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劇場アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』をオススメしたい理由

至上の“師弟愛”がここに! 人と妖精をめぐる物語──劇場アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』をオススメしたい理由

どの場面も愛おしい! 至上の“師弟愛”


 

本作をオススメしたい理由は、ムゲンとシャオヘイの“師弟愛”にもあります。二人がゆっくりと築き上げていく関係はかけがえのないものです。

出会った頃、シャオヘイはムゲンに対して警戒心を抱いていました。無理矢理連れてこられて共に館へと向かうなか、隙を見つけてはムゲンのもとから逃げ出そうとしますが、その度にあっさりと連れ戻されてしまいます。

海上の旅の途中、ムゲンはシャオヘイの持つ珍しい能力に気づいて修行をつけることを提案。この頃から二人の心の距離が縮まっていきます。シャオヘイは反発しながらも修行に励み、ムゲンに少し心を許すように。

ムゲンは完璧に見えて不器用な一面があったり、冷淡なようで実は温かい情を持っている人。シャオヘイと一緒に過ごすなかでいろんな表情を見せており、ムゲンがたまに笑ってくれると見ているこちらも嬉しくなります!

 

 

シャオヘイには道を間違えてほしくないという親心のような心配も。ムゲンは自分の思想を押し付けるわけではなく、まだ世間のことをほとんど知らない幼いシャオヘイにいろんなものを見せてあげて導いていきます。

お互いに歩み寄っていく過程が心情と併せてすごく丁寧に描かれているので、どの場面も全部大切で愛おしい。いつの間にか、もうどこからどう見ても“師弟”なんです。

あんなに敵対心を剥き出しにしていたシャオヘイの気持ちの変化、多くは語らないけどシャオヘイのために感情をあらわにし、そして優しい目をするようにもなるムゲンの姿に胸がいっぱいに。

シャオヘイの願いを尊重するムゲンの優しさも愛情であり、シャオヘイが見つける居場所も愛に満ちていて、ラストは何度観ても号泣してしまいます。

 

 

興奮と爽快感を得られる圧巻のバトルシーン

 

『羅小黒戦記』は手描きによるハイレベルな作画も魅力。そして圧巻のバトルシーンは観る者に興奮と爽快感を与えてくれます。その中でもやはり“最強の執行人”と恐れられるムゲンのアクションシーンは目を奪われる格好良さ!

普段は静かな佇まいで時に可愛らしさも見せるムゲンですが、戦闘となると超高速の移動や攻防を繰り広げるので、そのギャップもたまらなく刺激的。達観した無駄のない動きが素晴らしいです。

他の執行人たちの処理能力も凄まじく、その仕事ぶりは息を呑む速さ。彼らの見事な連携は見ていて気持ちがいいほどです。

 

劇場アニメ『羅小黒戦記』無限登場シーン

『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』本編特別映像【アクションシーン】

 

シャオヘイ、ムゲン、フーシーを通して普遍的なテーマを描く

 
シャオヘイの視点だと物語の冒頭においてフーシーは味方であり優しい存在、突如として現れたムゲンは敵であるかのような存在にも映っていました。けれど、物語が進むにつれてその印象はガラリと変わっていきます。

ムゲンとフーシーが相容れない関係であることは明確ですが、ここに至るまでの人間と妖精の関係や双方の思いは複雑です。彼らの確執は今に始まったことではなく、ムゲンはフーシーの動きを以前から警戒していました。

ムゲンは人間と妖精は共存するしかないと考えていますが、フーシーも人間との共存を最初から否定していたわけではなく、長年人間を見てきてやりきれない思いを重ねた末に我慢の限界へと到達しています。

あまりにも身勝手な人間のせいで自然は壊され、妖精たちが居場所を失っているのも確か。妖精側がひっそりと生きなければならないなんて理不尽です。

フーシーの苦悩に胸が痛くなりますし、辿り着いた答えや思想が間違っているとは言い切れない難しさも。しかし、目的のために手段を選ばなくなってしまうことが許されるわけではありません。

 

 

