田中の原動力は妬み・嫉みから来ていると思う|TVアニメ『ひとりぼっちの異世界攻略』連載第6回:遥役・梅田修一朗さん×田中役・葉山翔太さんインタビュー
オーバーラップ文庫より刊行中の五示正司氏によるライトノベル『ひとりぼっちの異世界攻略』がTVアニメ化。2024年10月3日よりTOKYO MX、BSフジにて放送中です。
本作の主人公は、高校生活を“ぼっち”で過ごす遥。突然クラスメイトたちとともに異世界に召喚されてしまった遥は、神様から押し付けられた“ぼっち”をはじめとするバッドスキルを駆使しながら、一人で異世界攻略を目指していきます。第7話では遥と田中が死闘を繰り広げて、ギリギリの状態ながらも遥が勝利しました。
アニメイトタイムズでは、本作の魅力に迫るインタビュー連載を実施! 第6回は、遥役・梅田修一朗さんと田中役・葉山翔太さんに、第7話の激戦を振り返ってもらいつつ、今後の見どころについてお聞きしました。
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田中の原動力や生きる力は、妬み・嫉みから来ていると思う
──第7話では全編通じて遥と田中の戦いが描かれました。
田中役・葉山翔太さん(以下、葉山):「木偶の坊」のスキル、ズルくないですか!? “操り人形”って意味があるって、なにそれ(笑)! でも、本来は使えなさそうなスキルを活かす遥の強さを改めて感じました。
遥役・梅田修一朗さん(以下、梅田):「木偶の坊」のスキルはまさに、遥だからこその戦い方でした。スキルの可能性を引き出す遥の戦い方が面白かったですし、カッコいいなとも思いました!
葉山:今回のバトルも含めてですが、最初は田中にも共感できる部分があるんじゃないかと思いながら台本を読んでいたんです。ただ、このキャラクターに共感すると、遥に吐くセリフを言えなくなっちゃうと思って。そこで、監督に「田中をどういう風に捉えてやっていけばいいですか?」と相談したところ、「他人から見たらとにかくいけ好かない感じで」と言われたんです。
実際に、作中で描かれていた彼の行動は好かれるものではなかったですし、共感しちゃいけないことでした。最後の最後まで、改心の余地も残さないキャラクタ―だったと思います。
梅田:確かに遥たちからしたら田中は悪ですし、やっていることは共感できないですが、手を変え品を変えて色々なバッドスキルで戦う遥を妬ましく思うのは、ちょっと分かる気がします。
葉山:加えて、自分と同じ側だと思っていたぼっちくん(遥)が異世界で必要とされているのがうらやましいという気持ちも、奥底にはあったのかも。
梅田:“自分と同じ側”と思っていた人間が、勝手に一抜けしたみたいな感覚になっていたのかもしれないね。
葉山:「お前は孤独じゃなかったのか」みたいな感じでね。何なら、ぼっちくんのことを格下だと思っていただろうし。
梅田:田中は自分が天才だから、基本的に他人を下に見ているもんね。
葉山:そう。でも、天才だけれどバトルでは、答えの先を導き出そうとしなかった。
梅田:感情に振り回されたんだろうな。
──それが田中の敗因だったかもしれない。
葉山:ですね。
梅田:感情を殺せていたら、遥に勝てていたかも。
葉山:でも、田中の原動力や生きる力は、妬み・嫉みから来ていると思うから、たぶん感情は捨てきれなかったと思う。
──そういう意味では、負けるべくして負けた。
葉山:そうだと思います。