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『鬼滅の刃』 竈門炭治郎の生き様から気付く幸せのヒント

人を惹きつけてやまない『鬼滅の刃』――竈門炭治郎の生き様から気付く幸せのヒント|家族愛、謙虚な姿勢、向上心、彼の言動から人生を振り返る

鬼にさえ寄り添える優しさ

炭治郎は、人間にはもちろんのこと、鬼に対してまでも寄り添うことのできる心優しい少年です。

任務で入山した那田蜘蛛山では、十二鬼月の累が恐怖で支配している“鬼の家族”に会います。鬼殺隊になるための“最終選別”の時から、鬼を斬りながらも鬼を憎み切れず憐れむ表情をしていた炭治郎が描かれていましたが、この那田蜘蛛山でも鬼たちに対し、炭治郎は寄り添います。

鬼の家族の中で、炭治郎が最初に遭遇した母鬼。彼女の頸を斬った際は、相手が自ら頸を差し出して来た時のみ使う水の呼吸・伍の型“干天の慈雨”を繰り出します。この型で斬られたものには殆ど苦痛が無く“慈悲の剣撃”と言われるほど。この時炭治郎は「あの人からは恐怖と苦痛の匂いがした。死を切望するほどの」(コミック4巻第32話引用)と母鬼に同情の念を抱きます。その際炭治郎は、鬼の事を“あの人”と言い、“鬼=悪”として見ているのではなく、昔は人間だった事、鬼になっても何かに怯えながら暮らしていたことを心に留めながら頸を斬りました。

 
その後那田蜘蛛山では禰豆子と力を合わせて十二鬼月の累と闘いますが、力及ばず殺されそうになる炭治郎。そこに駆け付けた水柱・冨岡義勇に間一髪助けられますが、累を討伐し、残った着物を踏みつけにした義勇に対して「足をどけてください」と、強く訴えます。

そして「鬼であることに苦しみ 自らの行いを悔いている者を踏みつけにはしない 鬼は人間だったんだから 俺と同じ人間だったんだから」

―――「醜い化け物なんかじゃない 鬼は虚しい生き物だ」

と続けました。また、「小さい体から抱えきれない程大きな悲しみの匂いがする…」(コミック5巻第43話引用)と、消えていく累に炭治郎は涙を流します。

鬼の累が人間だったころは、幼い頃から体が弱く、歩くことも精いっぱいで友達と遊ぶこともできませんでした。そんなある日、突然現れた無惨に「かわいそうに」と鬼にされた累。そして鬼になり人を食った累を、両親は、自分たちも罪を共に背負い死ぬ覚悟で手にかけようとしますが、親の行動を理解できなかった累はそんな両親を葬ってしまいます。

その後「丈夫な体に産んであげられなくて…ごめんね…」という母の死に際の一言で、自分と両親の間に“本物の絆”があったことに気付く累。そしてそれを自分自身の手で切ってしまった事を悔み、苦しみ、鬼になって人間の頃の記憶が無くなっても、自分で切ってしまった“もう手に入らない絆”を求め、虚しさが止まない中偽りの家族を作り続けました。

 
累は体が弱く長く生きられなかったかもしれませんが、鬼になっていなかったならば、両親の愛情に包まれ、きっと最期まで家族と一緒に居られたでしょう。そんなやるせない思いの中、炭治郎が累の悲しみに涙を流し寄り添うからこそ、『鬼滅の刃』はより深く心に響き、炭治郎と共にこの先の鬼狩りの道を見届けていきたいと思わせてくれるのではないでしょうか。そしてこのように『鬼滅の刃』は“鬼=悪者”という設定の、いわゆる昔話を超えた、深く考えさせられる作品になっていますね。

 

人の幸せを心から願う人

無限列車編で、精神の核を狙われる炎柱・煉獄杏寿郎と炭治郎達。核を壊されたら死んでしまうため、皆それを阻止しようと無意識領域の中で抵抗しますが、炭治郎は無意識領域に侵入した少年に自ら核の場所を教え、差し出します。

その少年は結核を患い、単なる欲ではなく、その不治の病の苦しみから逃れるために鬼の魘夢に従っていました。しかし、炭治郎の無意識領域に「何という美しさ どこまでも広い 暖かい…」と戸惑います。更に炭治郎の優しさの化身である光る小人(こびと)は彼が“精神の核”を探していることを察し、手を引いて案内しました。光とぬくもりの発生元である“精神の核”を前にして結核の少年は涙を流し“自分さえこの病気から解放されたら”という考えを改めます。

そんな少年を炭治郎は「結核…病気なんだ。可哀想に… 許せない鬼だ 人の心に付け込んだ」と、鬼への怒りと同時に、自分を陥れようとした相手にまで心を痛めます。このように、病に苦しみ善悪の判断さえできなくなってしまった少年を、元の優しい少年に戻してしまうほど、炭治郎の心は暖かく澄みきっていたのでした。

また炭治郎は、このような鬼狩り中だけでなく、日常でも人の笑顔を見て幸せを感じています。その一つに鼓屋敷で鬼を討伐した後の、藤の花の家での出来事があります。鼓屋敷で鬼を討伐し、我妻善逸・嘴平伊之助と共に療養していた時、自分の食事を伊之助に笑顔で分け与えていました。自分の食べたい思いよりも人に喜んでもらうことを大切にしている、日常的に自分よりも人の喜ぶ顔を見たいという炭治郎の優しさが垣間見られるエピソードでした。

 

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