秋アニメ『甘神さんちの縁結び』上坂すみれさん×本渡楓さん×若山詩音さんが巫女三姉妹の魅力を紹介/キャストインタビュー
「この恋は、ちょっとふしぎ。巫女三姉妹と紡ぐ奇跡のラブコメディ!」
10月1日(火)からスタートしたTVアニメ『甘神さんちの縁結び』。京大医学部を目指す、児童養護施設育ちの上終瓜生(かみはてうりゅう)が、甘神神社の宮司に引き取られ、夜重、夕奈、朝姫の巫女三姉妹がいる家で同居生活をすることに! 居候する条件は「婿養子として神社を継ぐ」こと!?
内藤マーシーさんによる原作漫画『甘神さんちの縁結び』は、講談社『週刊少年マガジン』で連載中! 監督・安部祐二郎さん(『この素晴らしい世界に爆焔を!』『この素晴らしい世界に祝福を!3』など)、キャラクターデザインの・飯塚晴子さん(『ラブライブ! 蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』『シュガーアップル・フェアリーテイル』など)など、豪華なスタッフ陣によってTVアニメ化。
インタビュー第1弾は、巫女三姉妹を演じる、上坂すみれさん(甘神夜重 役)、本渡楓さん(甘神夕奈 役)、若山詩音さん(甘神朝姫 役)による座談会をお届けします。
三姉妹を上品に美しく清らかに可愛く描いた作品
――原作『甘神さんちの縁結び』を読まれた印象をお聞かせください。
上坂すみれさん(以下、上坂):私は巫女というものにロマンを感じる者の一人なので、巫女三姉妹って素晴らしい!というのがまずありました。しかもその三姉妹と同居して、お婿さんになって神社の後継ぎになるとか、心を掴まれる要素ばかりで…。しかも舞台が京都で、私は京都に所縁がなかったので、とてもロマンを掻き立てられました。
そして、内藤マーシー先生の絵のタッチが繊細で丁寧で、特にヒロインたちの表情が、めちゃくちゃ可愛く、どのキャラクターにも好きな部分があるんです。ラブコメで、ドキッとするシーンもあるし、時が戻った?みたいなシーンもあったりするので、SF・巫女・神社・嫁取りラブコメという(笑)、すごく贅沢な作品だったので、あっという間に読み進めてしまいました。
本渡楓さん(以下、本渡):ラブコメというと、キュンとして、ドタバタして、時に「ラッキーなんとか」なんてものがありそうなのですが、この作品は、巫女三姉妹という、ひとつの家族の物語だということが個性だと思っています。この三姉妹の家族の形と上終瓜生くんという、彼なりの人生を歩んできた男の子との出会い。ラブコメなのですが、家族の温かさが感じられるというのが、原作を読ませていただいたときに感じたことで、その温かさを、声をあてるときも意識したいなと思いました。
――「ラッキーなんとか」に関しては、第1話を見たら、あるじゃん!と思うかもしれませんよ。
本渡:第1話はそうですね(笑)。結構塩を撒いたり、不届き者!とか言っていましたからね。出会いだけは最悪だったのですが、ここから瓜生くんとどうなっていくのか。楽しみにしていてください。
――若山さんはいかがですか?
若山詩音さん(以下、若山):私はラブコメの印象を強く感じました。三姉妹VS瓜生くんという関係の中で、どうのように話が展開されていくのか、誰とどう関係性を深めていくのか。そこから不思議な体験をしてみたり、家族の絆が見えたり、3人を取り巻く人々との関係値などを知っていく中で、どんどんみんなのことが好きになっていく。三姉妹それぞれの一面をかき集めていくと、誰もが可愛くて、結ばれてほしいと思えてきます。「縁結び」という意味では、最終的に誰と結ばれるのか、どこに落ち着くのかが予想できない作品だと思いました。だからこそ、三姉妹の中で誰派か、という話にもなると思うし、その一方で、全員と結ばれてほしいと思ってしまう。本当に先生は上手いな〜と思いました(笑)。
――誰も嫌いになれないんですよね。
若山:そうなんです! みんなのことを大好きになる、本当に素敵な作品です。
――その原作の良さが、アニメでどうなっていましたか?
