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千葉翔也・上田麗奈・鬼頭明里が語る、『アオのハコ』が読者の心を打つ理由【インタビュー】

アニメーションになった際にも、その繊細さが踏襲されていて嬉しかったですーーTVアニメ『アオのハコ』千葉翔也さん×上田麗奈さん×鬼頭明里さん鼎談インタビュー|キャラクターの動きによって、感情を丁寧に表現する

初挑戦だったのですが、『引き算』の意識で千夏を演じています

――そんなキャラクターたちを演じる上で、大切にされていることや意識していること、またアフレコ時のディレクションについてお聞かせください。

千葉:「千夏とのかけ合いは、大人になりすぎないように」というディレクションを音響監督からいただきました。どちらが重いというわけではないのですが、「大人の悩み方と高校生の悩み方では違いがある」というお話をした時は、自分としても納得した瞬間でしたね。

あと、「ドキッとしたシーンで『はわわ……』ってなるのはやめて」って言われました。これは半分技術的な話なのですが、「照れているのが可愛く見える」のは視聴者に感じて欲しいことなので、可愛く照れると逆に可愛くなくなるんです。この作品における「可愛い」は「キュート」ではなくて「応援したくなる」のような感情だと、序盤で気がつけて良かったなと思います。

上田:それで言うと、大喜とのかけ合いは、いつも緊張しながら臨んでいました。大喜と千夏は毎回、距離感が少しずつ変わっていると思っていて。針の穴を通すような微差でも、関係性が大きく変わって聞こえてしまうような繊細さと曖昧さを持った二人なので、距離感は特に気をつけながら演じました。

恋愛的なシーンでも、千夏はあざとさが出ないキャラクターだと思うので、なるべくフラットな意識を持ったり、言葉に意味を込め過ぎないようにしていました。千夏が発する単語や文章に、色や景色、経験のような様々なものを込めてしまうと、等身大の千夏ではなくなると思っているので、初挑戦だったのですが、「引き算」の意識で千夏を演じています。「上手くいっていたらいいなぁ」と思いながら、アフレコをしていましたね。

――大喜と千夏の距離感は、本当に形容し難い良さが滲みますよね……! 鬼頭さんはいかがでしょうか?

鬼頭:雛と大喜が喋る時、仲が良いからこそ雑に会話をするようなシーンが多いのですが、雛が嫌な子にならないように可愛らしさを意識しました。千夏と喋る時は、「ちょっとよそ行きの雛」かつ「普段から物怖じせず誰とでも仲良くできる子」という要素を両立させるような意識でアフレコをしています。

千葉:雛に対しての大喜の演技は難しかったですね。僕にも「雑な感じで」というディレクションはあったのですが、対男子との会話のような雑さを出してしまうと雛を傷つけてしまうと思ったんです。でも、女子であることを意識し過ぎると雰囲気が違ってしまう。雛に対して遠慮をする理由が大喜の中にないからこそ、難しいなと思っています。

『アオのハコ』を好きになってください!

――最後に、改めて本作の魅力、面白さ、注目して欲しいポイントなどについてお聞かせいただければと思います。

鬼頭:一つひとつの心理描写がとても細かくて、些細な仕草からも意味を深掘りできる作品だと思っています。アフレコ現場でも「このセリフは、どんな気持ちで言っているんだろう?」と皆さんに相談すると、それぞれ解釈が違うこともあって、このような点も面白さだと思っていました。

キャラクターたちの感情や心の動きを、考察しながら見ていっても楽しいと思いますので、友だちと一緒に「このセリフはこういう意図なのではないか?」のようにワイワイ見ていただけたら嬉しいです!

上田:本作はキャラクターの関係性や距離感が、少しずつ変化していく作品です。なので、様々なものを大事に大事に育てていく雰囲気やニュアンスを、もどかしいながらも見守りつつ楽しんでいただけたらいいなと思っています。

恋にもスポーツにも全力で、誠実で、一生懸命なこの子たちを見ていると「これが青春なんだな」という眩しさを感じます。羨ましくもありつつ、私も頑張ろうと思えたり、ときめきとエネルギーをたくさんもらえる作品だと思いますので、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。

千葉:キャラクターの挙動やストーリー展開に振り回されはするものの、その振り回され方が嫌味に感じないんですよね。温かみがあったり、そのドキドキが楽しかったり、バランス感覚が素敵な作品だなと思っています。これが、千夏や雛が魅力的に見える要因でもあるのかなと考えています。

部活のシーンでは特にそうですが、上手くいく、いかない関係なく、それを「好きでいること」自体が、とても良いことなんだと思える作品なので、全体を通してとてもポジティブに感じられる作品ではないでしょうか。

また、心理描写を言葉で説明するのではなく、目の動きや口元という細かいポイントで表現しているからこそ、逆にかゆいところに手が届く作品なのかなと思っています。言葉の枠に縛らないと言いますか、その点においても珍しい作品で、めちゃくちゃ面白い作品だと思います。『アオのハコ』を好きになってください!

――たくさんの素敵なお話を、ありがとうございました!

【インタビュー・文/西澤駿太郎 撮影/胃の上心臓 編集/鳥谷部宏平】

『アオのハコ』作品情報

あらすじ

毎朝一番に会いたい人がいる――

中高一貫のスポーツ強豪校・栄明高校に入学する、男子バドミントン部の一年生・猪股大喜。

大喜は毎朝、朝練で顔を合わせる一つ上の先輩、鹿野千夏に恋をする。

千夏は女子バスケットボール部のエースで、校内外問わず人気の高嶺の花。

部活に恋に勉強に、大喜にとって忙しい高校生活がはじまる、そんなある日――

キャスト

猪股大喜:千葉翔也
鹿野千夏:上田麗奈
蝶野雛:鬼頭明里
笠原匡:小林千晃
針生健吾:内田雄馬
西田諒介:坂田将吾
船見渚:永瀬アンナ
島崎にいな:結川あさき

放送情報

10月3日〜 毎週木曜よる11時56分から
TBS系28局全国同時放送開始

配信情報

Netflixにて10月4日(金)より先行配信スタート
その他各配信プラットフォームにてTV放送終了後に順次配信

TVアニメ『アオのハコ』公式サイト
TVアニメ『アオのハコ』公式X(旧Twitter)

(C)三浦糀/集英社・「アオのハコ」製作委員会
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