音楽
『ヒプマイ』7連続リリースCD『.言の葉党』レビュー

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』『.言の葉党』レビュー|対立と後悔を背負い、新たな未来のために歩み始める【7連続リリースCD連動企画】

 

碧棺 合歓はこれからも「Do the right thing」

碧棺 合歓の楽曲はどこか青春っぽい雰囲気があって若さを感じます。19歳という若さですからそりゃそうなんですが、その若さでは考えられないほどしっかりしているのも彼女の凄さです。

青春っぽい雰囲気はあるんだけど、しっかりと自分の考えを持っており、なおかつそのメッセージは強い。これは言の葉党No.3になってもおかしくはないですよね。

そして、ソロ曲「Independence day」では、兄の碧棺 左馬刻との関係性を感じさせる歌詞も大いに含まれていました。

 

 
「飯炊いて待ってるだけのいい子のまま終わるの?」という歌詞がかっこいいんですよ。碧棺 左馬刻の庇護からの脱却、ということなのでしょう。現に、二人は言い争いをするシーンが多かったように感じます。

しかし、二人のわだかまりはストーリーが進むにつれて解けていきます。ここはお互いに兄妹なんだなぁと思うところで、二人とも自分の信じた道は曲げずに仲直りのような状況に。頑固なのは似た者同士なのでしょう。

そういった心境の変化がありつつ、今回の「Do the right thing」につながっていきます。

 

 
<Do the right thing そうでしょう?  “正しさ”とは押し付けるもんじゃなくて 想像から始まってく 常にFighting poseじゃ終わりないから 未来のためにこうして 投じてくわ言葉で>

自分の正しさを相手に押し付けるのではなく、相手の置かれている状況、感情を想像してあげる。こんなこと言える19歳すごいよね……。考え方が大人過ぎますし、歌詞全体からpeace(平和)やunity(団結)やlove(愛)を感じます。

曲中で語られている対立構造は碧棺 左馬刻、合歓の二人のこととも捉えられると思いますが、『ヒプマイ』の世界全体でも言えることだと思います。

男性と女性の対立という大きなテーマではありますが、因数分解していけば結局は個人対個人に行き着きます。碧棺 左馬刻と合歓のように、お互いのすれ違いも話し合うこと、お互いを理解しようとすることによって、どんな関係でも修復可能なのかもしれませんね。

<LoveとHateは共に生きる運命だ 愛と平和 願いは同じなのにどうして>という部分も良いんです。愛の裏にはどうしても憎しみがチラつくし、同じ思いで戦っていてもすれ違っていってしまうことは誰しもがあることだと思います。

そういった普遍的な悩みや葛藤について、ストレートに歌い上げられるのが碧棺 合歓なんですよね。やっぱり、愛だの何だの言うのってちょっと小っ恥ずかしいんです。でも碧棺 合歓は違う。

だってそう、それが碧棺 合歓の「Do the right thing」なのだから。

 

乗りに乗るメンツが集結!

作詞・作曲はラッパーとしても活動しているASOBOiSM。なんと碧棺 合歓の「Independence day」を作詞作曲したあっこゴリラとも曲を作っています。こういったところでつながっていくのも音楽の面白いところですよね。

 
また、作曲・編曲でクレジットされているNAOtheLAIZAは、今注目のプロデューサーです。

 

 
さらに編曲のRyuichi Kurehaはビルボードでライブを行うアーティストだけでなく、プロデューサーなどでも活躍しているベテランです。

まさに今乗りに乗っているメンバーが集結してできた楽曲と言えるでしょう。

 

新たなマインドを持った言の葉党、彼女たちはどんな未来を掴む……?

言の葉党の3人は想いの芯は変わらず、心境の変化が多かった印象です。しかし、パワーはこれまでにも増して強力になっています。

最後のディビジョンラップバトルは彼女たちにとってどんな舞台になっていくのか。今後の展開も見逃せません。

さらに『ヒプマイ』全体の話で言うと、2月21日に映画公開が発表されています。こちらの展開も気になるところ……!

今回のCDシリーズはキャラクター全員の変化が顕著に出ていたように思います。キャラクターの変化があったとしたら、作品にも変化が出てくるはず。ここからの『ヒプマイ』は何かが起こるんじゃないか……? と思っているのですが、その変化すらもみなさんで楽しんでいきましょう!

