マンガ・ラノベ
『ピンクハートジャム』灰賀×金江の緻密なラブストーリーの魅力に迫る

連載時から人気沸騰! しっけ先生の漫画『ピンクハートジャム』の魅力に迫る|ひたむきな年下男子×クールビューティーな男前先輩──じっくりと想いを重ねていく緻密なラブストーリーを描く

しっけ先生のBL漫画『ピンクハートジャム』は、大学の重音研究部の後輩・灰賀×先輩・金江が織りなす珠玉のラブストーリー。お互いを見つめながら自分とも向き合い、じっくりと想いを重ねていくふたりの関係がきめ細やかに描かれています。

BLウェブマガジン「メロキス-mellow kiss-」(ホーム社)連載時から人気沸騰の注目作品で、ちるちるBLアワード2023 BESTコミック部門では『ピンクハートジャム 上』が第2位を受賞。さらに、コミックス上下巻のエピソードを収録したドラマCDの発売が決定し、こちらも大反響を呼んでいます。

本稿では、そんな『ピンクハートジャム』の魅力をご紹介。ひたむきな後輩・灰賀×クールビューティな男前先輩・金江が奏でる物語をぜひご堪能ください。

 

重音研究部の後輩×先輩が紡ぐラブストーリー

 

人気BL漫画『セックスドロップ』などでも知られる、しっけ先生が描く『ピンクハートジャム』。丁寧な感情の動きやリアリティのある人物描写、ハイセンスで美しいビジュアルも目を引く魅力たっぷりの作品です。

2022年6月23日にはコミックスの上下巻と特装版、さらに2024年3月25日には続編となる『ピンクハートジャム beat』(1)が刊行されています。

 

大学の重音研究部と箱ヘルを舞台に描かれる

物語のメインの舞台となるのは大学の重音研究部と、もうひとつは箱ヘル。

大学で重研部に入部した新入生の灰賀は、クールで美人な先輩・金江に出会います。新入生歓迎ライブで金江の圧巻のギター演奏に魅了された灰賀は、その憧れの先輩と話すチャンスをなかなか掴めずにいました。

そんなある日、重研部の飲み会に参加した灰賀は、先輩の提案でゲイ向けの箱ヘルを体験することに。自分のセクシュアリティに悩んでいた灰賀がその箱ヘルで対面したのは、なんと憧れていたあの金江だったのです。

ひたむきな年下男子・灰賀×美人で男前な先輩・金江。想定外の場所で巡り会ったふたりの緻密なラブストーリーが紡がれる本作。一度手に取ったらきっと、何度も読み返したくなるはずです。

 

 

【攻め】灰賀優希(はいがゆうき)

 
大学1年生、重音研究部(Vo. / Gt.)。ワンコ系年下攻めで身長は184㎝。心優しくて朗らかで、人当たりがよく真面目な頑張り屋、さらに料理もできるハイスペック男子です。どの層からもモテそうなタイプですが、鈍感なところがあり実際本人が知らないところでモテています。顔が可愛くて、嬉しそうな顔もちょっぴり怒った顔も可愛い。

入部当初、部員数が結構多くて覚えきれないなか、美人の金江に一瞬で見惚れて印象に残った様子。その後の新入生歓迎ライブで金江が組んでいるバンドの演奏を聴き、たった3人とは思えない音圧、格好良さに心を奪われています。

 

【受け】金江 凉(かなえりょう)


 

大学4年生、重音研究部(Gt.)。常に気怠そうな雰囲気を纏いつつ、お洒落でセンスが良くて絵になる男前美人。料理はできないらしく外食ばかりの生活。ギターがめちゃくちゃ上手い上に音響系の学部ゆえ機材にも詳しく、同じ4年生の山内、林田と3人でバンドを組んでいます。バンド名は「Cigars」。

2年生の頃からゲイ向けの箱ヘル(店舗を構えているヘルスのこと)で源氏名「リョウ」として働いています。ただし、この店は本番行為禁止。出会いは求めているけれど、ちゃんと好きになった人としか体の関係を持ちたくない金江。もし恋人ができたら今の仕事を辞めようと考えています。

 

相手を尊重して自分の想いもゆっくり確かめながら進んでいく


 

体の触れ合いから始まった灰賀と金江の関係。そこから徐々にお互いを知っていくふたりの心の動きが繊細に描かれていて、悩みながら丁寧に重ねていく時間がとても愛おしくなる作品です。

相手の恋愛観や想いを大切にして尊重する灰賀と金江ですが、自分の想いもゆっくり確かめながら慎重に進んでいく様子も非常に魅力的。灰賀と金江のビジュアルの良さにも魅了されながら、心地良いストーリーにどんどん惹き込まれていきます。

髪型や服装のセンスが抜群の金江をはじめ、美しいビジュアル面も本作の見どころのひとつ。服のデザイン、楽器などの描写も細やかで、表情や視線、指先の動きひとつひとつからも目が離せません。

 

 