一方でムゲンは、考えるべきことはとっくに考え尽くして答えを出した上で行動しています。

シャオヘイもまたフーシーと同じく人間を嫌悪しているわけですが、ムゲンと旅をして世の中を見ていくうちに、人間と妖精の関係は単純に善悪で判断できるものではないことが見えてくるように。人間=敵とは限らないし、どの世界にも色んな人がいるのだと学んでいきます。

この作品はシャオヘイが鍵にもなっていてムゲンにもフーシーにもなり得る存在だと言えますが、シャオヘイは二人の思いに触れた上で、自分の進むべき道を見極めて選択していきます。

普遍的なテーマが浮かび上がる『羅小黒戦記』。観る人によってさまざまなメッセージを受け取れる作品だと思いますし、きっと心に残るものがあるはずです。

 

 

外伝『藍渓鎮』もおすすめ

 
『藍渓鎮』は『羅小黒戦記』の外伝(木頭原作・孫呱作画)。日本語版が第1巻〜第4巻まで、KADOKAWAより刊行されています。外伝はWEBアニメおよび映画版の約400年前の世界を舞台とした、清凝(チンニン)、老君(ロウクン)、玄離(ゲンリ)をめぐる物語です。戦で故郷を失った少女・清凝は神仙の老君に助けられ、彼が導いてくれた“藍渓鎮”へ──。

老君は自らの霊域“藍渓鎮”の中で暮らしている妖精で、WEBアニメに登場しているキャラクター。映画版でも“ロウグン”や“ゲンリ”といった『藍渓鎮』のメインキャラクターの名前が登場しています。

そして嬉しいことに『藍渓鎮』には無限(ムゲン)の姿も。『羅小黒戦記』がお好きな方は、こちらの外伝もぜひ読んでみてくださいね。

 

〈あらすじ〉
戦乱の時代――戦で故郷を失った少女清凝は、不思議な青年老君に助けられる。
彼が導いてくれた場所「藍渓鎮」。
居場所を無くした人々が安らかに過ごす街で清凝は老君の弟子になることを決意するが……。

人と仙人と妖精たちが入り乱れる「羅小黒戦記」外伝日本語版、ここに開幕!

(公式サイトより引用)

 

 

劇場アニメ『羅小黒戦記』はどこで観れる?

『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』劇場版・TV放送版は、2023年8月をもって全プラットフォームでの配信が終了となりましたが、一部劇場でのリバイバル上映なども決定しています。お近くの方やお時間のある方は劇場で楽しむのもオススメです。

また、Blu-ray &DVDも発売されていますので、ぜひチェックしてみてください!

 

『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』上映情報

◆塚口サンサン劇場
2024年12月27日(金)より2週間限定上映

 

◆チネチッタ
〈ザウンドレボリューション 2024-25〉
『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』は2025年1月4日(土)に上映

 

アニマックスにて放送

放送日:2025年2月22日(土)

 

『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』Blu-ray&DVD

 

数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。

この記事をかいた人

藤崎萌恵
数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。

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『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』作品情報

羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来

あらすじ

人間たちの自然破壊により、多くの妖精たちが居場所を失っていた。森が開発され、居場所を失った黒猫の妖精シャオヘイ。そこに手を差し伸べたのは同じ妖精のフーシーだった。フーシーはシャオヘイを仲間に加え、住処である人里から遠く離れた島へと案内する。その島に、人間でありながら最強の執行人ムゲンが現れる。フーシーたちの不穏な動きを察知し、捕えにきたのだ。戦いの中、シャオヘイはムゲンに捕まってしまう。なんとか逃れたフーシーたちはシャオヘイの奪還を誓い、かねてから計画していた「ある作戦」を始める。一方、ムゲンはシャオヘイとともに、人と共存する妖精たちが暮らす会館を目指す。シャオヘイは、新たな居場所を見つけることができるのか。そして、人と妖精の未来は、果たして――

キャスト

シャオヘイ:花澤香菜
ムゲン:宮野真守
フーシー:櫻井孝宏
シューファイ:斉藤壮馬
ロジュ:松岡禎丞
テンフー:杉田智和
シュイ:豊崎愛生
ナタ:水瀬いのり
キュウ爺:チョー
館長:大塚芳忠
花の妖精:宇垣美里(特別出演)

(C)Beijing HMCH Anime Co.,Ltd

 

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