『仮面ライダーガヴ』ショウマ/仮面ライダーガヴ役・知念英和さん×辛木田絆斗/仮面ライダーヴァレン役・日野友輔さん×甘根幸果役・宮部のぞみさんインタビュー|ポップな作風と重厚なドラマ。異世界からやって来た青年が様々な出会いを経て成長していく、“仮面ライダー”の新たな形
“ひとりの青年”として、ショウマを演じたい
ーー役が決まった時の心境や、出演を知った際のエピソードについても伺いたいです。
知念:事務所でマネージャーさんにサプライズで「仮面ライダーの主演が決まったよ!」と伝えられました。スタッフのみなさんがクラッカーを鳴らして、ケーキを持ってきてくれたんです。驚きとともに「ついに決まったんだ!」と感動しました。
昔から“テレビっ子”だったので、ずっと仮面ライダーへの憧れがありました。同級生や先生、知らない人にまで「いつか僕は仮面ライダーになります!」って、叶い続けるまで言おうと決めていたんです。ずっと憧れていた作品だったので、出演が決まった日は「仮面ライダー頑張るぞ!」という気持ちで過ごしていました。
日野:僕もマネージャーさんからサプライズで知らされました。高校の同級生に将棋の藤井棋士(藤井聡太さん)がいるんですけど、彼が活躍すると僕に取材の仕事が来るんです。「また友輔に取材が来ているから、コメントを取らせてほしい」と言われて。カンペを捲ったら「2号ライダー決定!」と書かれていて、その場に崩れ落ちて、涙を流してしまいました。
仮面ライダーシリーズは小さい頃から観ていましたし、大一番のオーディションに向かう時は、必ず『仮面ライダー電王』のオープニング主題歌を聴くのがルーティンだったんです。子供の頃から夢だったものになれるのはすごく嬉しいと同時に、責任も大きくなると思うので、しっかりと自覚を持って頑張っていきたいなと思いました。
宮部:私もふたりと同じように、サプライズ形式でした。急にマネージャーさんに呼び出されて、「何を怒られるんだろう?」と(笑)。そこで「ヒロインに決定しました!」と伝えられて、本当に頭が真っ白になりました。
実は昨年も仮面ライダーのオーディションを受けていて、その時に悔しい思いをしたので、この1年間は色々な作品を観たり、神社で「仮面ライダーのヒロインになれますように」って絵馬に書いたりしていて。15歳から上京して芸能活動をしているんですけど、応援してくれている両親に電話で伝えたら、お母さんは涙ぐんで「おめでとう」って。あまり感情が表に出ないお父さんも「おお!」と驚いてくれたので、改めて頑張ろうと思いました。
ーー演じるキャラクターの印象とお芝居で大切にしていることをお聞かせください。
知念:僕が演じるショウマは、とにかく明るくて元気で食べることが大好きな青年です。普段は笑顔と愛嬌いっぱいで、とても無邪気な性格なんですけど、実は異世界出身の謎が多い人物でもあります。
どこか目を離したらどこかに行ってしまいそうな雰囲気を持っていて、掴めないところがあるんです。加えて、人間の世界への憧れから、特にお菓子に対しては強い好奇心を抱いています。何事にも一生懸命な姿に「応援したい!」と思っていただけるようなキャラクターになっていると思っています。
演じるにあたって一番意識しているのは、ショウマが抱く根本的な感情は人間のみんなと一緒で変わらないということ。僕たちの世界と異世界では価値観が違いますが、それを踏まえたうえで、“ひとりの青年”として演じたいと思っています。
日野:僕が演じている辛木田絆斗は普段フリーライターの仕事をしていて、小松利昌さんが演じる塩谷という師匠に弟子入りしています。
絆斗は生い立ちを含めて苦労人だと思っていて。その苦労を乗り越えてきたからこそ、社会を生き抜く強さがあるんです。一方で、他人を遠ざけたり、自分の身を危険にさらしても全く動じなかったり、危うさも兼備えているキャラクターだと思っています。
彼自身の伸びしろとブレなさのバランスは、監督とも話し合って作っているところです。特にグラニュートに対する気持ちというのは、絆斗の表面に出ている部分だと思うので、その強さは一番意識して演じるようにしています。トラウマを抱えた絆斗の人生に新しい出会いがあって、そこから変化していく絆斗の人間性は、僕自身がこの1年間を通して成長していければ、自ずと表現できるのかなと。また、どういう展開で絆斗が仮面ライダーヴァレンになるのかは、ぜひみなさんに注目していただきたいポイントですね。
宮部:甘根幸果は、ひたすら明るく元気で偏見を全く持ってないというか。例えば、絆斗はクールなので、普通の人は話す時に緊張してしまうと思うんです。でも幸果は「やっほー!“はぴぱれ”(幸果が経営する会社)手伝ってよ!」って言えちゃうくらい、2人を振り回しています(笑)。
常に明るいけど、心の底では「人を幸せにしたい」という強い思いがあって。「自分にそれができるのか」と悩みながらも強くなっていくので、そういった幸果の姿を通じて、みなさんに勇気を届けたいと思っています。
ーー幸果は“ギャル社長”という肩書きですが、服装などで気に入っているポイントはありますか?
宮部:ヒロインには決まった衣装があるイメージだったんですけど、幸果は毎回髪型やアクセサリーが変わるんです。毎回色々な可愛いものを身に付けていて、衣装自体も頻繁に変わるので、幸果みたいなファッションが好きな人の参考になれたら嬉しいですね。
ーー演じるにあたって事前に準備したことや監督からのオーダーはありましたか?
知念:僕はパイロット監督の杉原輝昭さんの代表作である『仮面ライダーゼロワン』を勉強のために観始めました。ショウマに落とし込めるところはないかなと思って。
加えて、ショウマは異世界から来たキャラクターなので、例えば、みなさんにとっては当たり前のスマートフォンも“初めて見たもの”なんです。その時の感情を自分の中で落とし込むために、道端でふと立ち止まって電柱に近づいてみたり、周りの人には不審者のように見えたかもしれないですね(笑)。日常の全てが新しく見える感覚を意識して、クランクインまで生活していました。
日野:初めて衣装合わせの時に、杉原監督に「コートに着られてる」と言われたんですよ。もしかしたらお気づきかもしれないんですけど……肩幅が異常に狭いんです(笑)。「これは役の威厳にも関わるな」と思い、アクション監督の藤田慧さんにアドバイス頂きながら、体づくり(筋トレ)を始めました。
宮部:幸果は見た目もすごく派手で、喋り方もショウマと絆斗を振り回すくらい元気なんです。髪の毛も真っ黒、服装も清楚系が好きで、メイクも薄くしかしない私とは真逆で(笑)最初にギャルの役と聞いた時は、「どうしよう……?」って。撮影開始前にお芝居の練習をした時にも、杉原監督から「もっと明るく!」と何回も言われていて。TikTokやギャル雑誌のモデルさんを見たり、動画サイトで「ギャル」と検索したり、ギャルが登場する映画を沢山観て勉強しました。