映画

2024-09-29 09:30

ふたりの想いがひとつになる――『わんだふるぷりきゅあ！ざ・むーびー！ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険！』エンディング主題歌「Happy≒Future」を歌う後本萌葉さん＆吉武千颯さん対談インタビュー

特別な時間を思い出してもらえるように

――後本さんが歌われた『映画デリシャスパーティ♡プリキュア夢みる♡お子さまランチ！』主題歌「ようこそ、お子さまドリーミア」は物語性の強い楽曲でしたが、どちらも映画という共通点があることで、何か意識されたことはありましたか？

後本：「ようこそ、お子さまドリーミア」のレコーディング時は、私にとって初めての『プリキュア』曲ということで、緊張しすぎてしまい……正直なところ、映画だからこうしようってところまでは意識できていなかったと思います。

でもその後、実際に映画館に『映画デリシャスパーティ♡プリキュア夢みる♡お子さまランチ！』を見に行ったんです。そしたら私の曲を口ずさみながらスキップして映画館を出ていく子どもたちの姿を見て、思わずうれしくなりました。また、鑑賞後には大人でもお子さまランチが食べられるお店に行って。その時に改めて映画というのはすごく特別な時間だなって思いました。思い出とセットというか。

たとえひとりで行っても、お友だちや家族と一緒に行っても、その時々でいろいろな思い出が作られていく。そういった経験を通して、今回は「曲を聴くたびに、その特別な時間を思い出してもらえるように」と思いながら、プリキュアたちだけでなく、皆さんのことを見守るような気持ちで歌おうと心がけました。

吉武：素敵。

――映画館って本当に特別感のある場所ですよね。

吉武：そう思います。特に『プリキュア』映画は毎年みんなでも、プライベートでも見に行っていて。昨年度は公開日、（石井）あみちゃんと朝イチで見に行きましたよ（笑）。

後本：すごい！（笑）

吉武：萌ちゃんが言っていた通り、そういう思い出も含めて、幸せが増していくんですよね。だから今年もいっぱい見に行きたいなって思っています。（後本さんを見て）今度は一緒に行こうね！　（北川）理恵さんと4人で行けたら良いな。

後本：行きたい〜！

――挿入歌「大好きのキズナ」はもう聴かれました？

後本：私は聴きました！

吉武：私はまだ、完パケ音源は聴いていないんですけども、どうだった？

後本：すごく格好よくて。理恵さんっていろいろな歌声が出せるじゃないですか。その中でも、特に格好いい理恵さんの声なんです。そして一方のあみちゃんも“イケメンあみちゃん”なんですよ。そのイケメンふたりが、疾走感あふれる曲をパワフルに歌い上げていて、もう圧倒されました。普段はかわいいイメージが強い『わんぷり』で、こんなにも力強くて格好いい曲が聴けるなんてと感動しました！

そういった新鮮さがありつつも、ふたりらしいというか。あみちゃんは普段ほんわかした雰囲気がありますけど、私は“イケメンあみちゃん”がいることも知っているので。

――“イケメンあみちゃん”（笑）。彼女の中にある格好よさや頼もしさが、まさに“イケメン”と呼ばれる所以なんでしょうね。

後本：そうなんです！　そして「大好きのキズナ」では、その“イケメンあみちゃん”が飛び出してて！

吉武：飛び出してきた!?（笑）

後本：さらにイケメン理恵さんも出てくる！　もうすごく興奮しました！

吉武：わああ、聴きたい！　もし聴けるなら、今聴かせてもらってもいいですか？

――みんなで聴きましょう……！（と、「大好きのキズナ」を聴くことに）

吉武：えーっ、すごい！　カッコいい！　あみちゃんの歌声が理恵さんに寄っている気がする、すっごくカッコいい！　イケメン！（笑）　本当に今までにない感じで、爽やかカッコよくて、最高です！　いろいろなイメージが湧いてしまって、早く映画が観たくなりました！

表現方法も存在感も“アプデ”

――インタビュー段階では映画完成前ですが、おふたりが楽しみにされているところは他にもありますか？　もちろん全部だとは思うのですが。

吉武：現段階で出ている情報だけでも気になることだらけなんですよね。アニマルタウンから飛び出してどのような冒険が繰り広げられるのか……それと「すてきなお友達の出番です！って言いました!?」というセリフが気になりすぎていて、ワクワクしています。（インタビュー段階では）今はキュアニャミーが一緒には戦いたくないモードですが、秋になる頃には4人の関係性も変わっていると思うので、そこも楽しみにしています。

後本：キュアニャミーが加わって、4人でどのように冒険していくかというのは、私も楽しみにしているところです。また、特報映像で「すてきなお友達の出番です！って言いました!?」を聞いたときに、いろいろな想像が膨らみました。あのプリキュアとプリキュアが……!?と思ったり、モフルンとこむぎがわちゃわちゃしてそうだなと妄想したり（笑）。アニマルタウンとは違うところで活躍するプリキュアたちを見守れることも楽しみです。

