アニメ

2024-07-18 20:00

夏アニメ『真夜中ぱんチ』キャラクター原案・ことぶきつかささんインタビュー｜“エモ過ぎず今風過ぎず”という絶妙なさじ加減は、すごく難しかった【スタッフ・声優インタビュー連載第5回】

僕が描いたときよりも可愛らしい感じのキャラクターに

──ことぶきさんは現段階で、最終回までご覧になられているんですか？

ことぶき：映像はいただいているのですが、皆さんといっしょにリアルタイムで見て盛り上がったほうがいいのかなという思いもあって、実は第2話までしか見ていないんです。もちろんシナリオは読んでいるので、あらすじは把握していますが。

──第2話までご覧になられて、どのような印象がありましたか？

ことぶき：思ってたほどクズじゃなかったな、と（笑）。相当マイルドに収まっていたので、むしろざわざわしていた心がほっとしたというか「そうそう、これくらいで良いんだよ！」と。有間さんたちのおかげで、僕が描いた原案よりも可愛らしい感じのキャラクターに仕上がっている印象です。

声優さんたちも本当にいいキャスティングで、それぞれがデザインを最大限に活かしてくれているなと感じました。

──真咲とりぶが動いているところをご覧になったときはどのような感覚でしたか？

ことぶき：デザインをしている立場としては、真咲に関してはふわふわしたままだったんです。正直、提出してからも、ずっとモヤモヤしていました。りぶのほうがまだ、デザインとして固まっていましたね。

でも、長谷川さんの声がついた映像を見た時に「ヴァンパイアと人間」といった対比うんぬんを超えて、「ああ、ちゃんと主人公になってる」と思ったんですね。腑に落ちました。本間監督の中でも「この声があれば大丈夫」という確信があったんじゃないか、と思ったくらいで。そこでほっとしました。

──それこそ監督は「ファイルーズさんの声が入ることで、りぶというキャラが成立したように思います」とおっしゃっていましたね。

ことぶき：実は僕、文字設定を見た時からファイルーズさんの声を勝手にイメージしていたんですよ。そしたら本当にファイルーズさんが演じられることになっていて、監督は自分よりあとからしっくりしてたんですね（笑）。

さっきも言った通り、当時は声に関する情報がなかったんですね。これまで関わった作品は、事前の打ち合わせの時に「どんな声をイメージしてますか」といったことを聞いていたんです。今回はそれがなかったので迷っていたところもありました。

──アフレコにことぶきさんはところどころ参加されていたのでしょうか？　茅野さんのインタビューで、色紙をいただいたという話を伺って、とても喜ばれていました（インタビューは今後公開予定）。

ことぶき：それは良かった。前もって描けたらもっとキレイな色紙を用意できたのですが（苦笑）。最終回だけお邪魔したんです。スケジュール的に行けるか本当に難しい状況で、でもただ見に行くだけは失礼だなと、迷っていたのですが……前日の深夜1時あたりに「やはり行こうかな」と思い直し、急遽色紙を描きました。

──この取材時点では、間もなく第1話が放送となりますが、今はどのようなお気持ちですか？

ことぶき：ドキドキしています。生みの親の一人として、受け入れてもらえるかも緊張しますし……改めてこうやって振り返ると、監督をはじめ若い人たちと仕事するのは、やはりプレッシャーですね。「お荷物になってなければいいな」と（苦笑）。

──その生みの親であることぶきさんから見て、第2話以降、どのようなところに注目してもらいたいかも、改めて教えていただけますか？

ことぶき：すごく無責任な発言になってしまうかもしれませんが……メインキャラクターに集約したストーリーが続くのかなと、思いきや、今後は僕のデザインしたキャラクター以外もたくさん登場します。

この段階では詳細は話せませんが、キャスティングもすごいんですよ。アフレコに参加した時に「なんでこんな大御所の声優さんがいるの？」と驚いたくらい（笑）。本編以外の仕掛けも含め、見どころのたくさんある作品に仕上がってるんだなという印象があります。

当たり前なんですけども、たくさんの人たちの手で作ってきた作品に参加していたんだなって改めて感じました。この歳でなんだかすごい作品に参加させてもらったな、と感動しましたね。

