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岬なこがTVアニメ『魔導具師ダリヤはうつむかない』オープニングテーマから感じた印象とは/インタビュー

TVアニメ『魔導具師ダリヤはうつむかない』オープニングテーマ「ちいさな蕾」岬なこさんインタビュー|ダリヤが前を向いて進んでいく姿を見習っていきたい

 

ダリヤが前を向いて進んでいく姿を見習っていきたい

――「ちいさな蕾」は、爽やかな楽曲でした。まず、TVアニメ『魔導具師ダリヤはうつむかない』にはどんな印象を持ちましたか?

岬:転生モノって、ストーリーの起伏が激しいという先入観を持っていたんです。でも、実際に目を通してみたら、心にスッと溶け込んでくるような、読みやすい作品だと思いました。

主人公のダリヤが、現実世界を過ごして、そこから転生し、そこでまた大人になり、自分がこの先どう生きていくのか、というところが描かれていくんです。明るい未来へ向けて、過去をなかったものにはせず、前を向いていく姿は見習うところばかりで、とてもカッコいいと思いました。

 

 

――過去は、ずっとついて回るものですからね。

岬:ちょっと目を背けたくなっちゃうことや振り返るのもイヤになることだってあるはずですよね。でも、何もかも上手くいかなくても、そんな自分がいたから今の自分がいるんだと前向きに捉えている。転生して人生をやり直しているようなものなのに、そう考えられているところが、やっぱり見ている視点が違っているなと思いました。なかなか、そこまで前向きにはなれないので、ダリヤの行動力も含めて見習いたいです。

しかもチート能力があるというよりは、前世の記憶があって、家電とかを発明するけど、ちゃんとその世界でも魔法を勉強して、その魔法の知識を合わせて発明していくので、彼女の努力家なところも、もともとあった魅力なんだろうなと思いました。

――その作品のオープニングを飾る「ちいさな蕾」を聴いた、最初の印象を教えてください。

岬:最初からワクワク感がありました。弦楽器たちのちょっと弾けるような音が入るところに風を感じて。そこから歌詞を少しずつ紐解いていくと、自分にも当てはまるんですけど、ダリヤに当てはまっていることのほうが強くて。

サビの〈光射す場所へ 真っすぐ 思いきり顔上げて〉とかは、自分を奮い立たせる力に長けているダリヤみたいだし、それを聴くと、私も頑張ろうと思えるんです。そのあとの〈いつだって素直なココロで〉も、自分に対して偽りなく生きるって簡単なことではないのに、目を背けたくなるものにもちゃんと向き合って、自分の中で解消していく。本当にダリヤがそこにいる!と感じる歌詞でした。

――歌うときはダリヤの顔が浮かぶものですか?

岬:もちろん作品のことは念頭に置いて、ダリヤがそこにいるなと思いながら歌いつつ、たとえば2コーラス目の〈どんなふうに なりたいの? 問いかけてみる自分に〉とかは、ダリヤだけでなく、岬なこ自身にも当てはまることなので、ちょうど半分くらいの、第三者目線で歌っている感じかもしれません。なので、実際にこの歌が、テレビアニメと走り出したとき、その世界に溶け込めていたらいいなと思います。

 

 

――レコーディングでは、何か印象的なディレクションはありましたか?

岬:そんなにはなかったんですけど、Bメロの〈どんなに(どんなに) 迷っても(迷っても)〉のところは、コーラスが入るんです。“ハー・アー”のコーラスなんですけど、そこは優しく包み込むような感じでということでした。ここから道がひらけてサビに向かっていくところだったので、そういうアドバイスをいただきながら歌っています。

――ここのコーラスはすごく良かったです。

岬:ホントですか! ありがとうございます。コーラスが大好きで、終わったあとにざっくり重ねたものを聴かせていただくんですけど、コーラスがある曲って、ハモリがある曲に比べて、私がいっぱいいる!って感じになるんですよ(笑)。だから聴いていて楽しくなるんです。

ここは楽しくなるようなパートではなく、一度落ちるところではあるんですけど、落ちきらないよう、支えになるコーラスになればいいなと思いながら歌っていました。

――すごくいい曲ができましたね。

岬:ぜひ広い草原とかで聴いてほしいです。風が吹く日にぴったりなので。

――まさにMVは、草原というか緑でした。

岬:天気にも恵まれまして、海辺でも撮らせていただきました。この曲を聴いたときに想像していたのが、草原と緑、そして風なんです。背中を押してくれる追い風と、前から吹く向かい風。その両方だったんです。絵面的には向かい風だけど、歌詞の意味合いとしては背中を押してくれる風のイメージがあったので、それにもピッタリなMVになりました。

あと、私と、その幼少期の役としてゆずちゃんが参加してくれたんです。そのゆずちゃんがかわいいのなんの! もう毎回出てほしいと思いました。

――すぐに成長しちゃいますよ(笑)。

岬:確かに、成長が早いですよね。でも、今だけしかないかわいさ、ピュアさがあって、駆け回っているのを見るだけで心が洗われました。そういう純粋無垢なところと、今の私が対比になっている、とても素敵なMVになったと思います。

 

――ということは、見どころはゆずちゃん?

