音楽
「BASARA EXPLOSION 2024」ライブ公式レポ

「俺の歌を聞け!」──銀河一熱気に満ちた、どこよりも熱い夜「MACROSS 7 30th Anniv. BASARA EXPLOSION 2024 from Fire Bomber」11月1日Zepp DiverCityライブオフィシャルレポート

TVアニメ『マクロス7』に登場するロックバンド・FIRE BOMBER。そのギター&ボーカルである主人公・熱気バサラのツアー「MACROSS 7 30TH Anniv. BASARA EXPLOSION 2024 from Fire Bomber」。

9月15日KT Zepp Yokohamaを皮切りにスタートした本ツアーが、満員のZepp DiverCity(TOKYO)でファイナル公演を迎えました。会場には、大きな歌声やコール&レスポンスが響き渡り、銀河一熱気に満ちた空間が作り上げられていました。

本記事ではどこよりも熱い夜となったファイナル公演のレポートをお届けします。

なお、ライブの模様は、2024年11月8日(金) 23:59までアーカイブ配信が実施されており、同日21:00までチケットの購入が可能となっています。

 

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マクロス7
西暦2045年。リン・ミンメイの歌により宇宙戦争を終結させてから35年の時が流れた。新マクロス級の7番艦(マクロス7)は移民惑星を求め、7年前地球を旅立ち宇宙旅行を続ける。その船団内では100万人の人々が平和に暮らしていた。しかし、そんなある日、突如としてマクロス艦の前衛艦が奇襲を受ける。一方、マクロス・シティ内の公園に設置された野外ステージでは、ロックバンドのライブが行われていた。そのグループの名は「ファイアー・ボンバー」。ボーカル&ギターは破天荒で情熱的な熱気バサラ。ボーカル&ベースはマックスとミリアの7番目の娘、ミレーヌ。キーボード&リーダーに飄々としたレイ。ドラムに寡黙なゼントラン女性、ビヒーダ。ライブが盛り上がりを見せた最中、敵の戦闘部隊がマクロス本艦にまで攻め込んできた。果たしてなぞの船団の目的は、そして正体は…100万の市民の運命を載せ巨大戦艦マクロスは、やがて恐るべき戦いの渦に呑み込まれてゆく……作品名マクロス7放送形態TVアニメスケジュール1994年10月16日~1995年9月24日TBSほか話数全49話キャスト熱気バサラ:林延年ミレーヌ・フレア・ジーナス:桜井智レイ・ラブロック:菅原正志ビヒーダ・フィーズ:高乃麗ガムリン・...

 

「MACROSS 7 30th Anniv. BASARA EXPLOSION 2024 from Fire Bomber」ライブレポート[11月1日 Zepp DiverCity(TOKYO)]

 1994年放送開始のTVアニメ『マクロス7』の劇中に登場したロックバンド・FIRE BOMBER。その鮮烈なデビューから30周年を迎えた今年、ギター&ボーカルを担当する熱気バサラの歌唱を務める“歌バサラ”こと福山芳樹による全国4都市のZeppを巡るライブツアーが開催され、11月1日にZepp DiverCity(TOKYO)にてファイナルを迎えた。当日は平日にもかかわらず満員のファンがフロアをびっしりと埋め尽くし、開演前から客席のエネルギーがぐんぐんと上昇していく。“BASARA EXPLOSION”の名を冠したツアーは2年前の2022年にも開催されたが、そのときはまだコロナ禍により客席の発声が禁止されていた状態。今回は発声解禁後の初ツアーとなり、ファンにとっては今までに貯めたエネルギーを一気に解放するチャンスとなる。そのためかライブの諸注意を伝える開演前最後の場内アナウンスが終わると、どこからともなくバサラの名を呼ぶコールが自然と発生していった。その思いと熱量は紗幕の裏で準備を進める福山とF-BANDにも伝わり、ギュイーン!とギターをかき鳴らす音で声援に応える。やがて定刻となると“声バサラ”ことバサラ役の声優・神奈延年によるナレーションがライブの幕開けを告げ、紗幕が降りるとステージには福山とF-BANDの姿が! バサラの愛機・VF-19改 ファイヤーバルキリーの雄々しいビジュアルをバックに、FIRE BOMBERの代表曲の一つ「PLANET DANCE」からどこよりも熱い夜がスタートした。

