星馬烈役・渕崎ゆり子さん、星馬豪役・池澤春菜さん、監督・アミノテツローさん、キャラクターデザイン・高見明男さんが登壇した『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』シリーズBD-BOX発売記念イベントレポート｜今語られる制作当時の思い出

劇場版には、実は烈の表情指定をミスしていたシーンが？

オーディオコメンタリーの後には、第2次ミニ四駆ブーム真っ只中だった放送当時の思い出を振り返るトークも行われました。

当時の思い出について「すごく盛り上がってたとは思うんですけどね。僕は作ってる時、なんか特殊なモードに入るみたいで、その瞬間瞬間のことって何も覚えてないんですよ。だから今回、オーディオコメンタリーで見ていてすごい新鮮でした。“え、あそこで雷が落ちて木が倒れるんだ？”って」と、笑いながら語るアミノ監督。

一方、当時シナリオを担当していたライター陣とは、大きなレースとレースの間を埋めていくような形でアニメのエピソードを作っていたそうで、ライター陣が皆リアルにミニ四駆にドハマリし、それぞれ自分のマシンを持っていたという、ファンにとっては嬉しい裏話も飛び出します。

当時の作画監督だった高見さんも、TVシリーズと並行して劇場版（『爆走兄弟レッツ&ゴー!! WGP 暴走ミニ四駆大追跡!』）の作業が挟まったのも相まって、個々のエピソードについての記憶はあまり残っていないのだとか。

ただ、ハードなサイクルで仕事していたことは印象に残っていたようで、「今では考えられないんですけど、一週間会社に泊まっていたこともありました。夜中まで仕事して、皆で飲みに行って会社に戻って寝て、起きたらまた描き始めて。４時くらいになったら銭湯にいって……の繰り返し。独身で、若かったからできたことですけど、合宿みたいで楽しかったですね」と、心底楽しそうに当時の思い出を語る高見さん。

また、劇場版の試写会で、高見さんと渕崎さんは隣の席に座っていたそうなのですが、劇場版の映像の中に烈の表情の修正が漏れていたシーンがあり、二人で表情と声が一致していないことに気づいて「あっ」と声を漏らしたそうです。ただ、普通の人ならまず気づかないであろう細かい内容だったこともあり、「申し訳ないと思いつつ、そのまま黙っていました」と今だからこそできた告白をすると、客席から大きな笑いが沸き起こることに。

収録の思い出として、池澤さんと渕崎さんは、アフレコ現場には常にお菓子がたくさん用意されており、誰かが旅行に行く度にいろんな差し入れが届いていたことを振り返ります。チーム全体での仲もよく、キャスト・スタッフ陣が共に参加した『レッツ＆ゴー!!』チームでの温泉旅行では、ミニ四ファイター役の森久保祥太郎さんと高見さんが、二人きりで遅くまで飲み明かしたというエピソードも語られていました。