今頑張っている人や前を向こうとしている人の背中を押してくれる曲――秋アニメ『ハイガクラ』EDテーマ「Phoenix」を歌う牧島 輝さんにインタビュー

何かに頑張っている人を肯定してくれる歌詞には励まされる。自身の名前と重なるワードも!?

――「Phoenix」のデモを聴いたり、歌詞を見た時の印象を教えてください。

牧島：サウンドはすごく疾走感と激しさがあって聴いていても気持ちいいし、歌詞も背中を押してくれて勇気をもらえる内容になっていて、自分で歌ってみても元気をもらえる気がしました。またロックは元々聴いてきたし、歌うこともあったので、この楽曲も早く歌ってみたいと思いました。

――実際に歌ってみた感想は？

牧島：曲の冒頭から「Stay gold」という力強いフレーズから始まって、Aメロで少しエモさを感じる瞬間があって、各パートの歌い出しはとても気に入っています。

――速いし、歌詞も畳みかける感じなので、ブレスを入れるタイミングがほとんどなく、難しそうですね。

牧島：歌いやすさはともかく、そのほうが聴いていても気持ちいいと思うので、チャレンジできてよかったです。

――むしろ勢いや気持ちを切らさない意味でもブレスがあまりないことがいい方向に出ているのかもしれませんね。

牧島：そうですね。前へ前へと進んでいく感じで歌えました。

――Dメロ前の間奏のギターソロがすごく熱いですね。

牧島：ああいうのも好きで、すごくカッコいいので嬉しかったです。

――歌詞を見てみると変わっていますね。例えば1Aの「自分⇔世界」は「じぶん」と歌って、2Cの「自分=無限」は「むげん」と歌っていて。ネガティブな自分がポジティブに変わっていく様子を表しているようです。

牧島：その部分だけでなく、「後悔という濃霧に飲みこまれるな」や「自分を超えるには 今を変えるんだ」など頑張っている誰かに向けて肯定してあげているようなフレーズが多かったので、歌っている僕自身も励まされている感じがして、素敵だなと思いました。

――あとサビでよく登場する「クオリア」という言葉は意味を思わず調べました。

牧島：僕も調べました（笑）。「感覚質」や「質感」という意味のようですが、歌っても聴いても違和感は感じなかったです。僕は「考えたり、悩む前に自分の感覚を信じて、行動してみようよ」ということかなと捉えました。作中の一葉のことだけでなく、僕自身だったり、聴いてくださる方、それぞれに共通する点や共感できる部分が多い歌詞なのが素晴らしいですね。

――そして2Cの頭の「ヒカリ輝いた」は牧島さんのお名前に掛けたのかなと。

牧島：今言われるまで気が付きませんでした。本当のところはまだわかりませんが、いつかその意図があるのか確認してみます（笑）。あと僕は絵を描くのも好きなので、1Aの「色の無いcampusに描いていたのは」は想像しやすかったです。

――歌い出しは「Stay gold」で、ラストは「描けGold」というところも印象的でした。

牧島：サビ最後の「キミが選んだ物語 it will never end」も含めて、「ずっと輝き続ける自分でいよう」というメッセージにも思えるのがいいですね。タイトルの「Phoenix」も不死鳥を意味して、何度くじけても立ち上がって高く舞い上がるイメージで。本当にパワーワードいっぱいの曲ですね。

曲の前向きさに助けられながら進んだレコーディング。この曲を通して皆さんに寄り添えたら

――レコーディングの感想や意識した点はありますか？

牧島：2.5次元の舞台などの曲を歌う時は役になりきりますが、今回は曲や歌詞から僕自身が感じたものを歌うので、普段とは感覚が違って緊張しました。ただ、歌詞のフレーズごとにかみ砕きつつ、いろいろ試しながらレコーディングできたかなと思います。

何か意識しながら歌うというよりも感覚的に歌った気がします。ディレクションも細かいところではたくさんありましたが、実はレコーディングしたのが去年の9月だったのであまり覚えていなくて（笑）。あと楽しかったけど、ディレクションを自分の中で消化するのに精一杯だったので。でも、「もっと力強く歌ってみて」みたいなことは言われたような気がします。

――歌声は熱いのにさわやかに聴こえるので、メッセージも受け入れやすい気がしました。ギターソロの間奏からDメロになって、落ちるところの落差はかなり難しかったのでは？

牧島：確かにテンション感などそうだったかもしれません。でも難しいなというよりも曲の前向きさに助けられながら一気にレコーディングできたかなと思います。

――ジャケットでは、炎の渦の中に牧島さんがいて、「Phoenix」感がすごいですね（笑）。

牧島：すごいことになっています（笑）。カッコいいですよね。炎に巻き付かれているのに涼しい顔をしているという（笑）。

――改めて「Phoenix」の聴きどころや注目ポイントのご紹介をお願いします。

牧島：今頑張っている人や前を向こうとしている人の背中を押してくれる曲になっていると思います。疾走感やエモさがあって、サビに向かってどんどん熱くなっていく感じなので、『ハイガクラ』をご覧になって、キャラたちと重ねてみたり、歌詞の意味を考えていただくのもいいですし、ここ一番頑張らなくてはいけない時に聴いて気合を入れてもいいし、いろいろな方に聴いていただいて、皆さんに寄り添えたらいいなと思っています。