『モアナと伝説の海2』の制作陣が描いた、モアナの新たな旅路。“繋がり”というテーマに込めた願いと続編への想いを訊く【インタビュー】
「海の果ても、越えてゆこう」──どんな運命が待ち受けていようとも。
2017年に公開されたディズニー映画『モアナと伝説の海』。海と特別な絆で結ばれた少女・モアナが未知の世界へと踏み出す姿は、世代を超えて多くの人々に勇気と感動を届けました。
そして2024年12月6日(金)、待望の続編となる『モアナと伝説の海2』が全国公開されます。前作から3年後を舞台に、成長したモアナは美しい海と世界を救うための新たな航海へ。お馴染みのキャラクターたちの活躍はもちろん、「ビヨンド ~越えてゆこう~」をはじめとした新曲が織りなすミュージカルパートも大きな見どころです。
アニメイトタイムズでは、そんな本作を手掛けたデイブ・デリック・ジュニア氏(監督)、デイナ・ルドゥー・ミラー氏(共同監督/脚本)、クリスティーナ・チェン氏(プロデューサー)にインタビューを実施。
モアナの新たな旅路を通じて描いたもの、描きたかったもの。明日への一歩を踏み出す勇気をくれる物語は如何にして生まれたのか、様々な角度からお話を伺いました。
“旧友”と再会し、新しい冒険に繰り出すような作品
ーー7年ぶりの続編となる今作では、「他者との繋がり」に焦点を当てた物語が展開されます。どのような想いを込めて、ストーリーを作り上げたのでしょうか?
共同監督/脚本・デイナ・ルドゥー・ミラー氏(以下、デイナ):前作は「モアナが自分自身を見つける物語」でした。今回は前作から3年が経過しており、モアナはリーダーとしての立場を確立しています。特にモアナが自分の妹を見たとき、「彼女はどんな未来を生きるのだろう?」と考える訳です。彼女は成長を遂げ、島の未来に目を向けている。海の向こうにいるかもしれない人々と出会い、コミュニティをより良くしたいという願いが芽生えています。
監督・デイブ・デリック・ジュニア氏(以下、デイブ):人間は個人としても常に成長と進化を続けますが、「誰かと一緒にいることで強くなれる」というのはとても普遍的なテーマですよね。
ーー成長したモアナは故郷を離れる不安など、複雑な感情も抱えています。
デイナ:私自身、モアナの成長を描けることをとても楽しみにしていました。人間は歳を重ねると、選択するという行為がどんどん難しくなりますよね。今の彼女は「愛する人を残していく」という決断の意味も分かっているし、戻ってこれないという結果すらあるかもしれない。家族と共にいるのか、独立して新たな旅に出るのか。そうした決断の価値を表現したかったんです。
ーー製作はバーバンク(アメリカ)とバンクーバー(カナダ)にあるスタジオで連携しながら進められたとか。
プロデューサー・クリスティーナ・チェン氏(以下、クリスティーナ):そうですね。チーム内には前作に参加したメンバーと新たに参加するメンバーがいて、だからこそ作品がより豊かなものになったと思います。ストーリーテリングとビジュアルの面で、より高いレベルを目指すための刺激になったんです。ストーリーボードから編集、アニメーション、照明、そしてポストプロダクションに至るまで、本当に素晴らしいコラボレーションが実現したと思います。
ーー「帰ってきた、本当のわたしに(原題:We're Back)」が流れる冒頭シーンも印象的でした。あのシーンに込められたこだわりについて、ぜひお聞かせいただければと思います。
デイナ:モアナの大きな魅力のひとつは、勇敢な冒険家であること。映画のオープニングから、「彼女は既に冒険の真っ最中である」というところを描きたかったんです。プアやヘイヘイと共に冒険し、人々の未来を変えるような発見をする。一連の流れを通して、モアナのキャラクター性を再び見せるための時間をじっくり取りました。
ーーモアナの外見はそこまで変わっていないように見えますが、映像から3年の成長が明確に伝わってきました。
デイブ:その辺りに関しては、(アニメーションの)演技の部分も大きいと思います。動き方、振る舞い方、リーダーとしての自信を持っているという部分が彼女の成長を感じる一因になっているのかなと。映像面で言うと、やはり波の表現はすごいですよね。アーティストの素晴らしい仕事が作品の世界観を広げてくれましたし、前作以上の没入感が生まれていると思います。
クリスティーナ:主にストーリーや編集、ビジュアル開発をバーバンク、それ以外の制作や全体のアセットはバーバンクとバンクーバーの両方のスタジオで行いましたが、アーティストたちはあらゆる面で作品のクオリティを底上げしてくれました。『モアナ』が多くの人に愛される理由のひとつとして、ビジュアルのゴージャスさが挙げられると思います。今回もみなさんの期待を超える作品になっているはずです。
デイブ:終盤では見たこともないほどの壮大な嵐がやってくるので、ぜひ楽しみにしていてください。
ーー個人的にヘイヘイが好きなのですが、続編では更に色鮮やかになっている気がしました。
デイナ:仰る通りです! グッズもより鮮やかになっていると思いますよ。ヘイヘイなくして、『モアナ』の物語は語れませんからね。
ーー多岐に渡るお話をありがとうございました。最後に、今作を楽しみにしている日本のファンに向けて一言ずついただけますでしょうか?
一同:(一斉に喋る)
デイブ:ごめんね!(笑) クリスティーナからどうぞ。
クリスティーナ:日本は12月6日(金)から公開ですよね。日本のファンの皆さんに大きなスクリーンで早く観ていただきたいです。
デイナ:“旧友”と新しい冒険に繰り出すような作品だと思います。ぜひ楽しんでください。
クリスティーナ:デイブはどう?
デイブ:やはり音楽です! 本当に素晴らしいので、皆さんに聴いていただく日が待ちきれませんね。
[インタビュー/小川いなり]
『モアナと伝説の海2』作品情報
12月6日(金)全国劇場公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン