“愛”を経て結ばれた“キズナ”こそがRoseliaの「礎」――15th Single「礎の花冠」ロングインタビュー|湊友希那役・相羽あいなさん×今井リサ役・中島由貴さん×白金燐子役・志崎樺音さんが語る重圧と「挑戦」
“星の瞬き”って……?
――『礎の花冠』について、志崎さんはいかがでしたか?
志崎:最後の5人での合唱も好きなのですが、ピアノパートの音も好きで……! なんて言えばいいんだろう……アウトロなどに組み込まれている……“星の瞬き”のような音、なのですが……。
相羽&中島:“星の瞬き”?
相羽:ピアノパートの音のこと?
志崎:そうです。なんて言ったら伝わるかな。(少し考えて)うーん……“星の瞬き”……そう、“星の瞬き”なんです……(笑)。
一同:(笑)
相羽:なに!?(笑) どこのなんの音!?(笑)
中島:オシャレな言い方だなぁ……(笑) 私、“星の瞬き”なんて言ったことないわ!(笑)
相羽:ボキャブラリーが詩人やん。
志崎:(爆笑をなんとか抑えて)音源流せますか……?(笑)
(『礎の花冠』の音源を聴いて)
志崎:(アウトロに差し掛かり)ここです! このピアノ、“星の瞬き”!
相羽:これかぁ!
中島:たしかに、“星の瞬き”だ!
相羽:今、“星の瞬き”を浴びました!
志崎:伝わった……!「“星の瞬き”みたい」ってずっと思っていて……(笑)。
相羽:私、この音大好きなの!『Re:birth day』にも似ている音が入ってるよね。これ“星の瞬き”だったんだ……! 覚えとくね!
志崎:ありがとうございます……(笑)。この音が、曲の儚さや美しさを際立たせているような気がして……。
――「永遠」という言葉にも、刹那的な印象がありますよね。
志崎:「ずっと」「永遠に」という願いも、きっと「祈り」のひとつなんだろうな、と。一つひとつのフレーズや歌詞からも、「祈り」が伝わってきて素敵だなと思います。とても好きな曲ですね。
相羽:良い言葉を知ることができましたね。“星の瞬き”。
中島:きっとこれから、ファンの方の間でも共通認識になるよ。“星の瞬き”。
志崎:“星の瞬き”……(笑)。
相羽:「今回の楽曲、“星の瞬き”が入ってるよ」って言われるかも。
――(笑)。ところで、志崎さんがコーラスを収録された際には、相羽さんと中島さんの声が入っている状態だったのですか?
志崎:中島さんの声が入っていました。相羽さんはまだだったと思います。
相羽:のんちゃんの声を聞きながら録ったので、タイミングとしては私が後ですね。
――相羽さんにとって、より気持ちが高ぶるレコーディングになったのですね……!
相羽:そうですね。ただ、以前櫻川(めぐ)さんに「みんなのコーラスを聞きながらレコーディングするの、好きなんだよね」と言ったことがあるのですが、「私たちは、あいあいの声がないとレコーディングしづらいよ」と言われたことがあって……(笑)。
――たしかに、言われてみればそうですよね!
相羽:そうなんですよ(笑)。ボーカルがない状態でコーラスを入れるのは大変なのに、私は「みんなのコーラスを聞きながらするレコーディング、嬉しい!」って思ってて……(笑)。
志崎:でも、(「コーラス→相羽さんのボーカル」の順番で収録した曲の)完パケを聴いたとき、あいあいさんのボーカルを聞くと感動しない?
中島:うんうん、めっちゃ感動する。
志崎:「よっしゃあ、良い曲ができた!」って思います。ボーカルが入ると、やはり楽曲が締まるんですよね。
ツアーを経て気付いた「優しい強さ」
――カップリング曲の『FRONTIER FANTASIA』も、ドラマティックな一曲ですね。
相羽:新しいRoseliaの色、と言いますか、可能性が見えました。ゲームの景色を感じる一曲になっているので、あこに加えて燐子の存在も見えてきましたね。
志崎:強さがありますよね。カッコいい曲だなと思いました。
相羽:壮大だよね。
中島:『FRONTIER FANTASIA』は友希那と一緒にあこが歌っているので、「闇の力」に則ってダークな雰囲気が展開されるのかなと思っていました。でも意外と壮大なファンタジー世界のような曲調で、ゲームの主題歌っぽさもあって。感動しましたね。良い曲だなぁ……。
志崎:『礎の花冠』とは違った角度からのRoseliaという感じがします。
相羽:リリースは12月ですけど、『礎の花冠』も『FRONTIER FANTASIA』も、温かさがあるんですよね。
――そんな『FRONTIER FANTASIA』のレコーディングはいかがでしたか?
