『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』『.言の葉党』レビュー|対立と後悔を背負い、新たな未来のために歩み始める【7連続リリースCD連動企画】
アニメ、舞台、ゲームアプリと、楽曲CDにとどまらず様々なメディアミックス展開でも話題をかっさらっていく『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-(以下、ヒプマイ)』。7作品目の新曲リリースがやってきました。今回もディビジョンごとのシングル、しかも7か月連続リリース!
アニメイトタイムズでは、作品が始まった当初から楽曲のレビューをさせていただいておりますが、今回も編集部の石橋が担当させていただくことになりました。ありがたし……! もちろん、7か月連続で全曲をレビューさせていただきますよ!
連載最終回となる第7回の今回は、2024年12月11日(水)に発売となったチュウオウ・ディビジョン「言の葉党」の『.言の葉党』をレビュー。
言の葉党は東方天 乙統女が失踪したりと、かなり波乱万丈な展開が続いています。しかし、確実に成長を重ねており、心境の変化もあった様子……。彼女たちの今に迫っていきましょう。
【7連続リリースCD連動企画】バックナンバー
画像をクリックすると、関連記事にとびます。東方天 乙統女は畏れない「Mic rewrites the ending」
東方天 乙統女と言えば、登場した当初は本作のラスボスとも言える存在でした。特に中王区の楽曲はどれも統制されたパワーがあって、かっこよさもあるんだけど怖いイメージもありました。
その中でも東方天 乙統女の楽曲は、禍々しいサウンドとは裏腹に冷静沈着なラップで淡々と言葉を伝え続けていて、しかもメッセージが強いんですよ。底が見えない井戸のようなイメージもあって、覗いていたら吸い込まれて落ちてしまいそうな怖さが個人的にはありました。
世の中の状況を自分で見つめ、有栖川 帝統からもらった言葉によって再び奮起した東方天 乙統女。しかも今回はこれまでとは違いました。それが「Mic rewrites the ending」です。
これまでの力強さとは違った後悔や懺悔が歌われています。
<信じる正義に向かって>
<しかし生まれた新たな怨嗟>
<そう幾何の覚悟が抜けていた>
あの東方天 乙統女が後悔を……! 男性を排除し、女性による統治が真の正義と信じてやまない彼女でしたが、そう信じないと前には進めない状況にいたのかも知れません。彼女の本当の目的は、全ての人が幸せな世界だったはず。でも、<救った世界は半分だけ>でした。
そんな自分を鑑み、<私はもう畏れない>と彼女は<新たなステージへ>と進み始めたのでした。
やはりパワーのある彼女ですね。その生き様はタイトルの「Mic rewrites the ending」にあらわれています。直訳すると、「マイクでエンディングを書き換える」という意味。
マイクで世界を変えた彼女は、再びマイクで世界を変えようとしています。しかしそれは、これまでと同じ変化ではありません。<Cutting loose from all the pain inside>という歌詞にあるように、胸に秘めた全ての痛みから解き放たれ、<どの若葉にも 光を注ぐ>世界を目指すのでしょう。
東方天 乙統女がどのようなエンディングを描くのか。最後まで目が離せません。
『ヒプマイ』の重要な曲と言えば彼らが担当!
「Mic rewrites the ending」の作詞作曲を担当したのはinvisible manners。初期は「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」から「Hoodstar」、TVアニメの楽曲まで『ヒプマイ』の歴史には欠かせない存在です。
invisible mannersはこれまで、ももいろクローバーZをはじめ様々なアーティストに楽曲提供を行っています。
また、invisible mannersのオリジナル楽曲も渋くてかっこいいのでおすすめですよ。