夏アニメ『下の階には澪がいる』日本語吹き替え版:坂本真綾さん(如月 澪役)×河本啓佑さん(杉浦 陽役)インタビュー|女子大生役に“何で私なんだろう”。年上ヒロインたちとの純愛劇が始まる――
魅力的な3人のヒロイン。2人の推しは誰?
――お二人はラブコメは好きですか?
河本:高校時代とかはラブコメ作品が好きで見ていましたし、今も好きです。やっぱり見ると元気が出るじゃないですか(笑)。
たとえば、自分が下宿していて、下の階に澪がいるとか想像したら、どんな感じなんだろうって思うし、自分ならどうするだろうとか想像しちゃうんですよね(笑)。それだけで日常生活に活気が出るし、このヒロインたちに好かれるにはどうしたらいいんだろうと考えて、最終的にもっと自分を磨こう!とか思ったりするので、好きですね。
――澪みたいな年上の、大人な女性に憧れる気持ちってわかりますよね。見ている自分はとっくに年上のはずなんですけど、なぜかドキドキする、みたいな(笑)。
河本:確かにそうですね! そもそもこの作品、ヒロイン3人とも年上なんですよ。日本のラブコメだと後輩とか同級生とか、分かれるから結構それも珍しいですよね。いつまで経っても先輩と呼びたくなる気持ちも、わかります(笑)。
坂本:ラブコメは、たまに見るとハマってしまったりしますね。この作品って、男性から見ると美女に囲まれてみんなから好かれる理想の世界ですけど、女性が見たときにどう思うかと考えると、ヒロインたちが女性から見て魅力的かどうかがすごく大切だと思うんですね。
私の周りには韓流ドラマファンが多いんですけど、彼女たちに聞くと、男性がカッコいいから見るというのもあるけど、ヒロインの女性に魅力を感じたときに、すごくハマるみたいなんです。ヒロインに共感したり、自分の理想を重ねたりできるから、物語に入り込める……。ただ、それでいうと澪って難しくて、女性から見ても、何でこんなこと言うの?っていう台詞があるんですよ。
もう小悪魔過ぎて、私レベルの人間には理解できない(笑)。でも、今回は音響監督が女性だったのもあって、すごくツボを抑えていたというか。俯瞰目線で、登場人物の担うべき役割を指示してくれたので、自宅で台本を見てわからなかったところも、スタジオでズバッと指摘してくださるんです。だからもう私は、音響監督さんの言いなりでした(笑)。
――ちなみに、そんな坂本さん演じる澪はいかがでしたか?
河本:澪だ!って思いました。原音を聞いてやるときは、自分の想像で補わなければならなかったのですが、坂本さんの声を聞かせていただいたとき、「あ〜、澪!」と思ったんです。この感じのドキドキ感でやればいいんだ!と、そこで明確にわかったのは大きかったです。とても素敵な澪だったので、期待していてください。
――逆に、河本さん演じる陽はいかがでしたか?
坂本:陽くんこそ、原音でちょっと気持ちがわからないなってところが、日本語で聞くとすごくしっくりくることがありました。私は、河本さんの演じる陽の日本語の台詞によって、心を動かされることはすごく多かったです。
なんというか、陽くんがフラフラするところが逆に良いですよ! 素直で自然で無理がない。人間くさいからこそかわいいし、信頼できるんですよね。
――先ほどヒロインが、女性から見てもかわいいと思えると、より楽しめるという話が出ましたが、男性としても、主人公が、何でこんな男がモテるんだろう?って感じの子だと、ヒロインを嫁には出せん!と思ってしまうんですよね(笑)。
坂本:あははは(笑)。そういう意味だと陽くんは、何でモテるのかはわかると思います。
河本:そうですね。たとえば陽より年上の方が見ると、答えは決まっているのにうじうじ考えちゃったりするところも、わかるな〜って思うだろうし、完璧じゃないところがすごくあるので、同性からも理解されるんじゃないかなって思います。
坂本:揺れててもダメな奴とは思わないんですよ。すごく素直で、人との間に壁を作らない自然なムードがあるから、みんなが彼に心を許しちゃう感じもわかるんです。
――澪のほかに、桃井真珠と三国紗羅(CV.沼倉愛美)が出てきますが、どのカップリングがおすすめですか?
坂本:見ていると、みんな好きになっちゃうんですよね。みんなのことを応援したくなっちゃう。でも澪をやってて何ですけど、私は結構、真珠先輩かなぁ(笑)。
河本:一番、ストレートにかわいいですからね。
坂本:慎ましやかで、自分のことは置いておいて、という感じだから幸せになってほしいなと思います。
河本:報われてほしいなと思いますよね。各キャラのモノローグがあるんですけど、澪ってモノローグが少ないんです。何を思っているのかわからないからミステリアスなんですけど、やっぱりアイドルって大変だと思うんです。だから僕は澪に幸せになってほしいなと思っています。真珠先輩と紗羅さんは、まだいろんな人に出会う機会がたくさんあると思うけど、澪はそれが少なそうな気がするので、陽とうまくいってほしいなぁとは思っています。
坂本:2人の恋愛ってシンプルなようでシンプルではない、純愛というより、もっとお互いの事情が絡み合っているんです。澪にとって陽くんって、恋愛相手としてというより、アイドルの澪ではなく、肩書きもない状態の自分をわかってくれる相手として、大切な人だと思うんですね。傷ついて、人に対して心を開けない澪が、陽と出会ったことによって人生が明るくなればいいなと思ったので、今の時点では、絶対に2人が結ばれなきゃイヤだ!っていう感覚とは少し違うんです。なので私としては、陽くんが結局誰を選ぶのかというのを、ニヤニヤしながら見守りたいと思います(笑)。
[取材&文・塚越淳一]
作品概要
あらすじ
キャスト
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