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森田成一&杉山紀彰が感じた『BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-』の厚みと広がり【インタビュー】

「みんな『BLEACH』が大好きなんです」20年という歳月が生んだ奇跡的な繋がり――『BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-』黒崎一護役・森田成一さん×石田雨竜役・杉山紀彰さんインタビュー

『相剋譚』では戦いがより激しさを増していく

ーー第3クールの台本を読んだ際の印象や、演じてみた感想をお聞かせください。

森田:第3クールに関しては、「一方その頃」がかなり多いです。隊長や副隊長たちと星十字騎士団(シュテルンリッター)が各所で激しい戦いを繰り広げるので、見どころは沢山あると思います。

全4クールと聞くと「起承転結」を連想されるかもしれませんが、個人的には「転」ではなく、「序破急」の「破」にあたるのかなと。それもようやく「破」の途中まで来たかなという感じ。ここから「破」の後半部分に入って、一気に「急」へと入っていきます。

見るべきところも更に増えていますが、膨大な情報を視聴者のみなさんにはしっかり整理していただいて、一気にラストまで行ってもらいたいですね。それだけ情報量が多いシリーズになったと思います。

杉山:第3クールに突入しても、「なぜ? どうして?」という雨竜の状態はまだ続いています。今後はどういう意図で、星十字騎士団(シュテルンリッター)側についたのかが丁寧に描かれていくと思うので、僕自身もそのあたりは楽しみにしているところです。

森田:当然僕らの出番もありますが、比率的には他のキャラクターの出演シーンが多いからそう感じるのかもしれません。ただ、一護と雨竜の出演シーンは物語の軸になる部分なので、その濃度はかなり高いのかなと。

杉山:確かに一緒のシーンは少ないですが、会った時は色々なことが起きていますね。

森田:二人が対峙しているシーンは各所で描かれているものの、多くを語ってはいないんです。それこそ、ほとんど原作と変わらないくらいの情報量で。あれだけアニメオリジナルの要素が盛り込まれている中、その部分を語り過ぎないのも演出的な意図なんじゃないでしょうか。視聴者の方の想像も膨らみますし、先に周辺の出来事を描くことで主軸に繋がるキーワードが出てきて、一護と雨竜の対立が逆に浮き彫りになっているというか。

杉山:『千年血戦篇』の主軸に当たる部分でもあるので、情報開示の度合いとしては「まだまだ先がある」という形になっていて、周りから丁寧にディテールを描いている気がします。

ーー第2クールは、兵主部一兵衛(ひょうすべ いちべえ)がユーハバッハに対して、真打「しら筆一文字」を発動するシーンで幕を閉じました。その流れを踏まえたうえでの第3クールの始まり方については、どう思われましたか?

森田:第2クールでは兵主部(ひょうすべ)など零番隊の圧倒的な力に加えて、滅却師(クインシー)たちの異様な強さが描かれていました。修多羅千手丸(しゅたら せんじゅまる)の卍解(ばんかい)など、原作では見たことのない技もどんどん登場しています。それと同時に兵主部が一体何を考えているのかも分からなくなっていて、「この人は本当に良い人なのか?」という謎めいた部分も見えていて。

第3クールのスタートである第27話では、零番隊の事実上のトップである兵主部の恐ろしさ、影のフィクサー的な一面が感じられるはずです。いきなりドキドキするような幕開けになっているんじゃないかなと。第2クールから1年ぶりになりますが、アイドリングなしでそこを描くという発想がすごいですよね。

スタッフも見せ方をかなり考えたと思うので、第27話は間違いなく見逃せない内容になっています。台本を改めて読み返すと、「ここが後に引っかかってくる」という伏線が沢山ありますから。僕からのアドバイスとしては、「兵主部が出てくる時は、結構伏線を張るよ」でしょうか(笑)。たったひと言のセリフすら、重要な伏線になってくると思うので、しっかり観ていただきたいです。

杉山:第27話は、第26話の「ここで終わるの!?」という驚きをもう一度呼び覚ましてくれると思います。和尚(兵主部)とユーハバッハの戦いが繰り広げられていく中で、「あれ? もしかして?」という疑惑が生まれるような言動もあって、細かい部分まで丁寧に描かれている印象でした。PV第4弾にも出ていた和尚の「不転太殺陵 (ふてんたいさつりょう)」など、原作をこういう時間軸とスピードで広げるのかと。

そして観ているうちに、「あれ? どっちが正義?」という感覚が生まれてくるはずです。その辺りは今後の展開にも影響してくるところなので、純粋に楽しんでいただきたいですね。もちろん原作をご覧になっている方は展開を知っていると思いますが、久保先生や監督によって演出的な仕掛けがなされているので、細かなニュアンスからも、アニメならではの要素を感じていただけるんじゃないでしょうか。

森田:雨竜と千手丸の戦いも見どころだよね。

杉山:そうですね。千手丸は雨竜に意味深なことを語りかけていましたし、映像も雰囲気もすごかったです。

森田:あの演出は、CGなくしてはできないと思います。

杉山:以前、監督が「CGの演出は良くも悪くもセルアニメとは異質さが出るけど、それを空間の異質さとして取り込んでいる」と仰っていて。そういった手法も時代を反映している気がします。昔のTVシリーズでは恐らくできなかったことが今では可能になっていて、色々な表現方法として使えるのは素敵だなと。

森田:第26話で千手丸の「娑闥迦羅骸刺絡辻(しゃたつからがらしがらみのつじ)」を見た時はすごくドキドキした。あの言い方を僕はよく真似しているんです(笑)。

杉山:確かによく真似していますね(笑)。

森田:ああいうのをやりたい! 一護は「卍解!」と叫ぶだけですから(笑)。みんなはその後に何かしらセリフがあるでしょ? 雨竜が空中を飛んだり、跳ねたりするのも良いよね。『千年血戦篇』の第1話では、今まで見たことがない動きをしていて。

杉山:その辺りのCGの使い方も素敵ですね。霊子の矢の表現がとても美しくて、幻想的でした。

(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
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