本渡:映像がすっごく綺麗でした! あと、確かに瓜生くんって、そんなに顔悪くないのねと思いました(笑)。
若山:私たちは瓜生くんとの出会いが最悪だったから、彼の顔がしっかり見れていなかったけど(笑)。
上坂:意外としっかりめの金髪なのねって…。
若山:瓜生君と三姉妹の髪色も、アニメでしっかり色が入ると、瓜生くんも合わせてすごく鮮やかで、キャラクター性がより強く感じられました。
上坂:あとはPVにもありましたけど、奇跡が起こるんです。そのときの星と桜の演出が、これでもかというほど美しくて。あれはもう、奇跡でしたよね。あと、巫女ということもあって、ヒロインの魅力を、すごく品良く描いてくださっているんです。実際に設定画にもその点に関する注意書きが記されていたんですけど、すごく上品に描いてくださっていて、三姉妹を美しく清らかに可愛く描くぞ!という気持ちが素敵だなと思いました。
若山:動きがつくと、3人の振る舞いがより可愛らしくなりますよね。巫女らしい動きのしなやかさがあって「この子たちの人生には、巫女としての動きが根付いているんだな」と感じました。
本渡:原作もとんでもなく可愛いのですが、そのコマに至るまでの表情もアニメでは描かれているので、どこで止めても可愛いから困りますよね。3次元だと、しゃべっている途中の写真とか、やめてくれ!って思ったりするんですけどね(笑)。そのくらい作り手の皆さんのキャラクターへの愛が感じられて、しゃべっていないところでのリアクション、絵の動きによるお芝居もすごく細かくて。どこを見ても、それぞれの性格が出ているんだなと思いながら、アニメを観ていました。
――美麗な映像と、キャラクターの可愛さは、やはり魅力でしたね。
本渡:「この恋は、ちょっとふしぎ」というキャッチにあるように、SF(少し不思議)な要素は、絵でも表現されていると思いました。ふんわりしていて不思議な感じがあるので。
――原作ファンの方も、丁寧に作られていて喜ぶでしょうね。ここからは三姉妹の話を深堀っていきたいのですが、その前にオーディションの思い出はありますか?
上坂:テープオーディションで、私は三姉妹と鶴山白日を受けたんですけど、特に朝姫は難しくて、まったく見当がつかなかったんです。だからいったい誰がやるのかなと楽しみにしていました。一番スッと入ってきて、自分にも似ているなと思ったのは夜重だったので、決まったときは嬉しかったんですけど、朝姫役は詩音さんで。収録のたびに、本当にぴったりだなと思っています。
若山:とっても嬉しいです! 上坂さんも、夜重姉と重なって見えることががあるくらい、雰囲気が似ていますよね。
上坂:髪の毛の感じとかは似ているなって思うから、そこはイベントとかで、似せていこうかな。
本渡:私は夕奈以外も挑戦してみようとした覚えはあるのですが、やりながら(合っているのは)夕奈だなと思っていて、いま確認をしたら、夕奈だけを受けていたみたいです。最初の収録が、確かAnime Japanに向けて録った音声なのですが、そのときに他のキャストさんの声もあった上で「夕奈はもう少し低いほうの音程も使っていきたい」というディレクションをいただいたんです。それをアニメの収録にも持ち込めるようにしたいなと思いました。
――確かに、低音でしたね。
本渡:第1話では瓜生という、その時点では神社や神様を信じない部外者が入ってきて、警戒度マックスだったので、低い音域を使っていますよね(笑)。また、アニメが始まる前に、3人揃って別の収録物を録れたことは大きかったと思います。
――確かに、スタジオオーディションがないと、どれを持っていけばいいのかの判断が難しくなりますからね。若山さんはいかがですか?
若山:私は、夕奈と朝姫を受けたんですけど、夕奈の、好きなものに骨抜きにされる時のお芝居がが、どうしても上手くいかず、かなり悩みながら収録したんです。
逆に朝姫は、年上を振り回す感じの台詞が多かったので「存分に瓜生くんを振り回して、ドギマギさせてやろう!」という遊び心で、楽しんで録った覚えがあります。でも、いざ収録が始まったら、音域的にとても苦しいことに気づきまして…。裏声と地声を交互に行き来する感じの、裏返らないギリギリのラインでしゃべっているんです。この台詞は全部裏声で言わなきゃいけないけど、その次は全部地声とか。そういうことを事前に決めてやっています。
上坂:すごく自然に聞こえて、全然そういう風には感じられなかったなぁ。
――オーディションで吹き込む台詞数は本編より少ないですから、しゃべってみたら意外に音域がキツかった、なんてことはありそうですね。
若山:勢いでやってしまうといいますか、良いものを出したい!と思うからこそ、無理して声を出しちゃうので、本編は大変でした(苦笑)。