音楽

LiSAがアニメ『ニーアオートマタ』OP「ブラックボックス」に込めた“感情”とは／インタビュー

2024-08-23 20:00

アニメ『NieR:Automata Ver1.1a』第2クールOP「ブラックボックス」発売を記念し、LiSAさんにインタビュー！　お気に入りは作品の世界観を落とし込んだ“星”のフレーズ｜キタニタツヤさん作詞作曲のカップリング「洗脳」は、史上初の「お前」と呼びかける曲!?

キタニタツヤさん作詞・作曲の「洗脳」は、LiSAさんが初めて「お前」と呼びかける曲!?

――もう1曲の「洗脳」は、キタニタツヤさんの作詞・作曲ですが、今回どうしてお願いしようと思われたのでしょうか？

LiSA：私は昔の世代のロックが好きなので、その世代の音楽にも精通したロックをできる人を探していたときに、キタニさんのアルバム『DEMAGOG（デマゴーグ）』に出会って。その後の『BIPOLAR（バイポーラ―）』を聴いてみたら、すごく幅広い音楽ができる方だなと。「MAKE A MiRACLE」みたいに、昔の音楽にも今の音楽にも敬意や愛情を持って、誠実に向き合っている方だなと思ったので、「キタニさんとロックな曲をやりたいです」と相談させてもらいました。

――確かにキタニさんは音楽性が多様で、しかも楽曲の中にいろいろなテイストを滑り込ませたり、仕掛けをしていて。あまりいないタイプのミュージシャンですよね。

LiSA：彼自身の持つパンクな気持ちと、それがなぜ好きなのかを理解した上で、音楽を作ってらっしゃる方だなと思ったので、その力をお借りできないかなと思いました。

▲キタニタツヤさん

――そこから話が進み、キタニさんに曲をお願いする際にどのようにオーダーされたのでしょうか？

LiSA：「私がキタニさんの曲の中で好きな曲と、私がこういう楽曲が好きで、私は最近こういうモードで、こういう音楽を聞いています」といったことをお伝えして。その後で、キタニさんが私のライブに来てくださって、ライブを観た上で書いてくださいました。

――そして上がってきたのが「洗脳」なんですね。届いた曲を聞いたときの感想は？

LiSA：こういう音楽を作れる人がちゃんと評価されている今はとてもいい時代だなと改めて思いました。

――ゴリゴリのバンドサウンドで、音数もさほど多くなく、スピードもそれほど速くない、昔懐かしいロックという感じでした。「洗脳」という衝撃的なタイトルですが、歌詞の内容はある意味、音楽やライブというものを表現しているような。

LiSA：確かにそうですね。

――1Bラストの「目を見ろ」なんて、催眠術にかけるような怪しさもあって。

LiSA：（笑）。私は100曲以上、楽曲があるんですが、歌詞の中で「お前」と言っている曲は1つもなくて。なのでキタニさんが私のライブを観たときに、私に「お前」と歌わせたいと。私に「お前」と歌わせたいと思った人なんて初めてでした（笑）。でもそれこそ、私がキタニさんに感じていたパンクな部分、音楽で気を遣わないところや人の目を気にしない言葉そのままで。私が彼に求めていたものをふんだんに入れてくれたんだなと思いました。

――「最低の日は昨日で終わりだ」は、LiSAさんの座右の銘「今日もいい日だっ」ともリンクしていて。ファンが喜ぶところもしっかり入れ込んでいるのもいいですね。レコーディングはいかがでしたか？

LiSA：キタニさんも来てくれました。私の設計図と、キタニさんのビジョンをすり合わせながら制作している感覚でした。

――全体的に吐き捨てるようなワイルドな歌い方ですが、1Aの「傷ひとつなく生きる意味はない」と2Aの「一生付き合っていく必要はない」の「ない」だけはすごくねちっこく歌われているのはキタニさんのリクエストですか？

