくハマった感じ──『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』リレーインタビュー 第5回:リリーシュカ役 小倉唯 × 蔓深ひすい役 高尾奏音

いよいよ物語も終盤戦に突入したTVアニメ『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』(以下、『天使つき。』)。第9話では吸血鬼のリリーシュカこと賀上さゆりにくわえ、実はカッパだったという蔓深ひすいが森太郎たちと仲良くなり、第10話では女子同士の絆もグッと深まりました。

本作の魅力を掘り下げるリレーインタビュー第6回は、リリーシュカ役の小倉唯さんと蔓深ひすい役の高尾奏音さんが登場。クラスメイトでありオカルト研究部の仲間というリリーシュカとひすいを、おふたりはどのように捉え、どのように演じているのか伺いました。

 

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パズルのピースがうまくハマるような感じ

――小倉さんと高尾さんはたくさん共演をされていますが、メインキャラクターとして現場に入るのは『天使つき。』が初めてなんですか?

高尾奏音さん(以下、高尾):そうなんです。対談をさせていただくのも実は初めてで。ただ、よくお会いしているので初めてという感じはまったくしないです。

小倉唯さん(以下、小倉):共演が多いと待ち時間にお話しする機会もありますし、スタジオですれ違うこともあるので、私も全然初めてという気がしませんでした。

高尾:でも、今回メインで出演させていただけるのがすごく嬉しかったんです。しかも、この作品を通してたくさんお話ができて幸せでした。

小倉:奏音ちゃんのことは勝手に妹のように思っているので、そういってもらえて嬉しいです!

 

 

――最初の共演は2015年放送の『城下町のダンデライオン』ですか?

小倉:そうです。奏音ちゃんがまだ中学1年生ぐらいの頃で、ちっちゃくてかわいいなと思ったのを覚えています。姉のような気持ちで見守ったり、話しかけたりしていました。

高尾:それが私の初現場だったんです。小倉さんはメインキャラクターで出演されていて、私は名前もない役だったのですが慣れていない私にたくさんのアドバイスをしてくださいました!

小倉:私も学業と仕事を両立してきたので、学校のことも「最近、どう?」と会うたびに聞いていました。

高尾:大学受験のときもアフレコ現場で色々と相談に乗っていただきましたよね。いつも頼りにしているお姉ちゃんです!

――本当の姉妹のようですね! さて、改めて本作について伺っていければと思います。では、まずリリーシュカについてはどのようなキャラクターだと捉えましたか?

小倉:中二病感がリリーシュカの一番のポイントで、かわいらしいところです。物語が進んでいくにつれて、普通の人とは違う視点を持っているという面白さも出てくるので、そういう部分も大事にしたいなと思いながら演じさせていただきました。

 

 
高尾:ひすいとして見ると、いつもひすいのことを気にかけてくれるとてもいい友達です。一人の女の子として見ると、「面白い女の子」という言葉がぴったり。なのに、かわいらしさをちゃんと両立させているところがキャラクターとして魅力的だなと思いました。

小倉:「痛かわいい」感じがあるよね(笑)。

高尾:確かに! だからこそ、温厚な森太郎くんが激しくツッコミを入れられるのかもしれないですね(笑)。毎回ツッコミが大変そうだなと思いながらも、たくさん笑わせていただきました。

――リリーシュカは中二病ということで独特の言い回しをすることがありますよね。

小倉:中二病キャラはあまり演じたことがなかったので、勉強しながらやらせていただきました。でも、スイッチが入ると止まらなくなる感じや、普通はなかなかしない独特の口調が面白くて、毎回どんなふうに喋ろうか考えるのが楽しかったです。

――第8話はそのリリーシュカがメインとなる話数でした。

小倉:完全にリリーシュカのペースで物語が展開していく話数で、セリフ量も多く、私自身も中二病感をどうやったら出せるのか探り探りやらせていただきました。最初は不安もあったのですが、他の皆さんと掛け合いながら収録していくと、家で練習するのとは違ったテンション感や味が出せるようになって、とても楽しかったです。皆さんにリリーシュカらしさを引き出していただいたおかげで、リリーシュカになりきることができました。

 

 

――ただ物語を引っかき回すかのように見えて、実は気づかいもできるいい子だというのもわかりました。

小倉:最初は「なんだこの子は!?」と、森太郎と同じ気持ちになる方も多かったと思います(笑)。でも、後半はリリーシュカの本心や気づかいも見えるようになって、きっと皆さんにも愛してもらえるなと確信したので、そのギャップのメリハリ感を大事にしながら演じさせていただきました。

――テンションのアップダウンが大きかったぶん、演じるのは大変ではなかったですか?

小倉:確かに原作で読ませていただいたとき以上に、アニメのリリーシュカはセリフのテンポが速く、テンションの幅も大きいなと感じました。深刻そうに涙を浮かべたかたと思ったら、急に「主従になって嗅がせてもらうしかない……!」と言い出すようなシーンもあって、かなりスイッチの切り替えが激しかったです。でも、声優としての技術を試されていると自分を奮い立たせて頑張りました。

――そして、第9話からはついにひすいが登場しました。まず、ひすいの印象について伺えますか?

高尾:第一印象は「この子を守ってあげたい!」でした。ひすいは内気で感情を伝えるのが苦手。しかも男の子と接することにも慣れていないから、なかなか森太郎くんと話すことができない、とても不器用な女の子です。でも仲良しのリリーちゃんには、はっきりツッコミを入れられる。それが、この二人の信頼関係を表しているように感じましたし、そういう部分は私とちょっと似ているなと感じました。私も、感情をうまく言葉にするのは苦手だけど、心を開いた相手とは楽しくおしゃべりできるタイプなので(笑)。

 

 
小倉:ひすいって意外としっかり者なんです。引っ込み思案で、どこか儚さがあるから確かに守ってあげたくなるのですが、実はひすいのほうが自由奔放すぎるリリーシュカを陰ながらサポートしているところがあって。リリーシュカから見るとかなり頼りがいのある友達なんじゃないかなと思いながら見ていました。

高尾:性格は全然違うのにうまく噛み合っていますよね。小倉さんはひすいがサポートしているとおっしゃっていましたが、ひすいはひすいでリリーちゃんがいつも外の世界に連れ出してくれるから、「知らない世界を教えてくれてありがとう」という気持ちなんじゃないかなと思っています。本当に尊い関係性です!

小倉:やりとりを見ていると波長が合うんだと思う。パズルのピースがうまくハマるような感じ。

高尾:お互いのことも大好きですよね。

 

 

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