音楽
赤から紫、そして青へ。苦難を乗り越え進む富田美憂の現在地【インタビュー】

私の歌で誰かの心を動かすことができたと実感して嬉しかった――富田美憂さん2nd アルバム「Violet Bullet」ロングインタビュー|作詞を担当した『Stellar』に込めた経験と思い

新録曲『la la lai』は「大団円」『Sweet Sweet Sweat』は「挑戦の曲」

――『la la lai』は、また雰囲気が打って変わってダンスチューンのような曲でした。

富田:『la la lai』はライブを前提として作った曲なんです。なのでサビもタオルを振るリズムですし、フェスでやれたら気持ち良い曲になっています。歌詞の世界観も「夏・海・水」がイメージされるし、爽やかな炭酸飲料のような曲だなと思っています。作詞・作編曲を担当してくださったイトイさんも「さいっこうに踊れる曲になってます!」とXで紹介してくださいましたが、まさしくその通りで、好きなように身体を動かして楽しみたいですね。

――『Some day, Summer day』などとセットで楽しみたい曲ですね!

富田:そうですね! 今回のライブが冬でなかったら、水鉄砲とか撒きたかったなと思っていました(笑)。

――本当にフェスでやったら盛り上がりそうですね。メロディもキャッチーで、覚えやすくて。サビの部分などは特に、一度聞いたら忘れられないような音列でした。

富田:サビ頭の「ララライ」のところは、お客さんに歌っていただきたいですね。初めてライブに来た人も一緒になって盛り上がれたら嬉しいです。

――歌詞の面でも「祝杯」というワードが出てきたり、5周年にピッタリな一曲だなと思いました。

富田:大団円感がありますよね。

――レコーディングの際にはイトイさんから、何かディレクションがあったのですか?

富田:イトイさんも大団円感を意識して制作してくださっていたようで、「とにかく楽しくやりましょう!」とお声がけいただきました。ライブの際は、一緒に楽しくタオルを振り回していただきたいです。

――ライブでの歌唱を楽しみにしています。そして次の『Sweet Sweet Sweat』ですが、また毛色の違う素敵な一曲ですね!

富田:『Sweet Sweet Sweat』は挑戦の曲でした! 「富田美憂」と言えば『Broken Sky』のようなイメージが強いと思うのですが、きっとお客さんもライブでコールができるような曲があると楽しいだろうなと思っていたんです。その雰囲気の曲に「富田美憂」らしさを入れるのは難しいのではないかと考えていたのですが、園田(健太郎)さんがとても良い塩梅で「富田美憂」らしさを組み込んでくださいました。

タイトルからも読み取れる通り、ただ可愛くて甘いだけではない曲になっています。ちょっと塩対応というか……(笑)。そこが私っぽいなと思っています。なので他の曲と毛色は違うのですが、しっかりと「富田美憂」らしさがある楽しい曲ですね。

――『Sweet Sweet Sweat』が、冒頭でお話いただいた「コミカルな曲」ですよね。富田さんからのオーダーとしては「コミカルで」「コールが入る曲」の2つを園田さんにお伝えした形なのでしょうか?

富田:そうですね! それだけだったのですが、最初に聞いた時からほぼ今の形でした。コーラスを増やす程度の微調整だけで完成したんです。園田さん的にも「富田さんのイメージって、客観的に見るとこんな感じですよね!」というテンションで曲を作ってくださって、私としても「そうです!」みたいな感じでした(笑)。

――「ごめん マジ無理 ないわ」のフレーズも、中々の塩対応ですね(笑)。

富田:(笑)。ここは何パターンか録っていて、可愛らしさが残っているようなテイクもあったのですが、採用されたのは一番冷たくあしらった言い方のものでしたね。

――ご自身としても「富田美憂」らしさを感じるのでしょうか?

富田:感じますね。私がただ可愛く歌ってもつまらないなと思います。ツンデレっぽさ、塩っぽさもあり……「普段のラジオ番組などで、こういう風に言っているかもしれない」という雰囲気もあって、私っぽいと思います。

歌い方に関しては、ギャップを意識しました。塩対応するところはとことん淡白に、その代わり可愛いポイントはとことん可愛く歌いましたね。

――歌詞も「君が撫でてくれるんでしょ?」など、煽るような歌詞で素敵ですよね。今までの富田さんの楽曲にはない珍しさも感じます。

富田:そうですね。歌詞も相まって、表情の付け方がキャラクターソングっぽいなと思っていました。特にサビではディレクターさんから“スーパーこだわりディレクション”をいただいたのですが……。

――スーパーこだわりディレクション! 何でしょう!?