岬:もちろん私も見ていただきたいですけど、ゆずちゃんも見てほしい(笑)。あと、初めてダリアの花の蕾と共演したんです。花びらがたくさん重なっているお花なので、それが一つにまとまっている蕾は存在感がすごくて! 私が想像していた小さくて華恋な蕾ではなく、力強い存在だったんです。それがダリヤ本人の強さとも重なる感じがしました。カッコいいお花でした。

――撮影はいかがでしたか?

岬:解放感しかなかったです(笑)。それまで「ソラトレイト」の屋上で、風を浴びながら歌ったのがマックスな解放感だったんですけど、それが更新されました。あと撮影場所から見えた景色が、夕日も相まってとにかく心に染み渡ったんです。その景色に感動しながら撮影をしていたので、あっという間でした。

 

ユニークなカップリングナンバー。そして好きなアニメは、コメディかスポーツもの

――カップリングの「銀のシュプール」はシティポップ調のおしゃれナンバーでした。

岬:シティーポップは、自分に合っているのか想像があまりできていなかったジャンルなんです。

――すごく合っていたと思いますが、歌含めて大人っぽい世界観ではありました。

岬:もちろん大人っぽさは意識して歌いましたし、並べられているワードチョイスなど、メロディと想像できる景色が、すべて昼ではなく夜だったんですよね。

それと「ちいさな蕾」とはまた違う、力強い女性像が、この曲にはあって、自分の意思でどうにかするような、私の憧れている理想が詰まっていたんですね。だからカッコよく歌えていたらいいなぁと思っていたんですけど、どうでしたかね?

――カッコ良かったですよ。でも、歌ってみて難しかったのですか?

岬:難しかったです。でも難しいだろうなと思ってレコーディングに臨んだので、そこまで驚くことはなかったです。その難しさって、やったことがあるけど苦手ではなく、挑戦したことがないところからくる難しさだったんですね。だから挑戦する楽しさ、ワクワクした気持ちというのもあるレコーディングでした。

――新しいことにチャレンジすれば、また自分の幅も広がりますからね。

岬:これだけいろいろなチャンスをいただいて、自分ですら知らない可能性をたくさんの方が見い出してくださるのは嬉しいことです。ジャケットの話にもありましたけど、何もないまっさらな状態だったからこそ、いろんな色に染まることができる。それは楽曲でもそうなので、今回ちょっと大人な女性に扮して、こういう私もいけますよ、どうですか?って、皆さんに問いかけたい気持ちはあります(笑)。

 

 

――3曲目の「もしもし.com」は、かわいらしい、ゆるいラップが最高でした。

岬:こんなにラジオっぽい曲になって返ってくるとは思わなかったんですけど、「ラップを歌いたいです!」とだけ言ったら届いた曲です(笑)。まさかのかわいいラップで、聴いたときはかわいすぎて、度肝を抜かれました。でも、私の歌うときのスタンスからすると、すごく歌いやすいんですよ(笑)。語りかけるような、本当にラジオ番組でお話しながら歌っているような気持ちだったので。

――改めて思ったのは、岬さんの声は癒やされるということで、声質にもすごく合っていますよね。

岬:合っていたらいいなぁ。

――ちょっとウィスパー気味で歌っていますよね。

岬:はい。〈ヘルツの波を 泳いで この声届けましょ〉という歌詞にもあるように、まったく力んでないんです。普段話しているよりも柔らかいくらいで。頑張った自分へのご褒美じゃないですけど、1日の終わりにちょっと聴きたくなるような曲になったらいいなと思っています。

でも、レコーディングのときに話していたんですけど、眠たくなっちゃいますよね。デビューアルバムで「おやすみ」という曲がありましたけど、その曲より眠たくなりそうで。

――そんなことはないと思いますよ。癒やされながら聴いていたら終わっちゃうような曲だと思います。

岬:確かに、この曲は合いの手を入れられそうなところがたくさんあるので、ライブで披露する機会があったら、みんなに一緒に歌ってもらうのもいいかもしれない。

――〈(しゅわしゅわチカチカ)〉って、こちらが歌うんですか!?(笑)

岬:一応カッコになっていますから。私、たぶん息が続かないので、ぜひ歌ってください(笑)。力強い〈(しゅわしゅわチカチカ)〉も聴きたいじゃないですか。

――それはそれで、見てみたい気もしてきましたが……。

岬:皆さんがどんな反応をしてくれるのか楽しみです。

 

 

――そして、アコースティックライブが、9月21日に、千葉・松戸 森のホール21大ホールで開催されます。

岬:すごく楽しみです! アレンジも変わると思うんですけど、まったくまだ想像ができていなくて。バラードは、何となくこんな感じかなと思うんですけど、明るい曲がどうなるのか。今回は、バンドだけではなくストリングが参加してくださる予定なので、私も客席で見たいです!

