葛藤する古代と他者の影響を受けない北野。多くの謎とともに、種蒔きを終えた新たな物語が“発進”する――『ヤマトよ永遠に REBEL3199』北野誠也役・鳥海浩輔さんインタビュー
序盤の北野は他者から影響を受けない
ーー北野役に決まるまでの経緯もお聞かせください。
鳥海:別役でオーディションを受けていて、その後で北野役に決まりました。
ーー北野というキャラクターには、どんな印象を受けましたか?
鳥海:台本をチェックしながらその人間性を知っていったので、キャラ絵もそのタイミングで初めて見ました。第一章は若いクルーとの数シーンくらいの絡みだけだったので、「真面目で厳しい」と周りから思われている人という印象です。
右腕が義手になっている理由など、彼に関してはまだ全容が見えていません。物語が進むと彼なりの過去への葛藤や想い、乗り越えてきたものが見えてくるはずですが、第一章時点では全く見せていないんです。
ただ、僕自身は「彼が物語の中心に関わっていたら嬉しいな」と思っています。今回視聴者のみなさんが受け取るキャラクターへの第一印象、そのプラスアルファがどう表現されるのか、「本当にこれだけなのか?」という部分に注目していただきたいなと。
ーー絡みのあるキャラクターとの印象的なやり取りはありますか?
鳥海:ネタバレにあたるので難しいですが、教え子たちとも絡んでおらず、絡む人も限られるとだけ言っておきます。その内もう少し目立ってくると思うので、とにかく今後を楽しみにしていただけると嬉しいです。
ーー弟である北野哲也も登場するようですが……?
鳥海:兄弟の関係性もいまいち分からないんです。北野の口から弟の話題が出たこともないので、今後は絡みがあると嬉しいですね。向こうは前のシリーズから登場していますが、僕はまだ声も聞けていないんです……できれば確執がないと良いな(笑)。
ーー(笑)。キャラクター紹介には“鬼教官”と書かれていました。
鳥海:正確には「鬼教官だった」というだけで、本編でそういったシーンがあるわけではないんです。演じる上では厳しさだけでなく、愛情をもって教え子たちに接していると思ったので、「ただの固い人」にならないよう気を付けて演じました。
一方でわかりやすく甘くもならず、表情がコロコロ変わるタイプでもないので、ちょっとしたニュアンスを乗せるかどうかの調整は必要でしたね。最近の収録ではやっと彼の気持ちが滲む場面も出てきています。ただ、最初の段階では感情を露わにせず、職務を淡々とこなすシーンが目立つはずです。
ーー総監督の福井晴敏さんとキャラクターについて何かお話されましたか?
鳥海:収録前にキャラクターやこれから演じるシーンのシチュエーションの説明はありましたが、ある程度こちらにお任せいただいています。それを受けて、こちらも考えながら収録に臨みました。始まった後で、何かを言われることは少なかったです。
ーー収録現場で“ヤマトならでは”の要素を感じたことはありますか?
鳥海:香盤表に大先輩方のお名前が並んでいて、キャスティングも重厚だなと。だからこそ、あれだけの人間ドラマをしっかり描ききれると思うんです。一方で若手の存在感もあるので、キャスト陣のバランスは非常に良い気がします。
収録は最初、土門(土門竜介役・畠中祐さん)と一緒だったのですが、他所の艦に行ってしまい……。最近では山南(山南修役・江原正士)とのシーンもありましたが、上官とのやり取りなので言われたことに対して「はい!」と返すだけでした(笑)。
現段階の北野は、他人の影響を受けるキャラクターではないのかもしれません。あくまでもブレないというイメージで描かれていると思います。
ーー今後の活躍に期待しているキャラクターはいますか?
鳥海:やはり古代ですね。人間臭い一面を見せてくれるので、北野とは真逆の位置にいると言いますか。主人公がそういった動きを見せてくれると物語全体が見やすくなりますよね。僕も彼がどうなっていくのか期待しています!
ーー最後に、上映を楽しみにしているファンのみなさんへのメッセージをお願いします。
鳥海:前作をご覧になっている方が多いと思いますが、もしかしたら今回から入る方もいらっしゃるかもしれません。世代によって『ヤマト』という作品の受け止め方は違うと思いますが、50年前の第1作目から知っている方、リメイク版から追いかけている方も含めて期待していただければと思います。
僕もまだ結末は知らされていないのですが、今回で物語の種蒔きは終わったのかなと。これがどう動き出していくのかが楽しみですし、想像以上の展開をファンのみなさんと同じ心境で待っていようと思います。
[インタビュー・撮影/胃の上心臓]
『ヤマトよ永遠に REBEL3199』作品情報
あらすじ
キャスト
(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会