音楽
『ヒプマイ』7連続リリースCD『.MAD TRIGGER CREW』レビュー

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』『.MAD TRIGGER CREW』レビュー|M.T.Cは本当の意味でのチーム(仲間)となった【7連続リリースCD連動企画】

アニメ、舞台、ゲームアプリと、楽曲CDにとどまらず様々なメディアミックス展開でも話題をかっさらっていく『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-(以下、ヒプマイ)』。2作目の新曲リリースがやってきました。今回もディビジョンごとのCD作品、しかも7か月連続リリース!

アニメイトタイムズでは、作品が始まった当初から楽曲のレビューをさせていただいておりますが、今回も編集部の石橋が担当させていただくことになりました。ありがたし……! もちろん、7か月連続で全曲をレビューさせていただきますよ!

連載第2回となる今回は、2024年7月24日(水)に発売のヨコハマ・ディビジョン「MAD TRIGGER CREW」の『.MAD TRIGGER CREW』をレビュー。

目的のためなら手段を選ばないMAD TRIGGER CREW。数多の暴力・権力・武力を行使し、自分達が追い求める世界に少しずつ駒を進めていると思っていました。そう、“思っていた”のです。

しかし、それだけでは何も解決はしませんでした。果たして、彼らが選んだ道とは?

 

【7連続リリースCD連動企画】バックナンバー

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『.Buster Bros!!!』
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『.MAD TRIGGER CREW』
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『.どついたれ本舗』
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碧棺 左馬刻がハマの仲間とともに背負ってきた「Backbone」

碧棺 左馬刻の新曲の名前は「Backbone」。これまた渋い曲が来ましたね!

近頃の碧棺 左馬刻はまさかの弾き語りをしたりと、別方面での渋さを見せてくれていましたが、やはり碧棺 左馬刻は何も変わってなどいないと気づかせてくれました。いや、それ以上にパワーアップしています。

和なテイストもあり、まさにジャパニーズヤクザといった趣でクールなトラック。この落ち着いた余裕のある大人感がまさにですよね。

「Backbone」というタイトルですが、直訳すると「背骨」になります。そのため、リリックにも<誰も折ること出来ねぇ背骨 生き方だけは絶対に曲げねぇ>という文言が含まれているのだと思います。

背骨を伸ばし、胸を張って、俺の人生を生きる。芯は曲げない。そんな強い意志も感じますね。

一方、「Backbone」とはHIPHOP用語で「背景」という意味合いもあります。生い立ちや背負ってきた過去などを表す言葉です。その意味を加味してリリックを読んでみると、また一味違って感じることができるでしょう。

<星の数など知らねぇが それ以上に痛みを知った 脳裏に焼きつくあの日  人は簡単にするんだ過去に>

これまでの辛い過去をなかったことにするのではなく、背負っていく。碧棺 左馬刻が一貫して持っている信念だと感じます。ブレない男ってやっぱりかっこいいですよね……。

しかし、今回はちょっと違う……!

<こんな汚ねぇ街にも光が まだここに居たいのか><仲間とハマの絆が増す><この景色もいつか変わるだろう 横にいる奴らは同じだろ>

仲間とハマの絆が増す!? 横にいる奴らは同じだろ!? これはもしや、入間 銃兎と毒島 メイソン 理鶯のことですか!?

これまではお互いの利害関係のためにチームを組んでいましたが、ここに来てついにMAD TRIGGER CREWは本当のチームになったんや……! まあ、妙にみなさん噛み合っているとは思っていましたけど……!

それにしても熱い。熱すぎる展開です。

個の力で戦っていたMAD TRIGGER CREWが、お互いの過去を共有し、仲間として協力したら……? こりゃあえらいこっちゃ……!

ラストのリリックには、<イモ引く奴は今すぐに退け MAD TRIGGER CREWだぜ>といつもの調子もかましてくれているので、あくまでもこれまでの強みを活かしながら次に進む、という決断をしたのではないでしょうか。

我々は、物語が一気に進みだした瞬間を目の当たりにしているのかもしれません……!

碧棺 左馬刻といえばサイプレス上野

碧棺 左馬刻の最初のソロ曲「G anthem of Y-CITY」のリリックを担当したサイプレス上野が、再びリリックを担当することになりました。

横浜のドリームハイツという団地出身のサイプレス上野はとてもおもしろい人で、ラッパーかつ超がつくほどのHIPHOPヘッズ。

そのため、「Backbone」のリリックのように『ヒプマイ』でもニクいHIPHOPネタを忍ばせてくれるのだろうなと思っています。

また、横浜といえば、個人的にはOZROSAURUSかサイプレス上野とロベルト吉野です。

横浜の表も裏も知っている彼らだからこそ書けるリリックがあるのは間違いありません。そのリアルさが『ヒプマイ』の解像度を上げているのです。

人気アーティストをプロデュースしまくりのFoux

「Backbone」を作曲・編曲したのは今、最も注目のプロデューサーのひとりであるFoux。

2023年だけでもOZworldの「Gear 5 feat. ACE COOL & Ralph」、BAD HOPの「TOKYO DOME CYPHER」など、ここでは書き尽くせないほどの楽曲を手掛けるなど、話題の注目アーティストと様々な作品を制作しています。

本人のインスタグラムでは積極的に関わった楽曲を紹介しているので、気になった方はぜひチェックを!

 

<次ページ:今まで以上に攻撃的な入間 銃兎の「Awake」>
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