音楽
harmoeが3rdライブツアーの果てに見つけた「アイ」【ライブレポート】

岩田陽葵さんと小泉萌香さんによるユニット・harmoeが3rd LIVE TOUR「ii’m here」を完走! 音楽と物語、そして「アイ」があふれた空間に【ライブレポート】

せつなさと情熱的な妖しさの対照的な面を表現

ダンサーが引き上げた後、岩田さん、小泉さんの順番で上段に現れ、ステージに降りてくると、置かれていた箱に腰かけ、小泉さんは立っている。「All of Me」はアンデルセン童話の「柳の木の下」がモチーフで、男子が一緒にいた女子を好きになったが、ずっと告白しないうちに女子は別の男性と結ばれていたというストーリーだ。物語を想起させる淡々と刻むリズムにせつない表情で気持ちと言葉を重ねていった。

舞台が暗転するとオルゴールの音色と共に怪しげな音が鳴り、そこからふたりが吐き捨てるようなラップ。そしてサウンドはアップテンポへ。「QUEEN」は「不思議の国のアリス」のハートの女王をモチーフにしているが、ふたりの歌声の妖しくセクシーな感じとアップダウンを繰り返すサウンドは捉えどころがない。

会場も真っ赤なサイリウムで染まり、4人ずつダンサーが左右に分かれて縦に並ぶと、その間をふたりが通っていく様子もヴィランの女王らしい。終盤に向かうにつれてダンスも歌声もエモーショナルに。アウトロのダンスパフォーマンスでは会場もリズムに合わせてクラップ。

舞台はチルな雰囲気から一転、にぎやかなダンスフロアへ

浮遊感のあるイントロが流れて、ステージにふたりだけ残されると「wait for you」。「白雪姫」がコンセプトの曲で、モニターに水滴が落ち、波紋が広がるような映像が映し出される。「もやがかった森みたい」や「そわそわevery day」など揺れ動く乙女心を、繊細な表情と歌声で表現し、「一つりんご齧り」は「白雪姫」そのまま。「この街のどこかで見つけ出してよ」とふたりはユニゾンで物憂げな表情を浮かべた。

波音が鳴り、モニターに夕暮れの海辺が映し出されると、客席のサイリウムは中央がオレンジ、左が青と右が青という3色に分かれて、ステージから白いスモークが流れてくるなど美しい光景が広がった。「人魚姫」をモチーフにした「Make a pearl」ではチルな雰囲気のオケとR&Bの歌声に癒される。

一転してクラップのようなイントロが鳴り、岩田さんが「一緒に踊ってくれますか?」と呼びかけると、客席から大きなレスポンスが。「行っくよ~!「ふわふわpartyつられてhappy」!」。

歌のお姉さんとお子さんたちがいる番組でみんなで一緒で歌うような楽しい曲で、ところどころに「ソウダ!」や「エッヘン」などの合いの手が入るのも楽しいし、ダンスも斜め上を指差したり、泳ぐような振りなどはわかりやすく大きく表現。ステージの上から球状のライトがいくつも降りてきて華やかになり、ファンも童心に戻ったような笑顔で手拍子していった。

続く「Honey Drop」も、前曲のC/Wでコンセプトは同じく楽しいポップチューン。プーさんが親友のピグレットのことを歌っているようにも聴こえるし、「一緒にいると楽しい 最高の友達」や「いつも側にいてくれて ありがとう」はファンのことを歌っているようにも聴こえる。

だからふたりが歌っている時の表情は明るく優しい。ふたり共、笑顔で腕を組みながらスキップで回り。ラストに差し掛かると「歌って!」とお願いすると、会場も「La La La…」と声を合わせ、一緒に両手を左右に振ってきれいな虹を描いた。

朗読から「幸福な王子」をモチーフにバラードナンバーで幻想的な世界に

ここで【interlude「i」】が流れると、ピアノの旋律にのってダンサー4人がパフォーマンス。上から降りてきたピンク色の球状ライトを手のひらにのせると、再び上がっていく。そして「ふたりが出会った瞬間、物語が始まった気がしたのです」と同じセリフを読んでから朗読が始まった。

淡々と無感情で読んでいく声が聴こえる中で、映像は海や砂漠など朗読の中で現れた風景が次々映し出されていく。幻想的で不思議な掛け合いを繰り広げていき、「私たちはそれを仮に「i」と呼びました」のセリフが終わると、「わたしの目をあげましょう」の歌い出しから始まる「愛と呼ぶなら」。

「幸福な王子」がモチーフのバラードナンバーで、ステージに置かれた箱の上に岩田さんは立ち、小泉さんは座った。白い球状のライトが8個降りてきて、会場のサイリウムも白一色に。ふたりの歌声の追いかけやユニゾンが奏でるハーモニーが美しくもせつない。小泉さんが岩田さんの手を取って台を降りると、白い泡のような照明が床に映し出され、球状のライトが上下して波を描いているよう。ふたりが声を合わせたラストフレーズの「あなたのことをいつまでも愛してる」の声と表情に、こちらもせつない気持ちになる。

harmoeが探し続けた「愛」。その行方と結論とは?

続く「セピアの虹」は「オズの魔法使い」がコンセプトで、主人公のドロシーは竜巻に遠くに飛ばされてしまい、家に戻るために旅を始める。「セピアの虹」では「ずっと探していた 僕らに足りないものはどこにあるの?って」と歌うが、続けて「最初から胸の中にある」と気付く。自信を取り戻したふたりは、ステージの左右に分かれて、階段を昇り、一番上で合流して手をつないだ。スクリーンには「where am ii?」の文字が。

次の「Dorothy」もタイトル通り「オズの魔法使い」がコンセプトで、「あぁここはどこなんだろう 随分遠くに来たみたいだ」の歌い出しから徐々に歌声がエモーショナルになっていく。「逃げてしまえば楽だけど」や「奇跡がこの先になくてもいい」はふたりが歩んでいく道が例え平坦ではなくても、進んでいく強さを感じた。終盤になると上方からハート型のペーパーが無数に舞い降りてきた。この2曲は1stアルバムと2ndアルバムに収録されていて、2年の歳月を経て物語が今、繋がった。

その後、「RiSE」をハミングで歌うふたりの声と、たんぽぽの穂が2つが飛び立ち、どこまで高く飛び、地球を出て宇宙にまで飛び出す映像が。本編ラストは「HyperLoveSong」で、コンセプトは「陽萌」というふたり自身。重低音が響くオケのダンスナンバーを激しく歌い踊る。「君の隣立つ◇(シカク)はあるかな 支えになれているのかな」「ぎゅっと握った手のぬくもり〇(マル)ごと私を包むだから」は澄んだ歌声で。

最後に「Singing a HyperLoveSong」「LOVE LOVE I’m 」と歌うとスクリーンには「ii’m here」の文字。「自分はどこにいて、愛はどこにあるの?」の問いに、答えが見つかった。そしてインストになった曲を含めて、『radii』収録の曲はすべてパフォーマンスし切った。

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