自身のセクシュアリティと向き合う

高二の頃、ある相談に乗ってもらっていた男子から突然キスされて、びっくりしたけど普通にドキドキしたという灰賀。その後、エスカレートして相手が灰賀を抱きたいと言ってきたのですが、エロいことするのは抵抗ないけど抱かれるのは無理で距離を置いたのだそうです。言い換えれば「抱くことはできたかも」という自身の可能性を知ったのです。

灰賀は自分がたぶんバイではないかと考えていて、最初は自身のセクシュアリティと向き合いたくて箱ヘルに足を踏み入れており、そこで思いがけず対面することになった金江に悩みを打ち明けています。

 

ちゃんと好きになった人としか体の関係を持ちたくない

箱ヘルを物語の舞台のひとつとしている本作ですが、灰賀が金江と話したいという理由で店に行っていたり、サービスしてもらうことに慣れず落ち着かない初々しさを見せていたりと、どこか爽やかで清々しい雰囲気も。

金江もまた「ちゃんと好きになった人としか体の関係を持ちたくない」という恋愛観を持っており、自分の求めているものを大事にする灰賀と金江のピュアで真面目な人間性に居心地の良さを感じると同時に、ふたりの誠実さが滲み出ている会話やモノローグにもグッと心を掴まれます。

ちなみに金江との間接キスだけでもソワソワしてしまう可愛い灰賀なのですが、突然スイッチが入って雄化する姿もたまりません!

 

 

金江への感情は“憧れ”なのか“好き”なのか

店では会話やプレイで客も自分も満たされているけど、いまだに恋人はできていない金江。男らしい人と付き合いたいという理想がある金江にとって、出会った頃の灰賀は不安要素が多い。恋愛対象かどうかで言うと、灰賀は自分に押されっぱなしで余裕がないから、そういう意味では論外なのだそう。そんな調子で、灰賀は金江から客としてあしらわれています。

金江に論外と言われた傷は深く、憧れている人の恋愛対象になれないってこんなに辛いのかと灰賀が落ち込む場面も。けれど、一線はあってもある意味手が届いてしまうから気を引きたくなるという葛藤もあります。これはとても共感できるところかもしれません。

この感情は“憧れ”なのか“好き”なのか。じたばたしている自分と違って金江はいつも落ち着いており、意識されていないんだろうなと灰賀はぐるぐると悩んでいます。

 

 

重研部の合宿は貴重なひとときに

毎年、重研部では合宿が行われており、全学年をシャッフルして編成したバンドで交流ライブをするのがこの合宿のメインイベントとなっています。

この頃には金江の気持ちが徐々に変わってきていて、灰賀の姿を無意識に探していたり、女の子に優しく教えてあげている灰賀を見てすごく気になっている様子も。

灰賀はこれまで金江の前ではハイスペックさを出せていなかったのですが、実はモテることや「頼もしい男」であることが垣間見え、金江は合宿に参加して灰賀の見え方が変わっていきます。この合宿は灰賀と金江にとって、自分の気持ちを見つめるきっかけに。

そして合宿二日目の朝、ふたりで「ジャムってる」シーンも貴重なひととき。綺麗な絵に吸い込まれてしまいそうな素敵な時間が描かれていて、金江が楽しそうにしているのも印象的です。

 

臨場感溢れる演奏シーン


 

重音研究部ということで、やはり演奏シーンは大きな見どころです。インストバンド「Cigars」のメンバー金江、山内、林田の演奏がめちゃくちゃ格好良くて、ライブの臨場感や音圧の迫力が伝わってくるのも本作の魅力。灰賀が金江に憧れるきっかけとなった新入生歓迎ライブ、そして胸アツの卒業ライブなど注目シーンが盛りだくさん!

さらに注目したいのは合宿のライブ。金江と一緒に演奏できるのはこれが最初で最後かもしれない。一緒に演奏できる機会がわずかしかないのは、1年生と4年生ならではの寂しさです。金江の前では自信なさそうにしている灰賀もステージでは落ち着いており、金江が好きだと言うその歌声で観客を魅了しています。演奏中、お互いに視線を向けて見つめ合う姿も醍醐味ですね。

 

 

灰賀の答えを待つ金江が可愛い!


 

灰賀は自分の気持ちが憧れなのか恋愛感情なのか分からずにいましたが、合宿を通して自身の想いを見つめて、金江もまた灰賀への気持ちが変化していることに気づき始めています。

金江は灰賀を尊重して彼自身が答えを出すのを待っているのですが、なんと言ってもお酒の席で突然友人に恋愛相談をし始める金江が可愛すぎる! 自分からは告白しない理由を話す金江の可愛いシーンは悶絶ものです。あのクールな金江さんがそんなこと言っちゃうんだとか、そんな表情するんだとか、そのギャップに思わずキュンとなってしまいます。

 

続編の灰賀と金江も尊い!

