「大好きのキズナ」で共鳴したふたりが、思いの丈を語り合う――『わんだふるぷりきゅあ! ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』主題歌シングル発売記念! 石井あみさん&北川理恵さんインタビュー
大ヒット公開中の『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』の主題歌シングルが好評発売中! 1曲目は、石井あみさんと北川理恵さんによる挿入歌「大好きのキズナ」。そして、2曲目には、後本萌葉さんと吉武千颯さんによるエンディング主題歌「Happy≒Future」が収録されています。
アニメイトタイムズでは、それぞれの曲を歌うふたりのプリキュアシンガーのインタビューをお届け中。今回登場してくれたのは、石井あみさんと北川理恵さんのおふたりです。
昨年度公開の『映画プリキュアオールスターズF』ではMachicoさんとのデュエットを届けてきた石井さん。一方、北川さんも『映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!』の同時上映作品『わたしだけのお子さまランチ』で、Machicoさんとのデュエットを届けています。そのほか、映画以外でもさまざまなプリキュアシンガーたちとコラボレーションで想いを重ねてきたことのあるふたり。今回のデュオに対する想いから「大好きのキズナ」の爽やかな歌声の秘密まで、たっぷりと伺いました。
「大好きのキズナ」が結ばれるまでの紆余曲折
――「大好きのキズナ」、爽やかでかっこよかったです。
北川理恵さん(以下、北川):ありがとうございます!
石井あみさん(以下、石井):カッコいいですよね。
――昨日後本さんと吉武さんの取材をさせてもらっていたんです。「大好きのキズナ」について、後本さんはふたりの声を「イケメン」とおっしゃっていて。吉武さんは「あみちゃんの歌声が理恵さんに寄っている気がする、すっごくカッコいい! イケメン! (笑)」って。
石井:イケメン!(笑) 嬉しい。ふたりがそう思ってくれるような声を出せたのは、理恵さんのおかげなんですよ。というのも、今回、理恵さんのレコーディングを見学させていただいていて。
北川:同じ日にレコーディングだったんです。私が先で、あみちゃんが後で。前日に「見学してもいいですか?」って連絡がきたんですけど、「良いけど、私はズタボロの自信があるよ」って。
――ズタボロ? 理恵さんがですか?
北川:自分の声に自信がなかったんですよ。自宅で練習している中で、どうやったらしっくりくるのか、結構難しくって。それで、あみちゃんには「私の苦しむ様をお楽しみください」って感じで連絡をしてました。
石井:私は「絶対にそんなことないはず、嘘だ!」と思っていました。
北川:でも、結果的にはそれなりに苦しんでいて(苦笑)。どういう歌い方がこの楽曲に合うのか試行錯誤しました。
歌詞が優しい雰囲気だったので、いろいろな解釈ができる曲だなと思っていて。それで最初はいろいろな声色でやってみたんです。すごくかっこよく歌ってみたり、かわいい要素を多めにしてみたり……。
いろいろな声でまずは歌ったのですが、なんとなく腑に落ちなくて。で、映画ではこの曲が「駆けつける場面」で使われるとうかがい、そのシーンをイメージしつつ、「ちょうど良いのはこのあたりかな?」「このあたりかな?」「ここだ!」って感じで録っていきました。
――職人技と言いますか。針穴に糸を通すようなレコーディングですね。
北川:……っていうのを、あみちゃんに全部見られていた!(笑)
石井:はい(笑)。でも私はどの理恵さんも「カッコいい!」って思っていたんですよ。「全部良い!」って。でも歌っていくうちに、駆けつける時の優しさがありつつも、突き抜けるかのような爽快感のある歌声がピタッとハマって。その様子を見て「これだ!」って。
――こうやってチューニングを合わせていくんだ、と。
石井:思いました! 私はそういうレコーディングをしたことがなかったので、理恵さんってこんなに歌声を持っているんだなって。そして、たくさんの歌声を持っている理恵さんの声を引き出して、「こうですか?」と合わせていく姿がすっごく格好良くって「プロ中のプロだ」と。
北川:あなたもプロよ(笑)。
石井:すっごく良い経験をさせてもらいましたし、勉強になりました。
北川:でも最終的に自分で納得のいく形になって、あみちゃんにバトンを渡して。私もあみちゃんが歌う姿を見ていたんですよ。「すんなり、軽々歌うなぁ〜!」って。すごいなって思いました。
石井:いやいやいや……!
北川:私が歌う姿を見てくれていたこともあって「ここだな!」という、照準の合わせ方が的確だったんですよ。「わかりました、ここですね! スットーン!」って感じ。しかもあみちゃんは、高い音から低い音まで均等に出せるんですね。私はそれが本当にすごいことだと思っているんです。それって本当に技術の賜物で。
私の場合は高い音のほうがパーン!と出てしまって、低い音はくぐもってしまうこともあるんです。でもそういうのが一切なくて、全部が前に出ていて、引っ込むことがない。もう北川はそれを聴きながら「全部出てるな、すごいな!」「髪の毛のツヤがすごいな!」ってずっと言ってて……。
石井:その写真を撮って見せてくれて(笑)。
北川:「すごいよ、天使の輪がずっと出てるよ!」って。
――唐突に髪の毛の話題を(笑)。その一言で現場の空気が和んだんだろうなって今思いました。
北川:本人はナーバスになってたんです。緊張していたみたいで。
石井:そうなんです。緊張していて「一回休憩しようか」という話になって、理恵さんのもとに行ったんです。「やばいやばい、どうしよう」ってなってたんですけど、理恵さんが「そんなことより、髪の艶がすごいよ!」って。
北川:「そんなこと」(笑)。
石井:思わず笑ってしまって、理恵さんのおかげで緊張がほぐれたんです。先ほどおっしゃってくれた、音が均等に出せている……って話も、理恵さんが導いてくださったんですよね。理恵さんからの言葉をもらえたから、自然と声を出すことができて、自分自身でも驚いたんですよ。こんなにも心のままに歌えたのは、初めてかもしれないって思うくらいで。そこで理恵さんのすごさも改めて感じました。
千颯ちゃんが「理恵さんに寄っている気がする」というのも、まさに理恵さんの影響があったからだと思います。
北川:同じ日にレコーディングで良かったなって。誰かと一緒に歌う場合は、どうしても別の日になってしまうこともあるんですけど、まったく同じ日に、連続で歌うことができたので、意思疎通を図ることができました。それはすごく大きかったと思いますね。
石井:ですね。全部見ているからこそ、歌に込めた想いも伝わってくるというか。それを知られた上で歌えたということは、本当に大きかったと思います。
――石井さんは北川さんのレコーディングを見るのは初めてだったんですか?
石井:「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」のコーラスのレコーディングの時に一度見学させていただいていたんです(コーラスには北川さんとMachicoさんが参加)。コーラスだから歌われていたパートは短かったんですけど、でも「ああ、本物!」って。
北川:あはははは! どうも、北川だよ!
石井:「ひろがるスカイ!プリキュア~Hero Girls~」のコーラスってめちゃくちゃ高いんですよ。でも軽々と超えて歌われていて「ああ、すごい!」って。その印象が強かったんですよね。それで今回はメインパートを歌っている姿を見させてもらうことができて、再び「本物だ!」って思いました。密度がすごいんですよ。
北川:密度?
石井:声に込められている感情の部分が、ずっとまっすぐじゃないんです。すごく細かく振れていて、声の情報量がとにかく凄いんです。だからこそ、音を聴くといろいろな感情が伝わってくるし「カッコいい〜!」って。
北川:あとで美味しいものを買ってあげるね(笑)。