愛情を通り越して情念が詰まった台本。非現実と共感が両立する世界観ーー『劇場版モノノ怪 唐傘』アサ役・黒沢ともよさん×カメ役・悠木碧さんインタビュー
薬売りの大活躍は劇場版仕様!?
ーー今作に携わるなかで、大奥に対するイメージは変わりましたか?
黒沢:出演にあたって大奥の文献を見たんですけど、間取り図や構造理由とか、あらゆるものが上手く計算されているんですよね。あと、大奥にいる人たちって、本来は選ばれるものだけど、実際はお家からアプローチをかけてお金を積んでいたらしくて。
ーー権力者の好みで選ばれるものなのかと思っていました。
黒沢:アサとカメは身軽にやってきましたけど、本来はお金がかかるらしいんですよ。
悠木:しっかりシステム化されていますよね。今作はそこが強調されているから、「人間をシステム化すると生まれる歪み」が浮き彫りになっていて。さらに、その情報は今も残っているからドラマや映画、アニメーションで様々なストーリーが描かれていて。きっと『モノノ怪』と大奥の相性の良さはみなさんも感じていたと思います。
ーー今まで描かれていないことが意外なくらいです。
悠木:そういう意味では、大奥のイメージに変化があったというよりは、『モノノ怪』版の大奥が観れて嬉しかったなって。
ーーそんな今作の中で注目してほしいキャラクターはいますか?
悠木:私は甲斐田(裕子)さん、ゆかなさんとアフレコしたこともあって、淡島と麦谷には注目してほしいです。おふたりともすごくコミカルに演じられているんですよね。
作中、淡島と麦谷は意地悪なことを言いますが、すごく頑張って生きていることが伝わってくるので、きっと嫌いにはならないんじゃないかなと。ふたりを怒らせてしまうカメもカメですし(笑)、すごく良いヒールであり、ヒールでは終わらないキャラクターたちだと思います。ある種、全員が一生懸命に生きている大奥の被害者として非常にわかりやすく描かれているので、そこにも注目してほしいです。
ーー悪意があるというより、自分の役目を頑張っているだけではありますよね。
悠木:そうですね。互いが頑張っているからこそ、ぶつかってしまうことがあるというか。
黒沢:私は双子ちゃんです。最初にビジュアルを見たときから可愛いなと思っていました。あと歌声が印象的で、そのままCMに使ってほしいくらい気に入っています。あとは、(時田)フキ様のどエロいシーンがめちゃくちゃ好きです。あそこは最高でした(笑)。
ーー主人公である薬売りの活躍にも期待しています。
黒沢:見得を切るシーンが増えましたよね!
悠木:そこは劇場版だから!
黒沢:有料仕様なんですね(笑)。
悠木:そうそう。みなさん、薬売りさんのかっこいいところを観たいわけですから。ないと困っちゃいます(笑)。
黒沢:私としては、主人公であり、ヒロインであり、最大のボケ担当だなって。ひとりだけヌケ感を出してくれているんですよね。
悠木:ひとりだけ全く違うことを警戒しているからね。その浮世離れ感は魅力だと思います。
黒沢:そうですね。あのゆっくりした話し方で、警備のお兄さんたちとチグハグなやりとりをしている場面が面白かったです。
悠木:あれはあれで男社会なのかな?
黒沢:あぁ、なるほど!
悠木:もしかしたら女社会である大奥との対比なのかも。そしてどの時代でも異質な存在である薬売りさんは、男子でも女子でもないような空気感があって。何者でもないからこそ、すべてに対して中立なんですよね。そこが魅力ですし、だから剣が抜けるんだろうなって(笑)。
黒沢:今回の退魔の剣は喋るんですよね。ここはぜひ注目してほしいポイントです!
悠木:薬売りさんは元々のデザインがすごいので、登場するだけで画面が華やかになるんですよ。しかも、そのデザインのままアクションさせているのが技術的にもすごくて。
黒沢:「薬売りさんってこんなに動けるんだ!」と驚きました(笑)。アクションシーンも格好良いです!
悠木:うんうん。浮世離れした身体能力が格好良く表現されていると思います。
黒沢:天狗みたいでした。あと刀を抜くときの指の感じも! 真似したいけど、中々できないんですよね(笑)。
【インタビュー/MoA】
『劇場版モノノ怪 唐傘』作品情報
2024年7月26日(金)全国公開!
あらすじ
大奥とは、男子禁制の“女の園”であり、重要な官僚機構でもある特別な場所。
この地に、新人女中のアサ(黒沢ともよ)とカメ(悠木碧)が足を踏み入れる。
キャリアアップを図る才色兼備のアサ、憧れの大奥に居場所を求めるカメ。
正反対の二人は初日から、集団に染まるための“儀式”に参加させられる。
御年寄の歌山(小山茉美)は、大奥の繁栄と永続を第一に考え女中たちをまとめあげるが、
無表情な顔の裏に何かを隠している。そんな中、少しずつ、彼女たちを覆っていく“何か”。
ついに決定的な悲劇が起こり、薬売り(神谷浩史)はモノノ怪を追って大奥の中心まで進むが、モノノ怪を斬り祓うことができる退魔の剣は「形」「真」「理」の三様が揃わなければ、封印を解き抜くことが叶わない。
薬売りが大奥に隠された恐ろしくも切ない真実に触れるとき、退魔と救済の儀が始まる──。
キャスト
薬売り:神谷浩史
アサ:黒沢ともよ
カメ:悠木碧
北川:花澤香菜
歌山:小山茉美
大友ボタン:戸松遥
時田フキ:日笠陽子
淡島:甲斐田裕子
麦谷:ゆかな
三郎丸:梶裕貴
平基:福山潤
坂下:細見大輔
天子:入野自由
溝呂木北斗:津田健次郎
スタッフ
監督:中村健治
キャラクターデザイン:永田狐子
アニメーションキャラデザイン・総作画監督:高橋裕一
美術設定:上遠野洋一
美術監督:倉本章 斎藤陽子
色彩設計:辻口田邦夫
ビジュアルディレクター:泉津井陽一
3D監督:白井賢一
編集:西山茂
音響監督:長崎行男
音楽:岩﨑琢
プロデューサー:佐藤公章 須藤雄樹
企画プロデュース:山本幸治
配給:ツインエンジン ギグリーボックス
制作:ツインエンジンEOTA
主題歌:「Love Sick」アイナ・ジ・エンド
『劇場版モノノ怪 唐傘』公式サイト
『劇場版モノノ怪 唐傘』公式X(旧Twitter)
『劇場版モノノ怪 唐傘』アニメイト特設ページ
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