【今週の『ONE PIECE』の話題は?】「もしかしてラフテルまで行った?」ルイ・アーノートの正体はロジャー海賊団か。エルバフは時間の流れが違う? シャンクスの意味深発言に注目!<1132話>
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載27年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
12月2日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1132話“エルバフの冒険”では、ルイ・アーノートの名前が話題に。ついにエルバフへ到達したウソップの涙も読者の心を震わせました。本記事では、SNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1132話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
「ルイ・アーノート」が話題を席巻
念願のエルバフ上陸を告げる物語のナレーションに「ルイ・アーノート」の名が登場したことが話題をさらい、一時X(旧Twitter)でトレンドになりました。
ルイ・アーノートとは、本作でしばしば名前のみが登場する探検家。「BragMen(ブラッグメン)」(=うそつき達)という偉大なる航路(グランドライン)の冒険記の著者の一人で、かつてルフィやウソップらがドリーとブロギーに出会いエルバフ行きを夢見た地、リトルガーデンの名付け親でもあります。
これを受け、読者からはルイ・アーノートについての反響が続々。「エルバフまで来てたんだ!」「今まで上陸した時のナレーション、全部ルイ・アーノートの語りだったんじゃ?」「ルイ・アーノート氏、もしかして偉大なる航路(グランドライン)一周してる?」「しれっとラフテルにも行ってそう」といった声が共感を集めています。
とくに、ルイ・アーノートがさまざまな島を冒険していることがうかがえる様子から、実はルイ・アーノートとはペンネームであり、その正体は世界を旅したロジャー海賊団の一員なのではないか?なんていう考察も浮上しているようです。
また、「ルイ・アーノート」という名前が「ライアーノート」と近い文字羅列であることも注目を集めています。「BragMen(ブラッグメン)」(=うそつき達)というタイトルとあいまって、今後“うそ”がキーワードになるのではないかという声も。
世界の多くの人々は本著にまとめられたうそのような冒険の記録を信じられず、「BragMen(ブラッグメン)」というタイトルがつけられたといいます。しかし、この本は世界の“真実”を伝えようとオハラの学者たちが守った文献の中の一つでもあったのです。つまり、ここに書かれているのは“うそのような本当の冒険の話”ということになりうるのではないでしょうか。
「うそつきノーランド」や、いつしか本当になっていくウソップのうそなども彷彿とさせるテーマですが、一体どんな意味が込められているのか? 別の記事で詳しい考察も書いていきたいと思いますのでお楽しみに。
エルバフは時間の流れが違う説
そして、今回ルイ・アーノートの語りには「冒険者達よ 返却されぬ去りし時を悔いる事なかれ」「“この地に長居してはならない”」といった、明らかに意味深な言葉がありました。
このことから、エルバフの時間は、外の世界よりもゆっくりと流れているのではないか? という考察も囁かれはじめています。
これには根拠あり、実は4巻のSBS(質問コーナー)では、シャンクスが何歳なのかを尋ねる質問があり、それに対し尾田栄一郎先生は「シャンクスについては現在どこにいるかわからないので10年前の歳を答えておきます」と不思議な回答をしているのです。どこにいるかわからなくても、10年経っているならば10歳加齢した歳を答えればいいはずですよね。
そして少し前、1079話(『ONE PIECE』コミックス107巻収録)ではエルバフにいるシャンクスが描かれ、「少し立ち寄っただけ」「長居したせいで」と長居するつもりはなかった旨を口にしています。どうやら長居してはならない理由を知っている様子。過去にエルバフに長居してしまったシャンクスは、本来の年齢と現在の年齢が変わっているのかもしれません。
筆者個人としては、ルイ・アーノートの「全てが大らかなる神秘の土地」という言葉も引っかかったポイント。「大らか」という言葉には「ゆったりしている」「のびのびしている」などの意味があります。エルバフに生きとし生けるものは、ただ全てが大きいというだけでなく時間の流れすらも普通以上に大らか(=ゆったり)ということなのではないでしょうか。それが巨人族の長寿の秘密にも繋がっていたり……という想像もしてみたり。
夢を叶えたウソップに感動
ルイ・アーノートが目を惹いた今回のストーリーですが、エルバフにいよいよ上陸した麦わらの一味の様子も感動的でした。
いつかエルバフへ行く、というルフィの誓いとウソップの夢が語られたリトルガーデン編が連載されていたのは2000年のこと。実に25年越しにエルバフ上陸が実現したことになり、麦わらの一味はもちろん読者にとっても待望の新章ということで、感動もひとしお。
虹を渡るワクワク感、新たな島を前に感無量の思いが伝わるクルーそれぞれの表情、そしてなんといってもウソップの涙……胸の熱くなる描写の連続についつい感涙したという読者の姿も多くみられました。麦わらの一味、読者それぞれ同じ気持ちで迎えるエルバフの冒険がどのように展開されていくのか、楽しみでなりません。
[文/まりも]