「アニメで動く姿を想像していなかったので、ひたすらに感動しています」秘密厳守のピュア社内恋愛ストーリーが開幕! 社会人恋愛漫画の金字塔『この会社に好きな人がいます』 原作者・榎本あかまる先生インタビュー
榎本先生自身も、社会人経験が
──少し遡ってお話をおうかがいさせてください。もともと『この会社に好きな人がいます』 はどのような経緯で立ち上がった作品だったのでしょうか。
榎本:担当編集者さんから「社内恋愛をテーマにするのはどうですか?」と提案されたことがきっかけでした。前作(『文野さんの文具な日常』)も社会人モノを描いていて。それと、私自身会社員だった時代もあったんです。その経験からアイデアをもらっていってひろげていきました。
──社会人経験が活かされているんですね。作中のリアルな描写に納得しました。
榎本:そう思っていただけたら良かった(笑)。会社員を6年ちょっとしていました。
──実際、社内恋愛や秘密の関係というテーマは、先生の会社でもあったことなんでしょうか?
榎本:社内で結婚された方も多かったので、そういうことはあったと思います。ただ、私が全然まわりのことに気づいていなくて(笑)、結婚報告を聞いて「えっそうだったんだ」と驚くことが多かったです。「起きてるところには、起きてるんだな」と。
──秘密の関係には独特のドキドキ感がありますよね。そこに加えて、誰も傷つけない物語が素敵だと思いました。
榎本:ありがとうございます。
──その中で、キャラクターはどのように作られたのでしょうか?
榎本:最初は経理部の3人がメインで、それぞれの恋愛模様を描こうとしていました。その3つの恋愛の中から、メインとなるものを選ぼう、という話になり、主人公として立石・三ツ谷が選ばれた、という感じです。その3つの恋愛の中から、メインとなるものを選ぼう、という話になり、主人公として立石・三ツ谷が選ばれた、という感じです。
──3人の中で、なぜこの立石・三ツ谷カップルを主人公に選んだのでしょうか?
榎本:一番自然とカップルになりそうな2人だったんですよね。一番ストーリーとしてまとまりそうな予感がしました。
──すでに映像をご覧になられているとうかがっています。アニメで動くキャラクターを見て、どのような気持ちになりましたか。
榎本:「わああ〜!」って。自分が描いたキャラクターたちが「動いて喋る」って本当にすごいことで。ただ、アニメで動く姿を想像していなかったので、ひたすらに感動しています。さらに、漫画のコマとコマの間がアニメーションで補完しているのを見て、より感動しました。
例えば、道中の歩いている姿とか。「あ、こうやって動くんだなあ」と。漫画の場合は、ページをめくったら違う場所にいる、ということがあるんですけど、歩いていたり、移動したりする姿も丁寧に描いてくださってるので、より「生きてる」という感覚がありました。
──ファンの方にはアニメのどの部分を楽しんでもらいたいと考えていますか?
榎本:三ツ谷と立石の掛け合いをぜひ楽しんでほしいです。楽しいところもあれば、喧嘩してるところもあれば、イチャイチャしているところもあり……。そこはいちばん見てもらいたいところですね。また、どのキャラクターにも言えることなのですが、本当に声優さんの演技が素晴らしくて。あの会社の人たちのやりとりを楽しんでもらえたらと思っています。
──アフレコ現場にも行かれていたのでしょうか?
榎本:はい。1話の収録を見学させていただきました。本当に現場の雰囲気が明るく、皆さんがニコニコしていてとても素敵でした。
──作品のハートウォーミングな空気感もあって、きっと現場も素敵なんだろうなと。
榎本:そうですね。すごく温かな現場で、それでいてカラッとしてて。前向きに意見をやりとりされているところも印象的で。「ずっとこの感じでやっていただけたらありがたいな」と思っていました。
──キャラクターに命が吹き込まれる様を見るのは、生みの親である榎本先生にとって特別な感覚があると思いますが、そこはいかがでしたか。
榎本:感動すると同時に少し照れくさい気持ちもあったんです。少しというか「めちゃくちゃ恥ずかしい」って(笑)。特に漫画内の素敵なシーンのところは、あとから読み返したときに、自分自身が恥ずかしいと思うくらいで行こう!と思いながら描いていたんです。だからそうした場面を文字で読むのも、皆さんのお芝居の声を聞くのも、ちょっと照れるなと(笑)。
──では先生自身が照れるというのは、思惑どおりでもあるということですね(笑)。
榎本:そうなりますね(笑)。