 
[文/石橋悠]

 

「.言の葉党」商品情報

タイトル

「.言の葉党」

発売日

12月11日(水)

定価

税抜 ¥2,300

収録内容

M1:「Mic rewrites the ending」東方天 乙統女
M2:「Get Freedom」勘解由小路 無花果
作詞:LUNA 作曲・編曲:FOUX(TOKA)・Seann Bowe
M3:「Do the right thing」碧棺 合歓
作詞:ASOBOiSM 作曲:ASOBOiSM・NAOtheLAIZA 編曲:NAOtheLAIZA・Ryuichi Kureha
M4:Drama Track「Stay Gold」

パッケージ仕様

初回製造分のみスペシャルデジパック仕様

CD封入特典

「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング 言の葉党」@ひの煉瓦ホール(日野市民会館)
CD購入者抽選予約受付シリアル

ヒプノシスマイク〝初〟のファンミーティング詳細はこちら
https://hypnosismic.com/special/hmfanmeeting/

アニメイト特典

ミニフォト3枚セット(各54×86mm)

◆メーカー特典の対象店舗はこちら!

※ディビジョン別7連続リリース各CD共通の特典となり、特典絵柄が各CDで異なります。

アニメイト、ELR Store全巻購入特典

全巻収納BOX

【対象店舗】
アニメイト、ELR Store

※特典内容は予告無く変更になる場合がございます。あらかじめご了承下さい。
※特典はなくなり次第終了となります。
※全巻購入特典については、すべて同一の店舗にてお買い求めください。
※詳しくは各店舗までお問い合わせ下さい。

 

ヒプノシスマイク ディビジョン別CD 7作品連続リリース決定!

商品名/発売日

「.Buster Bros!!!」/6月26日(水)
「.MAD TRIGGER CREW」/7月24日(水)
「.Fling Posse」/8月21日(水)
「.麻天狼」/9月18日(水)
「.どついたれ本舗」/10月16日(水)
「.Bad Ass Temple」/11月13日(水)
「.中王区 言の葉党」/12月11日(水)

定価

税込2,530円
 

収録内容

M1~3:各ディビジョンメンバーソロ曲
M4:新作Drama Track
 
【パッケージ仕様】
初回製造分のみスペシャルデジパック仕様

【CD封入特典】
「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- ディビジョン・ファンミーティング」
CD購入者抽選予約受付シリアル

ヒプノシスマイク〝初〟のファンミーティング詳細はこちら
https://hypnosismic.com/special/hmfanmeeting/

※ディビジョン別7連続リリース各CD共通のグッズ特典となり、特典絵柄がCDごとに異なります。

アニメイト特典

ミニフォト3枚セット(各54×86mm)

※ディビジョン別7連続リリース各CD共通の特典となり、特典絵柄が各CDで異なります。

アニメイト、ELR Store全巻購入特典

全巻収納BOX

【対象店舗】
アニメイト、ELR Store

※特典内容は予告無く変更になる場合がございます。あらかじめご了承下さい。
※特典はなくなり次第終了となります。
※全巻購入特典については、すべて同一の店舗にてお買い求めください。
※詳しくは各店舗までお問い合わせ下さい。

 

『ヒプノシスマイク』作品概要

西暦XXXX年。
第三次世界大戦により世界は人口の3分の1を失った。
人類滅亡を危惧した権力者たちは武力ではなくディベートによる戦争回避を目指したが、
愚かな男たちは武器による争いを止めることはなかった。
そして西暦最後の年──
既存の世界は女性の手により終わりを迎える。

H歴。
人の精神に干渉する特殊なマイク「ヒプノシスマイク」の登場により、戦争は根絶された。
このマイクを通したリリックには人の交感神経、副交感神経等に作用し、様々な状態にする力があるという……。
女性党首率いる“言の葉党“が政権を握り、言葉の力が武力に取って代わった世界で、
男たちはラップで優劣を決するようになった。

H歴3年。
“言の葉党“は拠点を構える中王区にて「ディビジョン・ラップバトル」を主宰する。
優勝したディビジョンは他の領土を獲得できるという確約のもと、

イケブクロ・ディビジョン、
ヨコハマ・ディビジョン、
シブヤ・ディビジョン、
シンジュク・ディビジョン、
オオサカ・ディビジョン、
ナゴヤ・ディビジョン

……など、各ディビジョン代表のMCグループはラップバトルで互いの力を競い合う。

兵器ではなく言葉が力をもつ世界で今、男たちの威信をかけたラップバトルが始まる。

◆公式サイト
◆公式X

【7連続リリースCD連動企画】バックナンバー

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|連載:01
『.Buster Bros!!!』
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1989年(平成元年)生まれ、福岡県出身。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者兼ナイスガイ。アニメイトタイムズで連載中の『BL塾』の書籍版をライターの阿部裕華さんと執筆など、ジャンルを問わずに活躍中。座右の銘は「明日死ぬか、100年後に死ぬか」。好きな言葉は「俺の意見より嫁の機嫌」。

この記事をかいた人

石橋悠
1989年福岡県生まれ。アニメとゲームと某王国とHip Hopと自炊を愛するアニメイトタイムズの中堅編集者。

担当記事

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