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ピクサー史上最大のヒット作!『インサイド・ヘッド2』キャラクターアートディレクター・村山佳子さんインタビュー

アニメ好き女子による究極の「ドリームボーイフレンド」が登場!? ピクサーで活躍する村山さんに聞く、本作のキャラクター誕生秘話!|『インサイド・ヘッド2』キャラクターアートディレクター・村山佳子さんインタビュー

日本でのオタク経験と積み重ねたキャリアが唯一無二の強みになる

ーーこのようなお仕事をするにあたって、ご自身が感じる強みや持ち味はなんだと思いますか?

村山:そうですね、最近は自分のオタク経験が強みになってきたなと感じています(笑)。『私ときどきレッサーパンダ』にも私は参加しているのですが、監督であるドミー・シー氏が日本のアニメとか漫画がすごい好きな方で、私に「あなたの好きな漫画とかアニメのスタイルとピクサーのスタイルを融合してほしい」と言ってくださったんです。

その時がはじめて、自分のオタク知識とアメリカで培ったスタイルを合体させる機会だった。それから、これまで吸収してきたアニメとか漫画の表現力の凄さに改めて気づきました。そういう知識とスキルが強みだと思います。

ーー本作でその力が発揮できたポイントは?

村山:イイナーですかね。彼女は、どのバージョンも可愛くなくて好きになれなかったんです。

ーー(笑)。

村山:チームのみんなも、なんか可愛くないねって(笑)。イイナーは私がデザインに入る前に、原型があったキャラクターなんです。スクリーニングと言って、絵コンテを繋げた映像をみんなで一緒に見るんですけど、「Envy(イイナー)が可愛くないね……」って(笑)。なんだか性格が悪い、可愛くないとみんなで問題視していました。

なので、私が担当になった際にとにかく可愛く。目も強調して……という感じで。その中で、目にキラキラとしたハイライトを入れると「妬み」や「嫉妬」じゃなくて、「羨ましい」、「憧れ」みたいなポジティブに存在になるじゃないですか。

※編集部註:英語でのイイナーは「Envy」で、直訳すると「妬み」や「嫉妬」になります。

ーー確かに、漫画やアニメでそういう表情をよく見ます。

村山:そもそも嫉妬という感情自体があまり可愛くないので。ある時、監督が「このキャラは嫉妬ではなく、羨ましいに。雨に濡れた子犬みたいな感じはどう?」って言ったので「それだ!」と(笑)。

ーーよく考えるとEnvyとイイナーって、言葉としてもニュアンスが違います。

村山:嫉妬、妬み、ジェラシーのほうがストレートなEnvyですよね。

ーーもしかすると、日本のキャラ名が「ジェラ美」とかになっていたかもしれませんね。

村山:それだと可愛くないですね(笑)

ーー村山さんのおかげで可愛いイイナーを見ることができて嬉しいです。先ほど、『私ときどきレッサーパンダ』のお話もありましたが、アメリカのアニメーション作品と日本・アジアのアニメーションで違いを感じることってありますか?

村山:違いはあるんですけど、感覚的な違いな気がしていて、言葉にするのが難しいです。日本の作品、それこそアニメとか映画とかを見ると描写がすごい細かいなと。一度、立ち止まってキャラクターに寄り添って細かい心理描写をしているイメージ。

『インサイド・ヘッド2』もそうですけど、セリフや展開が矢継ぎ早にやってくる作品がアメリカや世界には多い印象です。画面でいろんなことが起こっていて楽しいですよね。

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