LiSA：そうなんです（笑）。キタニさんの声が入っていたデモのときから、そうなっていました。キタニさんって、催眠術師みたいですよね。

――もしかしたら「洗脳」は、“LiSAさんを洗脳する”という意味も含まれているのかも。

LiSA：私もそう思っています（笑）。

――今回のシングルもLiSAさんのいろいろな魅力が詰まった1枚になりました。

LiSA：常に「ライブできちんとやり続ける曲を作ろう」という責任を持っていますが、特にこの曲は、今の私の「やっぱりロックって楽しいな」というモードを意図的に入れた気がします。

新たな挑戦を経て、違う“筋肉”が鍛えられたことを実感。9月からのツアーでは様々な色や味わいの歌で皆さんを酔わせたい

――9月14日からは『LiSA LiVE Smile Always〜COCKTAiL PARTY〜SWEET&SOUR』が始まりますが、どんなツアーになるのでしょうか？

LiSA：私は2024年の1年を通して、いろいろな方と出会って、混ざり合っていく……「MAKE A MiRACLE」ではないですが、「発明したい」「革命を起こしたい」というモードになっていて。このツアーのテーマになっている「カクテル」は複数のお酒を混ぜて、新しいお酒を作っていくみたいに、混ざり合った上で、新しいモノを提示していく、新しい味を提供していく、そんなライブにできたらいいなと。

「SWEET」と「SOUR」とタイトルを分けていますが、それはめっちゃやりたいことがあるので、2日間に分けました（笑）。

――そもそも2024年を、ソロ13周年を記念した「ROUTE 13」と名付けられていましたが、どういうコンセプトや流れになっているのでしょうか？

LiSA：4月に行われた13周年記念の武道館ライブ（『LiVE is Smile Always〜i SCREAM〜』）は、「i SCREAM」＝「叫ぶ」がテーマになっていましたが、13種類の道の途中にアイスクリーム屋さんがあったり、この間の「Shouted Serenade」というシングルがあったり、叫ぶ場所があったり、この「ブラックボックス」があったりと、いろいろなルートやお店を通って、最後に全部が混ざり合ったカクテルでパーティをするというテーマでこの1年を進めています。

――確かに武道館ライブのMCで、「アイスクリーム食べたら、（お酒を）飲みたくない？」とおっしゃっていましたね（笑）。

LiSA：そうでしたね（笑）。2DAYSの各公演はセットリストや雰囲気が変わるので、「甘さ」と「酸っぱさ」という違いを感じていただけると思います。

――2DAYSでそれぞれコンセプトやセットリストを変えるツアーというのは、作るのが大変ではないですか？

LiSA：私にとっては自分事なので大変ではないですが、ついてきてくれる人たちはきっと大変だろうなと思います。すべて自分の曲で、一度自分の中に入れている曲なので、それを「どう表現しようかな」とただワクワクしながら作れるんですが、演奏してくれるバンドメンバーやステージを作ってくださるスタッフさんは私に振り回されて大変だと思うので（笑）、今回もすごく感謝しています。

――カクテルをすべて味わい尽くすためには2日とも観ないといけませんね。

LiSA：「SWEET」と「SOUR」それぞれ単独で観ても楽しんでいただけますが、パーティはたくさん参加して、いろいろなカクテルを飲めたほうが楽しいじゃないですか？　なのでぜひ2日とも来てください（笑）。

――今年は現時点で配信を含めて3つのシングルに、かなりコンセプチュアルに作られた武道館ライブ2DAYS、更に様々なお仕事で大変そうですが、準備状況はいかがですか？

LiSA：順調に進んでいるし、ちゃんとやりたいと思っています。武道館ライブで作ったアイスクリーム屋さんが私の中でかなりの超大作だったんですが、物語や歴史を感じられる一方、新しいストーリーも感じられて、すごくいいライブだったなと思っていて。そんなライブの後なので、みんなの期待を裏切らないカクテルパーティになればいいなと思って、何度も練り直しています。なのでバンドやスタッフの皆さんには絶賛、ご迷惑をおかけしていて申し訳ないんですけど（笑）。