――後本さんは、今年は1年を通してこれまで以上に深く『プリキュア』に関わっていて、新しく得たものというのもたくさんあるんだろうなって。

後本：1年を通して歌でプリキュアたちを応援できる、見守っていけるというのが初めてで、本当に嬉しいです。それと……例えばですけど、私が「『プリキュア』の曲を歌っています！」と誰かに言ったら「『わんぷり』の人だ！」と思ってもらえるんじゃないかなって。それもすごく嬉しいんです。

全プリキュアライブの時、出演者の方を見たり、お声を聴いたりすると、そのシリーズとともに、1年を通しての思い出も蘇ってきて。私もそういう存在になれたら良いなと思っていたので、今回1年を通してがっつり関わることができてすごく嬉しいです。

吉武：後期ED曲の「しあわせえぼりゅ～しょん♡ 」もめちゃくちゃ素敵だった！　デュエット感マシマシというか。

――それこそ「Happy≒Future」もユニゾンが多めで、デュエット感がありますよね。

吉武：めちゃくちゃ多いです！

後本：分かれるパートがほとんどないくらい。

吉武：『わんぷり』がバディ感が強い分、歌い分けもそうなっているのかなと勝手に思っています。

――今日冒頭でお互いの魅力について語ってもらいましたが、この曲でのバディを経て、改めて気付いたことはありましたか？

後本：先ほどの話と重なってしまうかもしれませんが……本当に、すごく安心感があったんですよね。レコーディングではひとりで録っていて、千颯ちゃんの声がヘッドフォンから聴こえているわけではないんですけど、千颯ちゃんが隣で見守ってくれているだろうな、って一緒にいることを感じながら歌うことができました。私にとって、千颯ちゃんが心の支えになっていることや、大きな存在になっているからこそだとも思います。だからあまり緊張せずに歌うことができたんです。

吉武：へえ〜それは嬉しい！

――きっと石井さんとのデュエットともまた違うバディ感なんでしょうね。

後本：そうですね。長年一緒にいるからこその……千颯ちゃんのこの雰囲気も相まって、心強い存在です。

吉武：ありがとう〜。私も今までいろいろな方とデュエットさせていただいてきましたが、ふたりの声が合わさったときの感覚ってそれぞれ違うもので。今回の「Happy≒Future」でふたりの声が合わさるとどんな感じになるのかなってワクワクしていました。その後「Happy≒Future」を聴いたときに「こういう感じになるんだ、嬉しい！」と思ったのと、萌ちゃんにしか出せない声のかわいさってあると思っていて。それを改めて感じました。しかも「ようこそ、お子さま♡ドリーミア」で感じた“かわいい”から……なんて言うんだろう……感情の表現が……。

――〈アプデしてる〉？

吉武：まさにそうです！　歌詞の通り、アップデートしているように感じました！　そこも聴いていて楽しいなって思いました。さっきね、〈屈んだら思い切り　ジャンプしようよ〉ってところを実際にジャンプしながら歌ったと聞いたんですよ。それを感じられるようなワクワク感も声に乗っていて、そこも魅力的だなって思いました。

後本：ありがとうございます。なんか、お姉さんだなって感じがしますよね。今の言葉を聞いていて。

――そうですね。

後本：いつも見守ってくれているんだなぁって。千颯ちゃんが「ここすごく良いよね」と言ってくれるところって、「私、ここ頑張ったところなの！」ってところが多くて。インタビューを通しても、お姉さんなんだなぁって……。

――みんなの妹だった吉武さんがすっかりお姉さんに。

吉武：不思議ですよねえ（笑）。

ライブでは一体感を大切にしたい

――ライブでふたりの「Happy≒Future」を聴けるのも楽しみにしています。

吉武：ふたりで目を合わせて、“一緒だから大丈夫だよね”っていう気持ちを、よりしっかりと皆さんに届けていきたいなと思っています。ライブって、目の前にもお友だちがたくさんいるので、私たちのお友だち関係も、お客さんたちとの友だち関係もより深まって、ライブの雰囲気がより温かくなるような時間になったら良いなと思っています。そうした一体感を大切にしながら心を込めてパフォーマンスしたいです。

――それこそ映画館も、スクリーンの前にお友だちやご家族がたくさん集まっていて、みんなで物語を楽しむことで、その空間にいる方たちと想いを共有できる。映画のエンディングで「Happy≒Future」がかかる頃には、その共有した想いが一層深まって、みんなの心に響いてくるんじゃないかなと思います。

吉武：良いですよね。きっと映画を見た方たちみんなが「友だちって素敵！」という気持ちになれると思うんです。作品ごとによって見せ方は違いますけど、いろいろな角度からそう思わせてくれるのがプリキュア・シリーズならではだなと感じています。「Happy≒Future」の映像も含めて楽しみです！

　
［インタビュー＆文・逆井マリ］