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夏アニメ「先輩はおとこのこ」連載:梅田修一朗・関根明良・内田雄馬が第4話までの物語を振り返る【連載02】

夏アニメ「先輩はおとこのこ」連載:梅田修一朗さん・関根明良さん・内田雄馬さんが第4話までの物語を振り返る|前に進むことを選んだまことがすごい綺麗だったから余計に複雑な気持ちに

 

素直になるって難しい

――第4話は水族館へのお出かけや勉強合宿など、3人にとって楽しい思い出になったんじゃないかと思います。一方で、竜二がまことへの思いについて考える場面もありました。

内田:竜二は、自分がまことを好きになるのは普通じゃないだろうし、何より自分の気持ちを伝えた場合にまことはどうなってしまうのかと、相手のことを考えて悩んでいるんです。とても深い悩みだと思いますが、そこをしっかり描いている本作は、やっぱりとても素敵な物語だなと感じました。素直になるって難しいですね。

関根:そうですね。

 

 
内田:相手がいる社会・生活のなかで自分が素直になったときに、周りにいる人たちはどうなってしまうのか。それを考えると、なかなか素直になれないこともある気がします。

梅田:素直になること自体が怖いって思う人もいるでしょうし、素直さをわがままととらえて内に秘めてしまう人もいると思います。竜二はいい奴だから、周りのことを考えてより悩んでしまったのかもしれません。

内田:ここから先は竜二の繊細な部分がさらに出てくるので、演じるうえでも楽しさと同時に難しさを感じていました。

――まことは第3話での出来事を経て、さらに自分を貫けるようになった気がします。

梅田:まことは、竜二と蒼井さんから受けた影響をしっかりと自分の力に変えていける子なのかなと思っています。もちろん、まことも深く悩むけれど、勇気をもって怖さや悩みに立ち向かえる芯の強さを持っているんだなと演じながら感じていました。

―― 一方の咲は、“特別”という言葉に敏感で、複雑な気持ちを抱えていそうな面が出てきました。

関根:そうですね。水族館や勉強会でもとても楽しんでいるのですが、彼女のなかには色々な思いがめぐっていて。第3話でまこと先輩の特別を見たり、師匠の特別が 見えてきたりするなかで、「隣の芝は青く見える」じゃないですけど、咲ちゃんには相手のものが よりキラキラして映っているのかなと。

まだ深くはお伝えできませんが、第4話にはここからの物語にも関わるかけらがたくさんあって。「大丈夫だよ。咲ちゃんにも特別はあるんだよ」と伝えたいなと思いながら、収録をしていました。

 

 
梅田:関根さんの言葉を聞いて、以前にぽむ先生が「この作品を読んでくれた人たちに大丈夫だよと伝えられるような物語を書けていたらいいな」とおっしゃっていたことを思い出しました。先生は優しさにあふれています。

――少し心が苦しくなるような場面も描かれている物語ですが、全体的に優しさが散りばめられていると感じています。

関根:そうですね。みんな苦しいなかにも優しさがあるからこそ応援したくなる。本当に絶妙なバランスで、優しくも繊細な物語ができあがっていると感じています。

――みなさんは、自分の気持ちが相手になかなか伝わらない、伝えられないと思った経験はありますか?

梅田:僕は、伝えるのが怖いなと思った経験のほうが多いかもしれません。

――伝えて何かあるぐらいなら、言わないでおこうと。

梅田:そうですね。特に学生時代は我慢することが多かった気がします。なるべく自分が無理しない範囲でのコミュニケーションを取っていたかもしれません。このお仕事を始めてから、いい意味で人との関わり方を毎日のように考えるようになったんです。そのなかで、学生の頃はもしかしたらちゃんとしたコミュニケーションが取れていなかったのかも、と感じるようになりました。

 

 
関根:私は、上手に伝えられたらなと思うことがよくあります。とても口下手なので。

梅田:えっ、口下手なんですか? 全然そんな風には感じていませんでした。

関根:口下手なんです(笑)。緊張しいで、人前に出るとすぐに変な汗をかいちゃうくらいで。人見知りでもあるので、学生の頃は秋ぐらいに「壁がやっとなくなってきたね」と言われるくらいでした。

ただ、幸いにも私は友人に恵まれていまして。先ほど素直に伝えることの怖さという話もありましたが、私の友人は思ったことを言ってくれる人が多かったんです。相手を思って真摯に伝えてくれる子たちだったので、私も委縮しないですし、むしろとても学ぶことが多くて。彼女たちみたいになりたいなと思える友人と出会えて、幸せだと感じています。

内田:若いころは、伝わってくれるんじゃないか、伝わってほしいなという気持ちを相手に押し付けていた気がします。相手に期待していたところが大きかったんですよね。でもそれって、こっちの勝手な考えだなと思ったんですよ。むしろ自分と相手は別の人間なんだから、伝わらなくて当然というか。伝わらないからこそ、コミュニケーションをいっぱい取るのだと思います。

――確かに、そうかもしれません。

内田:だから、伝わらなくても「そういうものだ」と思うようになりました。それは諦めではなくて、だからこそコミュニケーションを大事にすべきだよねということ。コミュニケーションには色々な形がありますが、この人とはこういう接し方でいこうと、お互いに思いあえる関係になれたら、それは素敵なコミュニケーションだと思います。相手のことを思い続けることが大切なのかなと、本作を通じて感じました。

 
[文・M.TOKU]

作品概要

■放送情報
2024年7月4日よりフジテレビ"ノイタミナ"ほかにて毎週木曜24:55〜放送予定
※放送時間は変更の可能性がございます

■配信情報
Netflix/U-NEXT/アニメ放題にて
2024年7月4日より毎週木曜25:25~見放題先行配信!
その他配信プラットフォームでも順次配信!

 

あらすじ

男だけど可愛いものが大好きで、女の子の姿で高校生活を送る“男の娘”・花岡まこと。

ある日の放課後、まことは、“女の子だと勘違いしたまま”の後輩女子・蒼井咲に告白をされる。

「実は自分は男の子なのだ」と打ち明け、告白を断るまこと。

しかしまことの予想に反し、咲はあきらめるどころか、「男女両方の先輩が楽しめる」とテンションアップ!
さらに、「私が先輩の初恋の人になってみせます」と宣言して……。

可愛いものが大好きな、まこと。
まことに恋をする、元気いっぱいの後輩・咲。
まことを近くで見守り続けてきた、幼馴染の竜二。

3人の、恋と友情と、成長の物語がはじまる――。

 

キャスト

花岡まこと:梅田修一朗
蒼井 咲:関根明良
大我竜二:内田雄馬
花岡美香:中原麻衣
大我小夏:前田佳織里

 

(C)pom・JOYNET/LINE Digital Frontier・「先輩はおとこのこ」製作委員会
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