 1曲目の「PLANET DANCE」はここに集まっているファンならば知らない者はいないというほどの有名曲だが、その次の「1.2.3.4.5.6.7 NIGHTS」と「ROCK'N'ROLL FIRE」は共にラジオドラマ版で使われた楽曲という、なかなかレアなラインナップとなった。それでも楽曲自体の勢いもあって客席のファンはしっかりと食らいついていき、福山とお互いにパワーをぶつけ合う状態になっていく。もちろんライブを盛り上げるうえでは福山と長年にわたって苦楽を共にしてきたサポートバンド・F-BANDの存在も欠かせない。最初のブロックを終えてのMCで早くもメンバー紹介の時間となり、キーボードのPONCHANが使用しているショルキー(ショルダーキーボード)が劇中でレイ・ラブロックが愛用しているものと同じデザインになるように自分でシールを貼ったというエピソードが明かされた。また、ミレーヌ・フレア・ジーナスと同じくベースを担当するてつろうに対しては「美声を今日も響かせてもらえると思います」と、ミレーヌばりの美声でコーラスを担当してくれることを期待させ、ドラムの麻生祥一郎は「福山さんと会った頃はメタルドラマーで、ツインドラム使って、ビヒーダ(・フィーズ)に近づくかな?くらいだったんですけど、年を取るたびに減っていき……」と自虐コメントを交えつつ、演奏中はビヒーダに負けないくらいの迫力あるサウンドを聴かせてくれた。ギター&ボーカルの福山のみならず、バンドメンバーそれぞれがFIRE BOMBERのキャラクターをリスペクトしているところが、このライブが熱心な『マクロス7』ファンからの支持も集める理由なのだろう。そんなことを考えているうちに、ライブは再開。「皆さん、サビのところは歌うんですよ」との曲振りののち、OVA『マクロス ダイナマイト7』エンディングテーマ「PARADE」を披露した。

「PARADE」から続けて「HELLO」と「GOOD-BYE」の2曲をメドレー形式で歌って、その後のMCでは客席のファンの年齢確認を行っていく。30年前の作品にもかかわらず十代や二十代、三十代のファンも多く、『マクロス7』をリアルタイムで楽しんだであろう四十代、五十代のファンは一際元気に声を上げる。さらにはその上の年代もいて、どの世代もまんべんなく声が出ていたように感じられた。老若男女の幅広い層が集まって同じ音楽を楽しんでいるなかで、「新しいファンの方は知らない曲も随分あったんじゃないかなと思いますけど、次の曲はたぶん知っていると思います」と、TVアニメ『マクロス7』のオープニングテーマ「SEVENTH MOON」を熱唱。まさに共通言語のように盛り上がる1曲で、会場の心をさらに一つにした。続く「SUBMARINE STREET」ではイントロでまさかのミスがあり、演奏をいったん止めて「どうもありがとうございました! 『SUBMARINE STREET』のイントロでした!」と照れ笑い。これもまた生ものであるライブならではの楽しみということで、ファンにとっては福山の貴重な姿が見られた瞬間となった。

 ここでF-BANDのメンバーが一度ステージ上からいなくなり、入れ替わりに神奈延年がゲストとして登場。同じ熱気バサラという人物を作り上げた二人による軽妙な掛け合いに、客席はほっこりとした雰囲気に包まれる。もちろんトークを聴いているだけでも楽しいが、二人が揃ったからにはやはり1曲聴きたいというもの。そんな客席からの期待に応えるように、福山のアコースティックギターによる演奏で「REMEMBER 16」を披露。二人のバサラによる歌声が重なり合う瞬間はまさに夢のようで、心地よい歌声と音色に誰もが聞き入っていた。再びF-BANDが合流してお届けする次のナンバーは「LIGHT THE LIGHT」で、この曲は1995年5月に開催されたFIRE BOMBERのファーストライブで披露されたもの。放送開始当初は歌唱を担当する福山の存在は公表されておらず、この曲を神奈が歌唱している途中から福山がステージに登場し、そこで初めて“歌バサラ”が発表される演出になっていたという。今回は30周年のツアーということで当時の演出を再現し、出だしを神奈がソロで歌い途中から福山が加わるという形で披露することに。当時を知る人も、知らない人にとっても、歴史的瞬間を改めて目撃する形となった。