相羽:レコーディングの裏話としては、元々あことのハモリの部分はあこが下に潜る想定だったんです。
中島:そうだったんだ。
相羽:そうそう。でもキャラクターのイメージを考えると、あこは上の音域だったから、上げてもらいました。冒険感のある楽曲なのですが、Roseliaらしさもある楽曲になっています。
――『FRONTIER FANTASIA』が放つ「Roseliaらしさ」は、どのようなポイントにあるのでしょうか?
中島:Roseliaらしい「強さ」があるよね。
相羽:あるね。あとは「疾走感」でしょうか。BPMがどれくらいか、わかる?
中島:178だね。あれ、意外と……Roseliaの中では、それなりのテンポかな……?(笑)
相羽:そうだね(笑)。(音源を聴きながらインタビューは続き)イントロからワクワク感がすごいよね。何かが始まりそう!
志崎:冒険に出ていますよね。
――先ほどの“星の瞬き”ではないですが、志崎さんが感じたことについてお聞きしたいです!
志崎:(笑)。一曲を通してストリングスが入っていて、それだけでもいつものRoseliaとは違った表情が見えてきます。
(音源の途中、高音のオブリガードが聴こえて)
相羽:あれ、これは……!?
志崎:ピッコロの音……?(笑)
相羽:これは“星の瞬き”じゃないよね。
志崎:そうですね(笑)。ピッコロの音も含めて、ポジティブな音楽ですよね。
相羽:たしかに。明るいけど、『―HEROIC ADVENT―』とは違う明るさだね。
志崎:今までの楽曲にはないニュアンスだと思います。冒険系の曲はあれど、ここまで明るいものはなくて。
相羽:ポップな中にも綺麗さがあるし……メッセージ性も強い。今までとは違う色を出せるのも、Roseliaの強みだと思っています。
あとは友希那あるあるなのですが、一番のサビはファルセットで、ラストのサビは地声で歌うパターンがあって。レコーディングでも色々と試してみるのですが、最近はその構成がハマりつつあります。
――相羽さんの中でもしっくりきている歌い方なのですね。
相羽:「ラストのサビは壮大にしたい」という思いがあって、表現のひとつとしてもわかりやすいかなと思います。カラオケなどで歌う際には、ぜひ参考にしてください(笑)。
――先程のツアーのお話、そして今のお話からも思うのですが、表現の方法がどんどん広がっていますよね。
相羽:ボーカルだけでなく、楽器の表現も広がっていると思います。二人はどう?
中島:(新曲に対して)毎度、「挑戦」なんです。
相羽:難しくなってるよね(笑)。
志崎:(頷きながら)あとこれは個人的に、なのですが……今までは「Roseliaは強くなければ」「格好良さ、美しさを出さなければ」と思っていたので、強く、説得力のある弾き方を心がけていました。
ただ、このツアーを通して「優しい強さ」を持った演奏が肝なのかもしれない、と気がついて。ずっと「強い」のではなく、「優しい強さ」を持った上で力強さもある。そんな演奏ができたらと思っています。
相羽:私自身の歌も、ピアノの音に、一番影響される気がしています。
――先ほど中島さんより「挑戦」という言葉が出ましたが、「次のRoselia」を感じることができるようなSingleになっている印象を受けました。
中島:Elements Gardenさんの中の、色々な方に楽曲を書いていただく機会が増えたので、「Roseliaらしさ」の幅が広がっているのだと思います。「こういうRoseliaもあるんだ……!」と、いつも思っていますので、そういう意味でも「挑戦」ですね。
――そして、今回のSingleの裏ジャケットに描かれている衣装も、とても可愛いですよね!
相羽:Roseliaって、基本的に衣装の形が全員違うんです。今回の裏ジャケットだと、「白のドレス」「あこがミニスカート」ということはわかるのですが、全貌が見えていないんですよね。紗夜のスカート部分はアシンメトリーなのか、燐子は後ろが長めのスカート丈になっていそう、など想像が捗りますね。
中島:リサは特にわからないなぁ……(笑)。
相羽:(笑)。みんなの衣装の細かな違いを、もっと見たい!
――白のドレス+青のアクセサリーがRoselia感を引き出していますが、白が貴重になっている衣装も珍しいですよね。
志崎:燐子が頑張ったのかもしれませんね(笑)。
中島:白の衣装は、Morfonicaさんとのライブ以来(BanG Dream! 11th☆LIVE DAY2 : Roselia×Morfonica「星空の夜想曲」)ですかね……? CDのジャケットイラストとしては初めてな気がします。
志崎:イラストも綺麗ですよね。
相羽:シロツメクサ畑でね……。今回はジャケットも優しく綺麗に仕上がっていて、色でこんなに印象が変わるのか、とも思いました。