――2021年の『鬼滅の刃無限列車編』のタイアップ以降、2年半ほどTVアニメのタイアップがなかったので、今年4月から始まった『魔法科高校の劣等生第3シーズン』のOP曲「Shouted Serenade」、そして今回の「ブラックボックス」とLiSAさんがアニメシーンに帰って来てくれたという喜びがありました。

LiSA：私にとっては、戻ってきたというよりも新鮮な感じがしていて。今は大事な作品が大事にアニメとして育てられている気がします。

――ドラマ主題歌やサッカーワールドカップの公式テーマソングなど、アニメ以外のお仕事をされたことで、アニメタイアップへの見方が変わった部分はありますか？

LiSA：変わったのは私自身かもしれません。別の筋肉のトレーニングをして帰ってきたら、元々やっていたことも動きやすくなったというか。例えるなら「足腰を鍛えていたら、肩こりが治った」みたいな感覚です（笑）。

――今回で22枚目のシングルになりましたが、常に新たな挑戦をして、ファンを驚かせてくれる姿勢が素晴らしいなと。

LiSA：いつも挑戦させていただけるのがすごくありがたいなと思います。挑戦できる場があるから考えるし、別の脳みそや別の筋肉を使うし。そうしていると自分ができることや可能性が広がって、私自身もやりたいことが浮かんできて。常にワクワクさせてくれる出来事がたくさん降ってきてくれる、私に背負わせてくれるのは本当にありがたいなと思います。

――最後に、「ブラックボックス」の発売を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。

LiSA：「ブラックボックス」はすごく繊細さを持ったシングルです。それに加えていろいろな私が楽しんでいただける1枚になっているので、3曲3様、更に「ブラックボックス」はアニメとMV、「MAKE A MiRACLE」はCMとMVも合わせて楽しんでいただけたら嬉しいです。

そして、9月から始まる『LiSA LiVE Smile Always〜COCKTAiL PARTY〜SWEET&SOUR』では、私は皆さんにいろいろなカクテルを提供するバーテンダーになります。様々な色や味わいの歌で皆さんをたっぷり酔わせたいと思っています。ぜひみんなで「チアーズ（乾杯）！」と叫びましょう……カクテルパーティの雰囲気とは違うかもしれないけど（笑）。会場でお待ちしています。

楽曲・CD情報

LiSA 22th Single「ブラックボックス」

【発売日】2024年8月21日（水）
【価格】
初回生産限定盤（CD+GOODS）：2,200円（税込）
通常盤（CD）：1,430円（税込）
期間生産限定盤（CD+Blu-ray）：2,420円（税込）

【音楽】TV NieR:Automata Ver1.1a OP「ブラックボックス」/LiSA 初回生産限定盤

[CD]
1.ブラックボックス（作詞：秋田ひろむ (amazarashi)　作曲：秋田ひろむ (amazarashi)　編曲：出羽良彰）
2.MAKE A MiRACLE（作詞：LiSA　作曲：PABLO a.k.a. WTF!?　編曲：PABLO a.k.a. WTF!?）
3.洗脳（作詞：キタニタツヤ　作曲：キタニタツヤ　編曲：江口亮）
4.ブラックボックス -Instrumental-
[GOODS]
・フォトブックレット（20P）
・ステッカー（4枚組）

【音楽】TV NieR:Automata Ver1.1a OP「ブラックボックス」/LiSA 通常盤

【音楽】TV NieR:Automata Ver1.1a OP「ブラックボックス」/LiSA 期間生産限定盤

[Blu-ray]
1.ブラックボックス -MUSiC CLiP-
2.MAKE A MiRACLE -MUSiC CLiP-
3.ブラックボックス -NieR:Automata Ver1.1a 第2クール non-credit opening-
※アニメ描きおろしイラスト使用デジパック仕様
※アニメ描きおろしイラスト使用ステッカー同梱

「洗脳」

作詞：キタニタツヤ
作曲：キタニタツヤ
編曲：江口亮

配信URL：https://lisa.lnk.to/Brainwashing

「ブラックボックス」

作詞：秋田ひろむ (amazarashi)　
作曲：秋田ひろむ (amazarashi)　
編曲：出羽良彰

配信URL：https://lisa.lnk.to/BlackBox_DG

「MAKE A MiRACLE」

作詞：LiSA　
作曲・編曲：PABLO a.k.a. WTF!?

