アニメ『デリコズ・ナーサリー』インタビュー第1弾:アニメ×舞台 Wダリ対談 森田成一さん×染谷俊之さん|二人が語る『TRUMPシリーズ』の魅力
『マリオネットホテル』のダリの出会いやセリフは他作品とつながったり、伏線回収できる部分がいっぱい
――公演を控えた『マリオネットホテル』は、イニシアティブの糸に支配されたホテルでのミステリーということで、今までの『TRUMPシリーズ』とは違う感じがします。
染谷:おっしゃる通り、『TRUMPシリーズ』としては珍しい展開がたくさんあるので、ぜひ楽しんでいただきたいなと思います。
僕自身、楽しみにしているのは、前日譚が描かれるということで、ダリがいろいろな人に出会うんですが、その出会いやセリフが『TRUMPシリーズ』の別の作品の伏線にもなっているところも、『TRUMPシリーズ』ならではの魅力だと思っています。
ですから『TRUMPシリーズ』のファンの方にも楽しんでいただきたいですし、まだ『TRUMPシリーズ』に触れたことがないけど、この対談がきっかけで、『マリオネットホテル』を観てみようかなと思われた方にも、『TRUMPシリーズ』の設定を背負ったミステリーを楽しんでいただけたら嬉しいです。
――森田さんはアニメで『TRUMPシリーズ』に関わった上で感じた魅力を、染谷さんは舞台で『TRUMPシリーズ』の関わった上で感じた魅力を、それぞれご紹介お願いします。
森田:アニメならではなのは、背景がどんどん変わっていくところは舞台ではできないことだと思います。今はプロジェクションマッピングなどの技術も用いられることで、舞台の背景を変えることもできるようになりましたが、今回のアニメで僕が印象に残ったのはゴシック調の装飾がされた室内で、じゅうたんはもちろん、壁紙や調度品なども細かく描かれているし、その絵の中に通常のアニメではされていない加工もされていて。
今回は舞台をアニメ化するというコンセプトになっているので、背景も立て込まれた大道具という考えのもとに作られているのではないのかなと思いました。そこも大きな見どころではないかなと。ただの書き割りではなく……高津さん(高津装飾美術会社)から借りてくるのかはわかりませんが(笑)、美麗にこだわって描かれた背景にも注目していただければ。
キャラクターに関しても、幼い子供たちがたくさん出てきますが、ずっと泣いていたり、ぎゃあぎゃあ騒いでいるところも見どころです。ただお父さんたちを困らせる存在ではなく、彼ら彼女らにもそれぞれ悩みや抱えている想いがあって、それらが一つひとつ紐解かれていき、ダリたちも父親としての姿、吸血種や貴族であることへの葛藤なども見てとれるので、ぜひいろいろな方向から楽しんでいただければと願っています。
染谷:『TRUMPシリーズ』の舞台は、各演目でも吸血鬼の種族の耽美な世界に加えて、ストレートプレーだけでなく、ミュージカルの場合もあったりと一つずつでも楽しんでいただけますが、『TRUMPシリーズ』を 一つの歴史の線として見てみると、シリーズの伏線が回収されていたり、ある舞台ではセリフから希望が感じられるけど、同じセリフでも別の舞台では絶望に変わるのがこのシリーズの魅力の一つで。そして1つの作品を見ると、別の作品も気になって見てみたら、新たな発見や伏線回収があったりとどんどん沼に沈んでいくのがシリーズの特長であり、魅力じゃないかなと思っています。
舞台の衣装は染谷さんいわく「素敵な重い衣装」。更に染谷さんが知っている森田さん情報も披露!?
――衣装も舞台ならではですよね。
染谷:とっても素敵な重い衣装です(笑)。
森田:衣装もすごく手間もお金もかかっていますよね。毎回違う衣装で。
染谷:そうですね。実は重すぎて、衣装の中で肩で背負う形になっているんです。だから肩がこってしょうがなくて(笑)。
森田:それであれだけ動けるんですね。
染谷:でも『グランギニョル』は7年前だからできたけど、今はもうできないと思います。
森田:いや、まだまだイケるでしょ!?
染谷:もう36歳なので……。
森田:まだまだ若いですよ。
染谷:でも体が重くなってきました(笑)。
森田:すごい年上の僕からすれば、うらやましい限りで。
染谷:僕が森田さんを知ったのは20年以上前ですから。
森田:僕が25、26歳の時に『FF X』をやったし、モーキャプだけだったら『FF XIII』もありますから。
染谷:バック転とかされていましたよね。
森田:あの時は若かったですね。戦闘シーンの殺陣もやっていたし。
染谷:そういえば空手をされていたんですよね。
森田:そんなことまでよく知ってますね。
染谷:森田さんの対談記事まで読み込むほど好きだったので(笑)。ユウナ役の青木麻由子さんとご一緒で。
森田:ありがとうございます。
染谷:だから、今とても感動しているんです。