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『真夜中ぱんチ』 キャラクター原案・ことぶきつかさインタビュー【連載第5回】

夏アニメ『真夜中ぱんチ』キャラクター原案・ことぶきつかささんインタビュー|“エモ過ぎず今風過ぎず”という絶妙なさじ加減は、すごく難しかった【スタッフ・声優インタビュー連載第5回】

P.A.WORKSの『パリピ孔明』スタッフが贈る、オリジナルTVアニメーション『真夜中ぱんチ』が2024年7月8日(月)より放送中! 

世界でもっとも見られている動画投稿サイト「NewTube」で活躍する3人組NewTuber「はりきりシスターズ」の「まさ吉」こと真咲は、とある事件がきっかけでチャンネルをクビに。 起死回生を狙う真咲の前に現れたのは、なぜか彼女に運命を感じたヴァンパイアのりぶ。

超人的な能力を持つりぶと一緒なら、最高の動画が撮れるはず……?  チャンネル登録100万人を目指して邁進していく、ワケあり動画投稿者たちのハイテンション・ガールズ“再生”ストーリーです。

アニメイトタイムズでは、スタッフ&キャストのインタビューを連載中。第5回は、キャラクター原案を手掛けた、ことぶきつかささんです。アニメ『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』『劇場版シティーハンター』などのキャラクターデザインを手掛けられてきたことぶきさん。

オリジナル作品のキャラクターデザインを手掛けるのは約20年振りということもあって「喜んでお引き受けしました」とのこと。しかし、そこにはさまざまな葛藤もあったようです。真咲たちが誕生するまでの経緯を伺いました。

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キャラクターデザインは20年振り。開口一番に「なんで自分だったんですか?」

──今回の『真夜中ぱんチ』のオファーはどのような経緯で受けられたのでしょうか?

ことぶきつかささん(以下、ことぶき):最初は確か……『ガンダムエース』の元編集長経由でご連絡をいただいたんです。スケジュール的なところもあったので、サンライズにも相談しつつ、KADOKAWAのご担当者さんとお話しつつ……という感じでした。

ただ、最初は僕に声を掛けてくれた理由がよくわからなくて(笑)。「誰かと勘違いしているのかな?」って。

──いやいやいや……!

ことぶき:いや、本当に(笑)。それくらい、唐突に声が掛かった印象があったんです。アニメーションで定期的にキャラクターデザインをやっていたり、『ガンダム』絡みの仕事であれば、「そういう流れでお話が来たのかな」とは思ったんですけど、全くのオリジナル作品ということだったので、本当に不思議でしたね。

──じゃあ最初に本間監督たちとお会いしたときには……。

ことぶき:もちろん「なんで自分だったんですか?」ってところから入りました(笑)。

──特に本間監督からは熱い要望があったのではないでしょうか。

ことぶき:そうですね。打ち合わせ当日も、ものすごく熱く語ってくれたんです。ただ、「そんなこと言ってくれるのは本間監督だけなんじゃないの?」って思いつつ(笑)。だから最初は本間監督が一人勝手に盛り上がってこの作品を立ち上げて、それで僕に声をかけてくれたのかなって思っていたくらい。

というのも、当時は作品の具体的な内容までは決定していない段階だったんです。だから「どういう作品なんですか?」と聞いても、確実に決まっていたのは「動画投稿者とヴァンパイアの組み合わせ」くらいでした。監督としては「まずはデザインを固めてから(ストーリーラインを)考えたい」という意図があったようです。

ただ、そんなに大切なポジションを任せていただいて良いのか、そもそも僕で良いのかが分からなかったので、「現時点の文字設定から自分がアイデアを出すとしたらこんな感じですけど、本当にこれで良いですか……?」ってお試しで見てもらうような感じで、やりとりを重ねていきました。

──発表時に出されていた公式コメントに「監督からは“エモ過ぎず今風過ぎず”という難しい注文でした」というお言葉がありましたが、それはその段階で出ていたリクエストだったんでしょうか?

ことぶき:それはもう、最初に言われていましたね。ただ、エモすぎず今風過ぎず……というのはニュアンスが少しつかみにくいところがあったので、「要は90年代のデザインみたいなのが欲しいってことなんでしょうか?」「あくまで昔のようなテイストが欲しいんですかね?」などと質問していました。

本間監督は「そうじゃないんですけども」という感じで、その都度説明をしてもらってはいたんですが……そこはまだ、お互いに手探りなところなので。

──言語化はしにくいところですよね。

ことぶき:そうですね。だからそこは難しいところでした。自分としても変なプレッシャーがあったのかもしれません。こんなことを言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、今どきのお客さんに対して「自分なりに精一杯頑張って今風に描いてみました」という感じであれば、正直「おじさんがやったんだから、古く見えてもしょうがないわな」となっても納得出来るかもしれない。

でも「“今風過ぎずでお願いします”というオファーしてもらいながらも、実際に表に出したとき、ファンの人たちから“なんだこの古臭いデザインは”って思われたらどうしよう」と(笑)。

作品を期待している皆さんにとって、キャラクターデザインは作品を象徴するとても大切なものです。いくら監督が「僕が注文したんです」と言ったとしても、少しでも残念な思いをさせてしまったら「それはことぶきのせいだろう」となるだろうなと(苦笑)。だからこそ、“エモ過ぎず今風過ぎず”という絶妙なさじ加減は、背負うのがすごく怖かったですね。

──その塩梅というのは、デザインがある程度固まってからもずっと戦っていたところだったのでしょうか。

ことぶき:はい、それはP.A.WORKSさんに渡す、最後の最後まで考えていたところです。また、あくまで今回はキャラクター原案ということなので「ちゃんといい状態に料理して使ってくださいね!!!」とは伝えていました。きっと若い世代の人がアニメーションやキャラクターデザインを起こすのでしょうから、現在に通用する風に持っていった状態で世に出してください、と。

──どこかでキャラクターデザイン&総作画監督・有間涼太さんとやりとりされることはあったのでしょうか?

ことぶき:実はまだ話していないんです。というのも当時は「(キャラクターデザインの)候補は決まってるんですけど」という段階で、どなたが担当するかは決まっていなかったんです。

──確かに有間さんもインタビューで「ことぶきさんの原案は最初の段階で、かなり完成されていたんですよ。自分が最初に見たのは、色がついた状態のキャラクターだったので、キャラクターの服の線をどのように表現するかなどをアシストするような流れでした」とおっしゃっていましたものね。

ことぶき:そうですね。当時は劇場版『パリピ孔明』の作業もあったのかな、いろいろと並行していたんだと思います。

(C)2024 KADOKAWA/P.A.WORKS/MAYOPAN PROJECT
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