岩田陽葵さんと小泉萌香さんによるユニット・harmoeが3rd LIVE TOUR「ii’m here」を完走! 音楽と物語、そして「アイ」があふれた空間に【ライブレポート】
岩田陽葵さんと小泉萌香さんによるユニット・harmoeの3rd LIVE TOUR「ii’m here」が9月8日から3カ所で開催。「i」と「愛」をテーマに各楽曲がイメージする物語をエレクトロサウンドにのせて歌とダンス、そして映像で表現。「アイ」があふれたステージになった。
本稿では、ツアーファイナルとなった2024年9月16日のTOKYO DOME CITY HALL公演の模様をお届けする。
ライブは愛を探すふたりの旅路を表現していくステージに
harmoeは女優・声優の岩田陽葵さんと小泉萌香さんが2020年12月に結成したユニットで、2021年3月に「きまぐれチクタック」でデビュー。「音楽と物語はいっしょに歩く」をコンセプトに、エレクトロなサウンドをベースに歌い踊り、各楽曲にモチーフになるおとぎ話がある稀有なユニット。
今回のライブは6月にリリースした2ndフルアルバム『radii』を引っ下げたツアーだ。『radii』は、「確固たる【私】を持って、【他者】との「i」=【愛】を探しに行く物語。愛は誰もが語ることが出来るが、愛は大きすぎてそれが何かは誰も説明しきれない。いろいろな愛の物語に触れたharmoeが見つけた、2人だけの間にある愛とは…?」(公式サイトより)というコンセプトがある。そのコンセプトやストーリーに繋がるライブになった。
ステージ中央のモニターには「LOVE」の文字とおなじみのharmoeのアイコン。暗転すると『radii』の1曲目「BiRTH」のライブver.としてプロローグ的に流れ、会場は岩田さんのイメージカラーの青と、小泉さんのイメージカラーの緑の2色のサイリウムで彩られた。
鼓動とオルゴール音が重なると、様々な風景の写真が次々と映し出され、音が途切れるとステージ最上段にふたりが現れた。1曲目に歌うのは「白雪姫」がコンセプトの「Love is a potion」。
ふたりの神秘的な歌声とポップなエレクトロサウンドもさることながら、小泉さんが後ろから岩田さんを包み込むようにしつつ、その両脇から手をひらひら動かしたり、背中合わせになってそれぞれ自身のスカートの裾をつまんだりダンスも独創的。ラストはふたり並んで真ん中で手を合わせながら空いた手で頬にあてるキュートなポーズに。
2曲目でBPMが速くなり、「くまのプーさん」がコンセプトの「カラフル×ジョイフル」のイントロが流れると、岩田さんが「皆さん! harmoeのライブへようこそ! 元気よく楽しんでいこうね」と叫び、それぞれ色が違う衣装のダンサー8人が合流。
10人で横一列に並び、ふたりを中心にV字を描いたり、一人ひとりのダンスのキレも最高。ファンもサビやDメロでサイリウムを振りながらコール&レスポンス。まさに「カラフル×ジョイフル」な空間に。ラストは10人で指をサムズアップしてキメた。
続く「白雪姫」の7人の小人をコンセプトにした「Okey◎Dokey!」(「オーキードーキー」。オーケー、オーケーの意味)はコミカルなオケで、ふたりが七人の小人をそれぞれ歌声とダンスで表現するのが楽しい。途中でゆったりペースになると歌声と表情ものんびり。そこからまた疾走するアップダウンは、さながらジェットコースター。
声優の山村 響さん作詞・作曲のグリム童話「ふたり兄弟」をコンセプトにした「twins heart beat」も元気よく、「どんな運命もアタシらならチョチョイのチョイ」のフレーズも仲良しなふたりにピッタリ。そこにファンの「最強のtwin’s heart」や「サイキョウノツインズビー」などのコールで勇気「倍増だ」。
舞台はめくるめくアラビアンな世界へ
ステージに誰もいなくなると、「SiGNAL」のインストが流れ、白い球状のライトが4つ降りてきてやがて上へ昇っていく。そしてモニターにたくさん灯されたロウソクが映し出され、ステージの床から白いスモークが立ち込める。「私のヒミツは」は、「アラジン」がコンセプトで、せつない片思いを歌いつつ、ふたりは真っ赤なドレス、ダンサー4人は真っ白なシャツというコントラストが鮮やかな装いに。サウンドもチャールストン風というところもおもしろく、ダンサーが踊るコンテンポラリーダンスも目を引く。
アウトロからシームレスに「Night before」へ。恋心を歌っているが、姫を救った騎士が龍の血から咲いた赤いバラを贈ったというお話のように情熱的。言葉を刻んだり、流れるように歌ったりと揺れ動く感情を表しているよう。モニターには花火が映り、岩田さんは上方に大きく蹴り上げた。
次も曲間なく、「アンチクライアント」に。「アラジンと魔法のランプ」で魔法のランプを狙う悪い国務大臣のジャファーをモチーフにしており、曲調もアラビアン風のダブステップ。サンプリング音と重低音が特徴で、ふたりの歌声も強めでワイルド。ふたりがステージを去るとダンサー8人によるダンスコーナー。自然と音楽に合わせて手拍子が鳴り、カッコいいキメポーズになると「ヒュー!」という歓声が。