『魔王2099』第9話振り返り:“マルキュスロス”のタイミングで新たに登場したアルバートから目が離せない。メイド姿を目撃されて絶望する、緋月の表情と声が最高だった
現在放送中の、ファンタジア文庫で刊行中の紫大悟先生のライトノベルを原作としたアニメ『魔王2099』。電脳魔導都市(ルビ:サイバーマギノシティ)・秋葉原に舞台を移し、500年前に滅びたとされる伝説の魔王・ベルトールの活躍が見どころとなっている作品です。
今回も引き続き、第9話の内容を振り返っていきたいと思います。
なお、本記事は『魔王2099』第9話までのネタバレを含んだ内容となっておりますので、第9話をご覧になった上でご一読ください。
第8話 振り返り記事はこちら
圧倒的“噛ませ”臭で存在感を見せるアルバートも、実は根っからの悪人ではないのかも……?
バラバラになった六魔侯の居場所を示す「魔侯録」を手に入れるため、留学生として秋葉原の魔法学園へと転入してきたベルトールたち。第9話ではそんなベルトールたちのクラスメートである、山田・レイナード=緋月の置かれる立場も少しずつ明らかになりました。
どうやら緋月は没落した貴族の家系で、人間とエルフの間に生まれたハーフエルフという出自をもっているようです。ハーフエルフといえば、様々なファンタジー作品で差別の対象として描かれていますが、それは本作の世界でも同じ様子。緋月を挑発するアルバートを止める時、ベルトールはまたまたうどんを食べていましたが、よほど現在の世界の食べ物の中でもうどんが気に入ったんですね……。
その後のアルバートがベルトールに威勢よく決闘を申し込む流れは、あまりにもその先の結果が目に見えすぎていて、逆にアルバートを応援したくなりました。ユニークな悪役として新宿編の物語を引っ張ってくれていたマルキュスが退場してしまい、しばらくマルキュスロスになりかけていたので、いかにもな“噛ませ”臭を漂わせるアルバートの存在は、その空白を少し埋めてくれた感がありました。
ただそんなアルバート、残念な言動に反して(?)本当に学園トップクラスの魔法の使い手だったのはちょっと意外。皆さんも予想されていた通り、当然のようにベルトールの相手にはならなかったわけですが、ベルトールは嘘でお世辞を口にすることは絶対ないタイプだと思うので、アルバートが定命にしては結構な才能の持ち主で、努力も怠っていなかったのは本当なのでしょう。
とはいえ、ハーフエルフに対する差別意識がむき出しだったり、人格には問題ありまくりなんですが、立場に甘んじず努力をしているアルバートの視点から見ると、緋月のような適当に学校生活を送ってそうに見えるタイプに苛立ちを覚えるのは、ちょっと納得できる部分もあるかもしれません。
そう考えると、ベルトールに完敗してぴくぴく痙攣している姿には「無茶しやがって……」と労いの声をかけてあげたくなります。
アルバートの一言を聞き逃さない、冷静に状況を推察するベルトールの思慮深さ
ベルトールに助けられた緋月は、かすかにベルトールに対して“デレ”を見せてくれました。金髪ツーサイドアップという、もう見た目からしてストレートなツンデレキャラっぽい雰囲気が漂っていましたが、中身の方もバッチリと王道なツンデレです。まだ心を開ききってはいませんが、個人的にツンデレは、この“デレ”きるちょっと前くらいのタイミングが一番好きですね。
一方、そんな緋月と秋葉原御三家をすでに紐づけていたベルトール。確かにアルバートは緋月との会話で、「御三家」や「没落貴族」という単語を一瞬口にしていましたけど、ベルトールたちはまだ秋葉原に着いたばかりで、秋葉原の状況についても一度口頭で説明を受けただけなんですよね。にも関わらず、その一言を耳にしただけで緋月が王徴(レガリア)に行き着く鍵となることを見抜いていたベルトールの思慮深さには、改めて驚かされる部分があります。ただ呑気にうどんを食べていたわけではなかったんですね。
また、今まではファンタジー色の強い、“魔法街”としての姿が描かれていた秋葉原でしたが、我々にとって耳なじみの良い“電気街“と呼ばれる街も存在していることが判明。ゲーム実況やVTuberが流行っている世界なわけですから、そりゃあ秋葉原にそういう文化がないはずはないよなと納得しました。
そんな秋葉原に妙に詳しい高橋に連れられてやってきたのは、まさかのメイド喫茶。「情報が集まる」と一応は言っていたものの、本当は単に自分が行きたかっただけだろうという気がします。いろんな種族が暮らしている世界なので、美的感覚も人間の尺度では測れないんだな……と、ビジュアルの圧が強いメイドさんといにしえのオタクっぽいお客さんのやりとりをみて改めて実感します。
しかしそんなメイド喫茶で、緋月がメイドとしてアルバイトをしていたという、奇跡的な偶然が待ち受けていました。それまでの学園での振る舞いとの落差が凄まじい、ワントーン高い声で可愛らしさ全開の接客から、ベルトールたちに気付いた時の絶望した表情と恥ずかしさといたたまれなさの滲む声は最高でしたね。
緋月が秋葉原御三家の一角と判明したことで、宝物庫を開けるためのレガリア探しにも大きな進展が見え始めました。しかし、致命的な瞬間を見られてしまった緋月はベルトールに協力してくれるのか、そもそもなぜよりにもよってメイド喫茶で働いていたのか。次回からは、本格的な緋月の掘り下げと活躍にも期待したいです。
作品概要
あらすじ
統合歴2099年―――
不死の王国を統べていた、伝説の魔王・ベルトールが迎えてから500年―――魔王再臨の刻、来たれり。
サイバーパンクシティ『新宿市』。天を貫く超高層ビル群、宙を錯綜する極彩色のネオン光―――
魔導工学の技術革新によって栄光ある発展を遂げた、究極の未来都市。
魔王が降り立った世界は、かつての絶対支配者を置き去りに、驚愕の進化を果たしていた―――。
巨大都市国家が手にした、華々しい繁栄。
しかし……その裏に隠されていたのは―――恐るべき“闇”だった。
輝かしくも荒んだ“新たな世界”を再び支配すべく、魔王は未来を躍動する!
キャスト
ベルトール=ベルベット・ベールシュバルト:日野聡
マキナ=ソレージュ:伊藤美来
高橋:菱川花菜
グラム:浪川大輔
マルキュス:松風雅也
木ノ原:伊藤静
放送情報
2024年10月12日(土)24:00~ ON AIR
TOKYO MX、群馬テレビ、とちぎテレビ、BS11:10月12日より毎週土曜24:00~放送
毎日放送:10月12日より毎週土曜27:08~放送
中京テレビ:10月15日より毎週火曜26:19~放送
AT-X:10月13日より毎週日曜日22:30~放送
※放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。
配信情報
dアニメストア、ABEMAにて地上波同時・最速配信決定!
10月12日(土)より毎週土曜24:00~
その他サイトも順次配信予定