配信URL：https://lisa.lnk.to/MAKEAMiRACLE

LiVE Blu-ray & DVD「LiVE is Smile Always〜LANDER〜 at TOKYO GARDEN THEATER」

【発売日】2024年9月11日（水）
【価格】
完全数量生産限定盤（Blu-ray+GOODS）：14,300円（税込）
初回仕様限定盤（Blu-ray）：8,800円（税込）
初回仕様限定盤（DVD）：8,800円（税込）

【Blu-ray】LiSA/LiVE is Smile Always～LANDER～ at TOKYO GARDEN THEATER 完全数量生産限定盤

【Blu-ray】LiSA/LiVE is Smile Always～LANDER～ at TOKYO GARDEN THEATER 通常盤

ソニー銀行 presents 「LiSA LiVE is Smile Always～COCKTAiL PARTY～」[SWEET&SOUR]

9/14(土)大阪城ホール ※SWEET
9/15(日)大阪城ホール ※SOUR
9/21(土)ポートメッセなごや第1展示館(愛知) ※SWEET
9/22(日)ポートメッセなごや第1展示館(愛知) ※SOUR
9/28(土)横浜アリーナ(神奈川) ※SWEET
9/29(日)横浜アリーナ(神奈川) ※SOUR
10/19(土)真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(北海道) ※SWEET
10/20(日)真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(北海道) ※SOUR
11/3(日)マリンメッセ福岡A館 ※SWEET
11/4(月祝)マリンメッセ福岡A館 ※SOUR
11/16(土)セキスイハイムスーパーアリーナ(宮城) ※SWEET
11/17(日)セキスイハイムスーパーアリーナ(宮城) ※SOUR
11/30(土)国立代々木競技場第一体育館(東京) ※SWEET
12/1(日)国立代々木競技場第一体育館(東京) ※SOUR
12/14(土)サンドーム福井 ※SWEET
12/15(日)サンドーム福井 ※SOUR
※DAY1がSWEET・DAY2がSOURとなります。

■チケット情報
指定席/着席指定席/車椅子席 11,000円(税込)
※チケット販売に関する詳細はオフィシャルHPをご確認ください。
https://l.lxixsxa.com/cocktailparty/

　
【LiSA Official YouTube】 https://www.youtube.com/c/lisaSMEJ
【LiSA Instagram】 https://www.instagram.com/xlisa_olivex/
【LiSA X】 https://twitter.com/LiSA_OLiVE
【LiSA TikTok】https://www.tiktok.com/@lxixsxa_official

『]NieR:Automata Ver1.1a』作品概要

あらすじ

西暦5012年。
突如地球へと飛来してきた＜エイリアン＞と、
彼らが生み出した＜機械生命体＞により、人類は絶滅の危機に陥った。
月へと逃げのびた僅かな人類は、地球奪還のため、
＜アンドロイド＞の兵士を用いた反攻作戦を開始。
しかし無限に増殖し続ける＜機械生命体＞を前に、戦いは膠着状態に陥る。
人類は最終兵器として、新型のアンドロイド＜ヨルハ＞部隊を地球へと派遣した。

西暦11945年。
「第243次降下作戦」が決行され、
新たに＜ヨルハ＞部隊の＜2B＞と＜9S＞が地球へと派遣される。
両名は機械生命体の基幹ユニット＜アダム＞及び＜イヴ＞の撃破に成功。
これを敵の殲滅、及び永きに亘る戦争終結への好機と捉えた＜人類軍＞は、
機械生命体に対し総攻撃をかける決断を下す。

これは運命に翻弄された＜アンドロイド＞たちの、戦いと願いの記録――。