──最初にことぶきさんから「以前は4クール当たり前だった」といった話題がありましたが、本作は1クールながらも、ギュッと詰め込まれた作品になっていますよね。

ことぶき：そうですね。それもすごく感じたところです。

──ちなみに、ことぶきさん自身は、動画はご覧になられるのでしょうか？

ことぶき：見ていますね。ただ、仕事にまつわる映像を見ていることが多いので、具体的に「このチャンネルを見てる」というわけではないんですよね。

──アニメーションとしてはどうですか？

ことぶき：時間の関係もあって、最近は話題になるアニメしか見られていないんですよ。そう思うと、じゃあ『真夜中ぱんチ』はどれだけ多くの人の目に止まってもらえるのか、逆の立場からドキドキしています。

今は数が多い分、目的がないとなかなか見てもらえないような気がしていて。例えば「参加している声優さんが好きだから」「監督の手掛ける作品がもともと好きだったから」とか。でもそれとは関係なく「なんとなく」で良いので、気軽に見てもらえたらなと思っています。

──最後に、ことぶきさんから視聴者の皆さんに伝えておきたいことはありますか？

ことぶき：とにかく見てほしいです。文句を言いながらでもいいです（笑）。むしろありがたいですよ。「ああじゃないだろう、こうじゃないだろう」とケチをつけてくれるっていうのは、しっかりと観てくれている証拠ですから。下手すると炎上商法と言われてしまうかもしれませんが、そういうつもりではなくて。とにかく見てもらえたら嬉しいです。

ひとつ気になったのは……『真夜中ぱんチ』なのに、真夜中の放送ではないんですよね（笑）。でもそれも良いなと思っていて。放送を見たあとにSNSなどで、真夜中まで『真夜中ぱんチ』の話題で盛り上がってもらえたら嬉しいです。

[取材・文／逆井マリ]

連載バックナンバー

第1回　アニメーションプロデューサー：P.A.WORKS 橋本真英

TVアニメ「真夜中ぱんチ」作品情報

2024年7月8日（月）より放送中！
《動画投稿、はじめます!?》

放送・配信情報

■放送
TOKYO MX・AT-Xほかにて7月8日（月）放送・配信開始！
TOKYO MX：7月8日より毎週月曜 22:30～
AT-X：7月8日より毎週月曜 22:30～
【リピート放送】毎週水曜 10:30～／毎週金曜16:30～
BS11：7月8日より毎週月曜 23:00～
KBS京都：7月8日より毎週月曜 24:00～
サンテレビ：7月8日より毎週月曜 24:00～
チューリップテレビ：7月8日より毎週月曜 25:50～
※放送開始日・放送時間は変更となる場合がございます。予めご了承ください

■配信
dアニメストアにて7月8日（月）22:30より地上波同時・最速配信！
dアニメストア：7月8日より毎週月曜22:30～
U-NEXT：7月11日より毎週木曜 22:30～
アニメ放題：7月11日より毎週木曜 22:30～
その他サイトも7月13日（土）22:30～以降、順次配信予定！
詳細は各サイトでチェック！

INTRODUCTION

「真夜中なのにおっはよー!真夜中ぱんチです！」

世界でもっとも見られている動画投稿サイト「NewTube」。

3人組NewTuber「はりきりシスターズ」の「まさ吉」こと真咲は、生配信中の問題行動が炎上し、チャンネルをクビになってしまう。

起死回生を狙う真咲の前に現れたのは、なぜか彼女に運命を感じたヴァンパイアのりぶ。

その超人的な能力があれば、目標のチャンネル登録100万人だって夢じゃない!?

真咲は、自分の血に惹かれるりぶに動画出演を依頼。

対価として差し出したのは......。

「100万人が達成できたら、いいよ。私を食べて」

りぶの暮らす晩杯荘の仲間たちを巻き込み、絶対夢を叶えたい動画投稿少女×絶対食べたいヴァンパイアの決死の動画撮影が始まる!!

現代人共感必至!?

「パリピ孔明」スタッフが贈る、ワケあり動画投稿者たちのハイテンション・ガールズ”再生”ストーリー！

STAFF

原作：動画投稿少女
監督：本間修
シリーズ構成：白坂英晃
キャラクター原案：ことぶきつかさ
キャラクターデザイン：有間涼太
総作画監督：有間涼太、さとう沙名栄、合田真さ美
メインアニメーター：鍋田香代子
美術設定；藤井祐太
美術監督；前田有紀
色彩設計；江口亜紗美
撮影監督；児玉純也
2Dworks：吉垣誠
3D監督：小川耕平
編集：髙橋歩
音楽：tepe、樂
音楽制作：ハートカンパニー
音響監督：飯田里樹
音響効果：小山恭正
録音調整：安齋歩
音響制作：dugout
アニメーション制作：P.A.WORKS
製作：「真夜中ぱんチ」製作委員会