 ここで神奈の出番は終わり、仕切り直しでライブ後半戦がスタート。客席のエネルギーをさらに熱く燃やすように「HOLY LONELY LIGHT」が勢いをつける。続けて披露された「GET FREE」はゲーム『マクロス VF-X2』のオープニングテーマとして福山が所属するバンド・HUMMING BIRD名義で発表されたもので、厳密にいえばFIRE BOMBERの曲でも『マクロス7』関連楽曲でもないが、ある意味でレアな楽曲が聴けたのはうれしいサプライズだったといえるだろう。さらに2009年発売のアルバム『Re.FIRE!!』に収録された「Waiting for you」、そこからの「NEW FRONTIER」、「MY SOUL FOR YOU」と続き、ロマンティックな音楽にうっとりと身をゆだねていると、ライブはあっという間に終盤に差し掛かる。

「ここまでは『俺の歌を聞け!』でしたけど、ここからは皆さんが歌っていただく番になります。熱気バサラは『俺の歌を聞け!』という、非常に強気な態度でプロトデビルンに歌いかけていますけれど、相手に歌ってもらう、一緒に歌う。これがバサラはいちばん嬉しいんだと思います。ですから皆さん、間違ってもいいので大声を出してください。思い残すことなく、最後までぶつけてきてください!」と、「DYNAMITE EXPLOSION」「POWER TO THE DREAM」の2曲を続けて熱唱。客席のファンも大きな声をステージにぶつけ、歌エネルギーが最高潮に高まっていく。そして本編ラストに歌ったのは福山自身が作曲し、TVアニメの最終回クライマックスで用いられた「TRY AGAIN」。「敵といわれている人たちと一緒に歌って大団円を迎えるというのは、絵空事かもしれないけど、最高のミュージシャン人生だなと思います。熱気バサラ、最高です!」――そんな福山の思いに呼応するかのように客席のファンも一斉に拳を振り上げ、サビの部分を思いきり叫ぶ。年齢も職業もバラバラな人たちが一つの場所に集まって音楽で思いを一つにするというのは、熱気バサラほどの銀河規模の事態ではないにせよ、福山の言う最高のミュージシャン人生の理想的な姿に近づいているのかもしれない。そう思わせるほどの熱いフィナーレとなった。

 そんな熱さもまったく冷めやらぬままアンコールに突入し、ここで歌ったのは「突撃ラブハート」。TVアニメ第1話から使用された代表曲中の代表曲で、タイトルがコールされた瞬間に「待ってました!」となったファンも多かっただろう。ここまで盛り上がると名残り惜しさも余計に大きくなるが、いよいよツアーに幕を下ろす瞬間が近づいてきた。最後の曲は『マクロス ダイナマイト7』でバサラが銀河クジラと一緒に歌った「ANGEL VOICE」。「ANGEL VOICEというのは銀河クジラの声のことだと思うんですけど、僕にとってはここで聴く皆さんの声なんです。コロナ禍を過ごして、改めてみんなの声がどれだけアニマスピリチアになって、歌エネルギーになって、僕らの勇気になっているのかと、声を大にして言いたいです」――そう言って「一緒に歌いましょう」と呼びかけ歌い始めると、出だしから福山と客席の歌声がきれいに揃う。まさにアニメ本編を思い起こさせるような感動的な大団円を迎えたのだった。

 これでバサラともしばしのお別れ――と、感傷的な気分に浸る間もなく、終演のタイミングで再び神奈によるバサラのナレーションが流れる。
「みんなの熱いハート、最高じゃねえか! 生きてるといろいろとあるだろうけどな、下を向いてばっかりなんてくだらねえぜ! 次は待ってろ、豊洲PIT!! 俺たちの歌を聞け!!」
 そしてステージ上のスクリーンには「go to FIRE BOMBER LIVE」の文字が浮かび上がり、ライブ終わりの寂しさを吹き飛ばす勢いで2025年2月21日・22日に東京・豊洲PITで開催される「MACROSS 7 30th Anniv. FIRE BOMBER LIVE 2025 ~BURN! BURN! BURN!~」への期待を加速させる。こちらは福山だけでなくミレーヌの歌唱を担当するチエ・カジウラも出演する約13年ぶりのFIRE BOMBER単独ライブという、『マクロス7』ファンならずとも見逃せない公演となっている。かつてFIRE BOMBERに熱狂した人も、これから知るという人も、こぞって参加してほしい。
(Photo:Takuto.N、Tomohiro Onishi    Text:仲上佳克)

 

ライブ写真

 

公演情報 ※全公演終了済

<公演名>
SANKYO presents MACROSS 7 30th Anniv. BASARA EXPLOSION 2024 from Fire Bomber
(さんきょー ぷれぜんつ まくろす せぶん さーてぃーす あにばーさりー ばさら えくすぷろーじょん にーぜろにーよん ふろむ ふぁいあーぼんばー)
<公演日>
(1)2024年9月15日(日)KT Zepp Yokohama
(2)2024年9月23日(月・祝)Zepp Namba(OSAKA)
(3)2024年10月11日(金)Zepp Nagoya
(4)2024年11月1日(金)Zepp DiverCity(TOKYO)

