夏アニメ『俺は全てを【パリイ】する』濱野大輝さん✕前川涼子さんインタビュー|ひたむきにやってきたものを信じて、続けていくノールの姿に勇気をもらえる
新人以来の再会だったけれど、覚えていてくれた濱野さんに思わず「さすがです先生!」
──アフレコの雰囲気はいかがでしたか? 何か話せるエピソードなどもあれば教えてください。
濱野:分散収録がまだちょっと残ってたので、1話まるごとみんなで、というよりはパーティーや一緒に行動する人たちと録っていました。
でもよくお会いする方とか、いろんなところでお名前を聞くような方と一緒だったので、なんかこうのほほんと、一緒に旅してたみたいな和やかな雰囲気の収録でしたね。あれが好きとか最近食べたものが美味しくてとかそういう話をしてました。殺伐とした作品じゃなかったからこそ、自然なパーティー感みたいなのはアフレコの現場にもあったのかなと思います。
エピソードと言うと、第1話は僕らが2番目の組で、【六聖】の皆さんの収録を見ていたんですよ。そこで先輩方が「パリイって何? パーティってこと?」みたいな、ゲームが好きな人ならわかる用語かもしれないんですが、ファンタジーならではの用語やカタカナの用語がたくさんあって。先輩方はきちんと「これはこうでしょうか?」って確認をみなさんしてらしたのが印象的ですね。
前川:私、濱野さんとお会いするのがものすごく久しぶりで。それこそ本当にデビューした当時ぐらいに番組でご挨拶したぐらいだったので、濱野さんは覚えていらっしゃらないだろうと思いながら初回の収録に臨んだんです。そうしたら最初に「皆さんよろしくお願いします 」って言ったら「あの時一緒だったよね」って覚えてくださっていて。「さすがです先生! ついていきます!」って思ってその時に思いましたね(笑)。
お互いすごく新人の頃だったので、時を経て主人公とヒロインっていう形で一緒にやらせていただくというのも、私的にはすごく嬉しかったので。
濱野:それは僕も思いましたね。ちょっと初心を思い出して、ノールとかリーンもコツコツ頑張ってきた人だからこそ、ちょっとこう重ね合わせられるような要素もあったのかなとは思いました。
前川:「お互いこういう役どころあんまりないよね」みたいな話もさせて頂いて。そういうところも共通点というか親近感というか、「一緒に頑張りましょう」っていう気持ちはすごいありました。
──演じた時に意識したことや、演じていてこういうとこ似てるなーみたいなところはありましたか?
濱野:似ているというわけじゃないですが、純朴なところは見習いたいなって思いますね。僕はキャラクターを演じる時にちょっと憧れみたいなのを持つことが多くて。ノールに憧れる部分はそこですかね。
でも、マイペースなところは似てるのかもしれません。何に対してもマイペースで気づかないみたいな。半分悪口でもあるんですけど、友人からよく「だいぶマイペースだよね」みたいなことを言われるので(笑)。なので、そういうところは見つつ、不思議な人の方向に誇張してというか。すべてを0か100でやらなきゃなみたいなのは意識したところではありましたね。
あと、ノールはとても強いんですが、彼自身は自分を強いと思っていないんで、「俺よりすごいのに」って誰かに言う時に、嫌味にならないよう気をつけていました。
前川:リーンは14歳の少女とはいえ、王女として育ってきて、普通の女の子とはちょっと違う、責任感とか、自立してる部分が結構あるので、しっかりした女の子として演じてほしいというのは一番最初のディレクションで頂きました。
もちろん私は王女として生きたことはないので(笑)、城とかで暮らしている品のある感じと、でもやっぱり少女感っていうのを共存させるのは少し難しかったですね。
あとレインお兄さんもそうなんですけれど、リーンは作中で状況説明したりとか、口では言わずともモノローグで思っていることを表現するシーンが多くて。
いろんな可能性を考えられる聡明な子だからこそ、かなり大人びたセリフや言い回しもたくさんあって。単純にその言い回しの難しさがありつつ、長いセリフをちゃんと視聴者の人に伝わるよう、でも心の中でリーンが思ってるっていう風に聞こえるように……みたいなところをすごく気をつけました。
でも一番はやっぱりリーンの純粋さ、まっすぐさ。こんなに完璧な女の子だけど、心の中ではすごく人間味があり、等身大の少女っぽさや葛藤とか逡巡とかもあるんだっていうのをしっかり表現できたらなとは思っていました。