富田:「1番サビは、ちょっとオラオラするような強気な歌い方の『ぐいっと詰めて来て』でお願いします」と言われ、それを経ての2回目のサビでは「『詰めて来て』って言ったら本当に詰められちゃって、『そんなつもりじゃなくて……(あわあわ)』みたいな顔をしてください!」と(笑)。「わかりました!!」って二つ返事で歌いました!

――こだわりがすごい! お芝居の時のディレクションみたいですね。

富田:本当にそんな感じでしたね(笑)。現場も大盛り上がりでした! スタッフのみなさんにガヤとコールをしていただいたのですが、ノリノリでやってくださって楽しかったですね(笑)。

――たしかに、楽しそうな現場ですね(笑)。自己肯定感も高まりそうです。

富田:歌う時も、自己肯定感を上げて歌わなきゃいけないですからね。あとこの曲は、意外とコールが複雑で難しいんです。制作途中で「もう少し簡単にしますか?」のような相談もあったのですが、園田さんが「富田さんのファンなら、このコールでもできると思います!」と(笑)。

――“富民”ならやってくれる、という信頼が(笑)。

富田:この曲もお客さんと一緒にライブでやって、初めて完成する曲だと思うので楽しみです。私も頑張って歌うので、お客さんにも頑張っていただきたいなと思います。ただ、もしコールが小さかったら、後半は歌わないかもしれませんね……「ちょっと足りないなぁ」って(笑)。

――実際の現場でどんな熱量が生まれるのか……?

富田:未知数ですね。ちゃんと関係者席の方々にもやっていただきますし、リハーサルでもスタッフのみなさんにやっていただきますよ! 2ndライブの時に『片思いはじめました』を関係者席の方々に踊ってもらった経験もありますし、バッチリです!

富田さんの歌い癖を全解放して臨んだ『Oblivion』

――さて、次の『Oblivion』ですが、この曲も極めてトリッキーですよね。先ほどもレコーディングが大変な曲だったとおっしゃっていましたが。

富田:大変でした……(苦笑)。私は歌い癖があって、キャラソンを歌っていると「しゃくり・ニュアンスを抑えてください」というディレクションをいただくことが多いんです。でも今回は、抑えていたしゃくりであったり、エッジボイス、がなりなどを全解放して、アクセルをベタ踏みして歌えたので良かったですね。

――今までの富田さんの格好良さが極限まで詰め込まれたような一曲だなと。聞いたことのないサウンドだけども「富田さんと言えばこんな曲だ!」という安心感もあり。

富田:アルバムの曲順的にも『Dear Teddy』のような可愛い曲、『la la lai』『Sweet Sweet Sweat』の盛り上がれる曲の次に『Oblivion』が来るので、「これこれ!」と思っていただけるかなと思います。

――そんな『Oblivion』は、どのようなオーダーのもと生まれた曲なのでしょうか?

富田:「ラウドロック的な曲を入れたい」というオーダーから始まりました。そうしたら、ラウドの雰囲気がありつつ現代っぽさもある『Oblivion』が届いたんです。またAiraさんのアレンジがオシャレで、その編曲も相まって「富田美憂」らしさも全開の曲になっています。ただそれでいて、今までの格好良さとはひと味違った格好良さを持っている曲なんですよね。

――歌詞にも格好良さが詰まっていますよね。

富田:アニメのオープニングのような雰囲気がありますよね。歌詞カードにフリガナをたくさん振っていました。読めない漢字も多くて……(笑)。

――歌詞にもオーダーがあったのですか?

富田:全てお任せでした!

――そうなのですね! 歌詞だけを見ると「輪廻」「慟哭」「贖罪」などヘビーな内容ですが、どのように歌に落とし込んだのでしょうか?

富田:厨二心がくすぐられる歌で、アニメのオープニングと言われてもおかしくないようなインパクトを持っている曲ですよね。実は他の曲に比べると、『Oblivion』はA・Bメロのキーが低いんです。元々はもっとキーが高い曲だったのですが「富田美憂」らしさを考えていく上で、私の得意な低音を活かせるような歌い方を目指しました。それによって歌詞も明瞭に伝わる気がしたので、自分の身体に合った曲になりましたね。

あと、『Oblivion』は色々なテクニックを使った曲でした。このような曲を歌う際、口の形を横に広げるようにしているんです。そうすると母音が際立つので、よりハッキリと言葉が聞こえて曲に合っているかなと。

――歌いやすさや気持ちの込めやすさだけでなく、歌い方の面でも、富田さんに合った曲になっていったのですね。曲の出だしのファルセットも格好良いですよね。

富田:格好良いですよね。この曲もライブでノりたい曲です。

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