――ステージで歌ってください(笑)。

岬:以前、Liella!でアコースティックライブに参加したことがあって、それがあまりにも楽しかったんです。そのとき、自分はアコースティックライブに合っているのかもしれないと思ったんですよね。周りの方からも「声質が柔らかいから合っているよ」と言っていただけたのが嬉しくて印象に残っていたので、今回、自分の楽曲でとなったとき、どうなるのかすごく楽しみになりました。

――ライブ、楽しみにしています。では最後に、アニメイトタイムズとして、どんなアニメが好きなのかを伺ってもいいでしょうか?

岬:私、コメディ要素があるアニメが好きなんですよ。シリアスに全振りしている作品だと、心が痛くなってしまうので。あとは『ハイキュー!!』からですけど、スポーツアニメもすごく好きです。『SLAM DUNK』『黒子のバスケ』、『ダイヤのA』も好きですね。

――スポーツものって、絶対に面白いですからね。

岬:そうなんですよ。絶対に面白いし、誰も嫌いにならないし、あと滅多なことがない限り、人がいなくならないのも良くて。バトル系だと、推しが突然消えることがあるんです(笑)。それが面白さですけど、心が乱れるので(笑)。あとは、異世界者の主人公最強系も好きなので、周りが面白いよというものは、だいたい見ているタイプです。

――ありがとうございます。

 
[文・塚越淳一]

 

楽曲情報

 
【発売日】2024年7月24日
【価格】
初回限定盤:3,080円(税込)
通常盤:1,980円(税込)

≪収録内容≫
[CD]
1.ちいさな蕾
2.銀のシュプール
3.もしもし.com
4.ちいさな蕾(Off Vocal)
5.銀のシュプール(Off Vocal)
6.もしもし.com(Off Vocal)

[BD]※初回限定盤のみ
01. ちいさな蕾 Music Video
02. Making of ちいさな蕾 Music Video

 

特典

■メーカー特典
【ご注文時にメール通知】岬なこ「岬なこがYATTEKURU」開催記念 特典お渡し会@北九州あるあるCityシリアルコード
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。

・配布期間 2024年7月30日(火)23:59まで
・応募締切 2024年7月30日(火)23:59まで
・詳細は下記ページにてご確認ください。
https://www.animate-onlineshop.jp/contents/fair_event/detail.php?id=111297

■封入特典
岬なこ アコースティックライブチケット最速先行抽選申込券(初回限定盤)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
※初回仕様がなくなり次第終了とさせて頂きます。ご了承下さい。

 

岬なこ アコースティックライブ

■公演概要
日程:2024年9月21日(土)
<昼公演>14:00開場/15:00開演
<夜公演>17:30開場/18:30開演
会場:千葉・森のホール21 大ホール

■チケット料金
全席指定(グッズ付き):11,500円(税込)
全席指定:8,000円(税込)
※5歳以上有料/5歳未満入場不可

詳細は、公式サイトにてご確認ください。

 

作品概要

魔導具師ダリヤはうつむかない

あらすじ

彼女が最後に見た光景は資料が雑然と散らかるデスクだった。徹夜続きで働き、突然心臓が止まってしまったのだ。やりたいことがたくさんあったはずなのに、机に突っ伏して最期を迎えるなんて…。彼女は二度目の人生を魔法の存在する世界で送ることになった。名前はダリヤ・ロセッティ。彼女が暮らすこの世界には、人々の生活を便利にする「魔導具」がある。普段の生活はだらしないが魔導具師としては尊敬できる父のカルロ。ダリヤはカルロの作る魔導具に憧れ、自分も魔導具師になろうと決意する。これは彼女が魔導具師として前をむき、花開いていく物語。

キャスト

ダリヤ・ロセッティ:大西沙織
ヴォルフレード・スカルファロット:田丸篤志
イルマ・ヌヴォラーリ:飯田里穂
マルチェラ・ヌヴォラーリ:松田健一郎
ルチア・ファーノ:和泉風花
イヴァーノ・バドエル:高橋広樹
ガブリエラ・ジェッダ:山口由里子
トビアス・オルランド:大野智敬
カルロ・ロセッティ:成田剣

(C)Amagishi Hisaya/MFブックス/製作委員会はうつむかない

 

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