『ONE PIECE』エルバフ編に「空白の100年」の答えがある? 太陽の神ニカ・ジョイボーイ・ある巨大な王国…すべてのルーツとなりうる国で何が起こるのか
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
週刊少年ジャンプで連載中の最新話では、ついにルフィたちがエッグヘッドを出航し、エルバフへと帆を進めることに。連載27年目にして物語の序盤から名前が挙がっていた島へ満を持して上陸するということで読者を熱狂させ、X(旧Twitter)では「エルバフ」がトレンド入りする日もありました。
そんな大注目の新章・エルバフ編ではどんな展開が待っているのか? 本記事では『ONE PIECE』という物語の核心を突くと予想されるエルバフで何が起こるのか、予想や期待を巷で囁かれる考察を交えてまとめていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1127話)までのネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
サウロと火ノ傷の男の登場に期待大!
エッグヘッド編の第1066話では、滅びたオハラに遺された大量の文献をエルバフからやってきた巨人族が持ち帰ったことが明らかになりました。その一団の船長は他でもないハグワール・D・サウロであり、彼が生存しエルバフに身を潜めていることが示唆され涙するニコ・ロビンの姿が読者の涙を誘ったのは記憶に新しい。
つまり麦わらの一味がエルバフへ上陸するということは、サウロとロビンの再会イベントが発生すると予想できます。
最新話では、ルフィたちが悪気なく巨人族のヘイトを買う行為を犯し続けている状況にあり、今後エルバフの民とどのような関係を築くことになるのか予想が難しいところ。ですが、できることならサウロとロビンの再会は真正面から抱き合えるような感動的なものであってほしいと願わずにはいられません。
また、サウロが再登場すればロビンとの対話はオハラの話が中心になることは必然的。バスターコールのなか、オハラの学者たちが命懸けで残した文献には何が記されているのかが明かされ、「空白の100年」の謎にグッと近づく展開が待っているのではないでしょうか。
さらに、ベガパンクによればサウロは全身に包帯を巻いていたとのこと。これはおそらく件のバスターコールの日にクザン(青キジ)から受けた全身氷漬けの技「アイスタイムカプセル」による凍傷のせいだと思われますが、一部考察では彼がそのやけどのあとを残した「“火ノ傷”の男」である可能性も指摘されています。
「“火ノ傷”の男」とは、ワノ国編終盤の第1056話ではじめてその名が挙がった謎の人物。黒ひげ海賊団によればワンピース奪取に必須となる最後の赤い石「ロード歴史の本文(ポーネグリフ)」はこの男が持っているという噂。やけど以外の外見情報は皆無ですが、黒い船に乗っており、巨大な渦を起こし敵船を飲み込むという特徴があるのだといいます。
やけどと船に乗っているという点はサウロに合致しそうですが、これまでに彼が能力者であるという情報は出ていないため、巨大な渦を起こすという特殊な力はサウロのものではないかもしれません。
とはいえ、サウロが「“火ノ傷”の男」ではなかったとしても、彼がオハラの事件に深く関わってきた人物であることも含め「ロード歴史の本文(ポーネグリフ)」について何か知っている可能性は高いとみて良いのではないでしょうか。
そしてサウロは現時点で巨人族で唯一の「Dの一族」であるというのもポイント。今後注目しておきたいキャラクターの1人です。
巨大麦わら帽子の持ち主?太陽のニカとジョイボーイのルーツ
エッグヘッド編では、エルバフに「太陽の神ニカ」が伝承されていることが明らかとなりました。
第1111話で、ルフィたちと再会を果たしたドリーとブロギーはギア5のルフィの姿を見て「エルバフに伝わる神」と表現しています。
「太陽の神ニカ」とほぼ同一視されている「ジョイボーイ」にはマリージョアに眠る巨大な麦わら帽子などから巨人説が囁かれていますし、五老星にとって巨人族は因縁のある相手だそう。
これらをふまえても、かつての「太陽の神ニカ」または「ジョイボーイ」は巨人族であり、そのルーツがエルバフにある可能性は高そうです。
「ある巨大な王国」「方舟ノアを直せる一族」はエルバフに?
クローバー博士が語った「空白の100年」に世界政府の前身となる20の王国と戦った「ある巨大な王国」についても、エルバフに秘密があると考える読者が多いよう。
先述した巨大な麦わら帽子や、エッグヘッド編で登場した900年前から存在する巨大ロボットの存在などから、昨今では「ある巨大な王国」の“巨大”とは、物理的な大きさを指しているのではないかという言説が広まりつつあります。
「世界最大の頭脳」と言われたベガパンクの頭が物理的に大きかったように、「ある巨大な王国」も規格外のサイズを誇る巨人族の国だったのかもしれませんよね。前項でも触れた通り、「太陽の神ニカ」「ジョイボーイ」のルーツである可能性も考慮すると「ある巨大な王国」とは900年前のエルバフに存在していたのかも。
また、エッグヘッド編ではベガパンクの演説により「世界が海に沈む」ことと過去に一度「世界が海に沈んだ」という衝撃事実が明らかになりましたよね。いざ世界が沈むとなれば、重要になってくると考えられるのが魚人島で登場した巨大船「方舟ノア」です。
壊れたノアは「ある一族が直せる」と語られていましたが、船体の巨大さを鑑みても、もとは現在のエルバフに位置した「ある巨大な王国」の古代巨人族の技術により作られたという線も考えられるのではないでしょうか。
エルバフのモデルとされる北欧の海賊「ヴァイキング」といえば、特徴的な「ヴァイキング船」に乗っていたことが知られていますが、実はこれは彼らの高度な造船技術によって作られたもの。かつてのエルバフ……もとい「ある巨大な王国」にも、ヴァイキングと同じような高い造船技術があったのかもしれません。その建造には、名前が明かされたばかりの象徴的な大木「世界樹(ユグドラシル)」も関わってくるかも?
「方舟ノア」は「空白の100年」に実在したジョイボーイと魚人島の人魚姫との関係にも大きく関与する部分なので、エルバフでどんなことが語られるのか、展開を見守っていきたいですね。
そして、エルバフでは未だシルエットでしか登場していない謎の王子・ロキの全貌が明かされることにも期待が高まっています。エルバフと確執のあるビッグ・マム(シャーロット・リンリン)の娘であるローラに求婚した経緯やいかに……。エルバフの王家の人間であるはずなので、重要キャラクターとして物語に関わってくる可能性も高そうです。
そのほかにも「来い…」とエルバフで麦わらの一味を待つ人物の正体や、長い間エルバフに憧れてきたウソップの活躍など、この地でも怒涛の超展開が待ち受けているはず。これまで以上に最新話の更新が楽しみですね。
[文/まりも]