 

実は灰賀への想いを自覚したあたりからの金江が本当に可愛くて、さらに恋人同士となる前後の時期からは灰賀に甘えたりする姿も見られるように。続編となる『ピンクハートジャム beat』(1)では、同棲をスタートさせた灰賀と金江のさらなる親密な関係が描かれており、そこにはお互いを大切に想う優しさ、ふたりならではの可愛さと尊さが詰まっています。金江の「好き」の感情の大きさも、ぜひじっくりと味わってください。

 

『ピンクハートジャム』ドラマCDの発売が決定

 
『ピンクハートジャム』のドラマCDが2024年9月27日に発売決定。予約受付開始後、アニメイト通販全商品ランキングで第 𝟏 位を獲得するなど、圧倒的な人気ぶりを見せています。

ドラマCDはコミックス上下巻のエピソードを2枚組で収録。(※楽器演奏につきまして、Cigarsオリジナル曲は収録されておりません。)そして、灰賀役には小林千晃さん、金江役には田丸篤志さんが決定しています。

 

灰賀役・小林千晃さん

声優の小林千晃(こばやしちあき)さんは、6月4日生まれ、神奈川県出身。『マッシュル-MASHLE-』のマッシュ・バーンデッド役、『地獄楽』の画眉丸役、『葬送のフリーレン』のシュタルク役、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』の安達 清役など、人気作品のキャラクターを多く演じています。

 

金江役・田丸篤志さん

声優の田丸篤志(たまるあつし)さんは2月27日生まれ、埼玉県出身。『刀剣乱舞-ONLINE-』の一期一振役をはじめ、『ディズニー ツイステッドワンダーランド』のアズール・アーシェングロット役など、人気作品のキャラクターを演じています。

 

『ピンクハートジャム』ドラマCD出演者

灰賀優希:小林千晃
金江 凉:田丸篤志
マキ:斉藤壮馬
山内:海渡 翼
林田:畠中 祐
橘:水中雅章
内田亜美:大木咲絵子
高橋由紀:湯浅かえで
松井:有隅 融
上田:石谷春貴
杉元:高塚智人
小田:奥村 翔
矢野:星野佑典
倉田:桑田直樹
女子生徒:神戸光歩、村田綾香

 

BLCDコレクション『ピンクハートジャム』音声CM

 

 

コミックス『ピンクハートジャム』作品情報

著者:しっけ
出版社:集英社
雑誌・レーベル:メロキス-mellow kiss-

 

【コミック】『ピンクハートジャム』(上)

発売日:2022年6月23日

 

〈あらすじ〉
大学で重音研究部に入部した新入生の灰賀(はいが)は、そこで印象的な先輩・金江(かなえ)に出会う。彼の圧巻のギター演奏に魅了された灰賀だったが、金江と話すチャンスをなかなか掴めないでいた。

そんなある日、重研部の飲み会に参加した灰賀は先輩の提案でゲイ向けの箱ヘルを体験することになる。自分のセクシャリティに悩んでいた灰賀がその箱ヘルで対面したのは、憧れていたあの金江で──!?

ひたむきで心優しい朗らか男子×クールビューティーな男前先輩が、ゆっくり丁寧に時間を重ねていくハートフルラブストーリー。

 

【コミック】ピンクハートジャム(下)

発売日:2022年6月23日

 

〈あらすじ〉
合宿を経て、金江(かなえ)への恋心を自覚した灰賀(はいが)は、その後なかなか金江に会えずもどかしい日々を送っていた。そんな中、重音部のライブで久しぶりに金江に会えたことを喜ぶ灰賀だったが、彼から告げられたのは「店に来るな」という拒絶のような言葉で…。

一方金江も、徐々に灰賀への想いが変化していることに気づき始める。

ひたむきで心優しい朗らか男子×クールビューティーな男前先輩が、ゆっくり丁寧に時間を重ねていくハートフルラブストーリー、完結編。

 

【コミック】特装版『ピンクハートジャム』

発売日:2022年6月23日
上巻+下巻+描き下ろし小冊子の内容を収録!

【コミック】特装版『ピンクハートジャム』電子書籍の試し読み&ご購入はこちら

 

【コミック】『ピンクハートジャム beat』(1)

発売日:2024年3月25日

 

〈あらすじ〉
大学4年生になった灰賀(はいが)と社会人になった金江(かなえ)は、同棲をスタートさせていた。仕事で忙しくする金江と、卒業後の進路について思い悩む灰賀。

ある日、就職活動がうまくいかず落ち込む灰賀を励ますため、久しぶりのデートに出かけたふたり。しかし途中で金江の体調が悪くなってしまい…。

お互いの気持ちを確かめ合いながら季節は巡り、ついに灰賀も大学生活最後の卒業ライブの日を迎える──。

ひたむきで心優しい朗らか男子×クールビューティーな男前先輩が、交際後もゆっくりふたりの時間を重ねていくハートフルラブストーリー。

 
しっけ先生のX(@_shikke)

 

数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。

この記事をかいた人

藤崎萌恵
数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。

担当記事

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