これからも多くの方の予想を裏切りながら「我が道を行く」スタイルを貫きたい――直田姫奈さん 3rdデジタルシングル『ばっかだな』インタビュー＆朗読音声動画『サニペダ　～Another Tale of Lavender Blue～』収録レポート

『ばっかだな』も「好きなように楽しんでほしい」一曲に

――『ばっかだな』は、ボーカルとアコギの二刀流で参加されていますが、レコーディング、ライブに向けての準備はどのように進められたのでしょうか？

直田：ギターに関しては音源をいただいて、いつも通り耳コピの要領で練習しました。リズムパターンなどはシンプルで聞き馴染みのあるものなのですが、コードが少し複雑で……。おしゃれなコードが使われている箇所もあったので、少しだけ苦労しました。『ばっかだな』は、特に練習を重ねてレコーディングに臨んでいます。

――おしゃれなコードは響きやハーモニーが厚くなる分、運指も難しくなりますよね。

直田：そうなんですよね。コツも必要だし、コードチェンジに慣れないといけなくて。そんなコードたちが、要所にしっかりと入っている一曲でした。浅井さん、私頑張ったよ！（笑）

――（笑）。作曲された浅井さんとしても、「直田さんならできる！」と思っていらしたのかもしれません。

直田：噂によると、浅井さんが『ラベンダー・ブルー』『My Truth』『レスピラールの花束』のレコーディングを終えた私を見て、「弾けるじゃん！」と思ったらしく……（笑）。

――その噂の真偽のほどは……？

スタッフ：おっしゃる通りで、本当です。

直田：（笑）。「弾けるやんけ……ほな！」みたいな感じで『ばっかだな』の音源が生まれたと聞いています。今後が楽しみでもあり、ちょっと怖いかも……（笑）。

――『ばっかだな』のレコーディングの際、印象に残っているエピソードなどはありますか？

直田：レコーディングは私とディレクター、プロデューサーを中心とした布陣で行うことが多いのですが、色々と試しながら歌いました。たくさんのパターンを録ってみて、後で考えよう、という進め方でしたね。印象に残っているのは、プロデューサーによるこだわりディレクションです。

1番とラストのサビ〈好きになってもらうために好きになったわけじゃない〉は、地声で歌っているのですが、2番の〈ちゃんと恋人になっても　きっと別れただろう〉は裏声で歌っています。これはレコーディングだけではなく、ライブでも意識しているポイントです。

――今後のライブにおける注目ポイントが増えましたね。また、『My Truth』はDマイナーだったのに対し、『ばっかだな』がDメジャーで展開されているところにも、物語性を感じていました。

直田：解釈の余地ありですね！　楽曲からも色々と感じていただけたら嬉しいです。実際に耳コピで演奏してくれているファンの方もいるので、好きなように楽しんでほしいです。

アーティスト・直田姫奈はこれからも「我が道を行く」

――そして11月3日には「直田姫奈アコースティックライブ2024 ‐ばっかだな‐」の開催も控えています。恐らく『ばっかだな』も披露されると思いますが、どのようなライブになりますか？

直田：『ばっかだな』に加えて、弾き語りのカバー曲もやりたいですね。元々、私はエレキギターではなくアコースティックギターでイベントをしていたので、昔からのファンのみなさんには原点回帰と思っていただけるかもしれません。

そして今回は、アコースティックという原点に加えて、浅井さんという心強い仲間がいます。さらに披露するのは自分の曲です。レベルアップした直田姫奈を見てもらえる機会だし、エモさも感じてほしいと思っています。

――アコースティックサウンドによる魅力とともに、直田さんによるアコースティックライブが持つ意味合いに感動するファンも多いかと思います。

直田：そうだと嬉しいです。個人的に、エレキで演奏する曲のアコースティックアレンジが大好きなので、サウンドの振り幅も楽しんでほしいですね。まだセットリストは完全に決まっていないのですが、今からワクワクしています！

何の曲をやろうかなぁ……。私の曲はそれぞれ可能性を持っていると思っています。『レスピラールの花束』はアコースティックアレンジの想像がつくのですが、『ASTRO ESCAPE』『Monday Night』などのロックサウンドの楽曲をアレンジできたら面白いでしょうし……。セットリストやアレンジも、楽しみにしていただければと思います！

――最後に、「アーティスト・直田姫奈」の展望についてお聞かせください。

直田：私のこれまでの楽曲や活動は、いわゆる一般的な声優・アーティストの括りとは逆行していると思っています。ギターとしてレコーディングに参加していることもイレギュラーですし、今回のように楽曲が朗読になったりするのも普通ではないことですし。この方向性は変えずに、これからも多くの方の予想を裏切りながら「我が道を行く」スタイルを貫きたいと思っています。

でも、朗読という変化球も投げちゃったし、これ以上どうやって裏切ろうかなとも思っていて……（笑）。自分の独自性を大事にしながら、新たな世界観を歌で届けられるように、頭を捻って考えていきます。みなさんには、私を通して色々な曲を知ってほしいです。テーマは「我が道を行く」です！

――格好良い！

直田：……と、言っているだけで、王道な可愛い曲も歌うかもしれませんが（笑）。でも、私が可愛い曲を歌うというのも、一種の裏切りかもしれないですね。これからも色々な曲をたくさん歌います！

――今後の楽曲、活動も楽しみにしています！

【取材・文／西澤駿太郎　編集・撮影／鳥谷部宏平】