<出 演>
福山芳樹(マクロス7 熱気バサラ歌担当)

<ゲスト出演>
神奈延年(マクロス7 熱気バサラ役)

<サポートバンド>
F-BAND

<特別協賛>
SANKYO

<主 催>
ビックウエスト

<企 画/制 作>
ビックウエスト/フライングドッグ/MOJOST

 

ライブ情報

<公演名>
SANKYO presents MACROSS 7 30th Anniv. FIRE BOMBER LIVE 2025 ~BURN! BURN! BURN!~
(さんきょー ぷれぜんつ まくろす せぶん さーてぃーす あにばーさりー ふぁいあーぼんばー らいぶ にーぜろにーごー ばーん!ばーん!ばーん!)
<公演日>
(1)2025年2月21日(金)開場18:00、開演19:00
(2)2025年2月22日(土)開場17:00、開演18:00

<出 演>
福山芳樹(マクロス7 熱気バサラ歌担当)
チエ・カジウラ(ミレーヌ・フレア・ジーナス歌担当)

西脇辰弥(Band Master, Keyboards)
根岸 孝旨(Bass)
松本 淳(Drums)
外園 一馬(Guitar)

<特別協賛>
SANKYO

<主 催>
ビックウエスト

<企 画/制 作>
ビックウエスト/フライングドッグ

<制作協力>
ビクターミュージック・アーツ

<公演に関するお問い合わせ先>
キョードー東京 0570-550-799
(平⽇11:00〜18:00 / ⼟⽇祝10:00〜18:00)

※上記内容は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。

<チケット>
★「超時空ファンクラブ マクロス魂」プレミアム会員先⾏(抽選制)★
受付期間:2024年10⽉30⽇(⽔)18:00〜2024年11⽉12⽇(⽕)23:59
受付URL:https://macrosstamashii.com

★「超時空ファンクラブ マクロス魂」スタンダード会員先⾏(抽選制)★
受付期間:2024年11⽉12⽇(⽕)18:00〜2024年11⽉25⽇(⽉)23:59
受付URL:https://macrosstamashii.com

★New Single「BURN! BURN! BURN!」先⾏申込シリアルコード封⼊先⾏(抽選制)★
受付期間:2024年10⽉30⽇(⽔)18:00〜2024年11⽉12⽇(⽕)23:59
※お申込みには、2024年10⽉30⽇発売のマクロス7 30周年記念New Single『BURN! BURN!
BURN!』に封⼊されている「チケット先⾏申込シリアルコード」が必要となります。

 

作品情報

マクロス7

あらすじ

西暦2045年。リン・ミンメイの歌により宇宙戦争を終結させてから35年の時が流れた。新マクロス級の7番艦(マクロス7)は移民惑星を求め、7年前地球を旅立ち宇宙旅行を続ける。その船団内では100万人の人々が平和に暮らしていた。しかし、そんなある日、突如としてマクロス艦の前衛艦が奇襲を受ける。一方、マクロス・シティ内の公園に設置された野外ステージでは、ロックバンドのライブが行われていた。そのグループの名は「ファイアー・ボンバー」。ボーカル&ギターは破天荒で情熱的な熱気バサラ。ボーカル&ベースはマックスとミリアの7番目の娘、ミレーヌ。キーボード&リーダーに飄々としたレイ。ドラムに寡黙なゼントラン女性、ビヒーダ。ライブが盛り上がりを見せた最中、敵の戦闘部隊がマクロス本艦にまで攻め込んできた。果たしてなぞの船団の目的は、そして正体は…100万の市民の運命を載せ巨大戦艦マクロスは、やがて恐るべき戦いの渦に呑み込まれてゆく……

キャスト

熱気バサラ:林延年
ミレーヌ・フレア・ジーナス:桜井智
レイ・ラブロック:菅原正志
ビヒーダ・フィーズ:高乃麗
ガムリン・木崎:子安武人
マクシミリアン・ジーナス:速水奨
エキセドル・フォルモ:大林隆之介
イワーノ・ゲペルニッチ:井上瑤

(C)1994 ビックウエスト/マクロス7製作委員会

©1994,2024 BIGWEST/MACROSS 7 PROJECT
©1997 BIGWEST/OVA MACROSS 7 PROJECT

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