元気の源で在り続けるアルバムになっていたら嬉しいです――『プリキュア』と共に進んできた軌跡を詰め込んだベストアルバム『“えがおのおくりもの”』に向けて|吉武千颯さんインタビュー
『スター☆トゥインクルプリキュア』でプリキュアシンガーとして鮮烈なデビューを果たし、以降もシリーズの顔として、さまざまなお歌を届けてきた吉武千颯さん。その活動の集大成とも言えるベストアルバム『“えがおのおくりもの” 〜Chihaya Yoshitake Precure Song Best〜』が12月25日(水)に発売されます。
本作には全18曲を収録。『トロピカル〜ジュ!プリキュア』や『デリシャスパーティ♡プリキュア』などのエンディング主題歌はもちろん、最新シリーズ『わんだふるぷりきゅあ!』のオープニング主題歌も収録。そして、今回新たに書き下ろされた2曲の新曲も加わり、ファンとともに歩んできた吉武さんの軌跡と未来を感じられる作品となっています。新曲では初となる作詞にチャレンジ。プリキュアシンガーとして、ひとりのアーティスト・吉武千颯も、そのどちらの魅力も詰まった1枚になっています。きっと、皆さんにとっての最高のクリスマスプレゼントになるはずです。
アニメイトタイムズでは2回に分けて吉武さんのインタビューを公開します。まずお届けするのは、10月12日(土)、KT Zepp Yokohamaにて行われた『わんだふるぷりきゅあ!LIVE2024 FUN☆FUN☆えぼりゅーしょん!』が終わってから程ないタイミングで行われたインタビューです。
同席されていた『プリキュア』シリーズの音楽プロデューサー・ディレクター井上 洸さんのお話もうかがっています。吉武さんがよりかがやけるようにと、お歌の活動をサポートしてきた井上さんならではの言葉にもぜひ注目してください。
また、10月上旬に行われた新曲レコーディング現場にて作家の馬瀬みさきさんとの対談も敢行しています。アルバム発売日後の公開となる予定です。楽しみにしていてくださいね。
『わんぷり』らしい温かな空間に
──まずは2024年10月12日(土)、KT Zepp Yokohamaにて行われた『わんだふるぷりきゅあ!LIVE2024 FUN☆FUN☆えぼりゅーしょん!』の感想を教えて下さい。
吉武千颯さん(以下、吉武):私にとっても初めての経験がたくさん詰まったライブになりました。『プリキュア』シリーズのライブは、それぞれ違うカラーがあるので、私も「どんなライブになるんだろう?」とワクワクしながら迎えましたが、まさに『わんぷり』らしい、あたたかくて優しい世界が広がるライブになったと思います。たくさんの発見があって、もちろんすごく楽しかったですし、全力でパフォーマンスできたので達成感もあります。ただ、その中でも反省点もいくつか見つかって。今回のライブを通して自分の課題が見えたので、今後にしっかり活かしていきたいな、「頑張りたいな」と感じたライブになりました。
──幕開けは吉武さんの予想通り、「わんだふるぷりきゅあ!evolution!!」となりました。「絶対に緊張する!」とリレーインタビューでもお話していて。当日もそのことについてお話する一幕がありましたが、実際のところいかがでしたか。
▼インタビューはこちら
吉武:昼公演も夜公演もすごく緊張してしまって、特に昼は息を吸うタイミングを忘れてしまうくらいでした(笑)。それで息が足りなくなってしまった場所もあって「落ち着け落ち着け!」って自分に言い聞かせていましたね。
でも、今回はひとりきりで歌うのではなくて、『わんぷり』のテーマもあって、最初のワンフレーズをみんなで歌うことができたのもとても心強かったです。私の隣にいたあみちゃんも、「大丈夫、大丈夫」とおまじないのように励ましてくれて、それで少しずつ落ち着きましたね。幕が下りる前のカウントダウンの時まで、緊張でふーふー言ってたので(笑)、ずっと「大丈夫、大丈夫!」と声をかけてくれていました。
──石井さんが吉武さんにおまじないをかける!とおっしゃっていましたが、実現したんですね!
▼石井さんのインタビューはこちら
吉武:そう、ちゃんとかけてくれました!(笑)本当にギリギリまで「笑って笑って!」ってずっと声をかけてくれて、それがとても嬉しくて泣きそうになりながらも「ここは泣くところじゃない!」って、必死に前を見て切り替えていました(笑)。
でも、幕が下りた瞬間、ファンの皆さんのペンライトや、みんなの顔を見た瞬間にバチンと気持ちが切り替わって、すごくいいスタートを切れたと思います。ライブで吸収できるものって本当に多いんですよね。今後に活かしていきたいことが、本当にたくさん見つかりました。このような経験をさせてもらえたことに、スタッフの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
──吉武さんが登場し歌い始めた瞬間、近くにいた小さなお子さんたちが前のめりになって見ている姿が可愛くて、印象的でした。
吉武:えーっ、うれしい〜! 2階席に小さなお友だちが来てくれている姿が見えていたんです。プリキュアの格好をしてきてくれている子もいて、すごく嬉しかったです。『わんぷり』らしい温かな空間だなと感じていました。
──キャストの皆さんもですが、プリキュアシンガー同士のキズナも改めて感じました。北川理恵さんもおっしゃっていましたが、その関係性というのがまさに歌に溢れていましたね。
吉武:プリキュアシンガーの皆さんと一緒にいると、そのたびにここにいられることの幸せを感じるというか。本当にそれくらい、素敵な関係性だなって思います。長い時間を共にする中で、細かいことを言わなくても自然と通じ合える部分が増えてきているのも嬉しいです。それは『プリキュア』を見て感じてきたものがみんな一緒だからこそ、そういう手の取り合い方なのかもしれません。同じものを見て、同じように想いを受け取って、その感じ方がたとえ違ったとしても、目指すものは同じなわけで。それってプリキュアたちの関係性や考え方と似ているところがあるように感じています。プリキュアシンガー、いいなあって。現場に行くたびに「この関係性、ずっと続いて欲しい……! 私はこの居場所が大好き」って思います。自分が自分らしくいられるし、自分のことを好きでいられる場所だなあって。
──アニメイトタイムズで行ったライブに向けてのリレーインタビューでは、皆さんの吉武さんに対する愛も改めて感じました。
吉武:本当に嬉しかった。特に理恵さん、Machicoさんのインタビューを読んで泣いてしまいました。理恵さんのインタビューを読んだのは、『わんぷり』ライブのリハ終わりの電車の中だったんです。もううるうるでした(笑)。
──ライブのオープニングを担うという大役もあった中で、北川さん、お姉さん的な存在のMachicoさんが一緒にいてくれたのは、やはり心強かったのではないでしょうか。
吉武:めっちゃくちゃ心強かったですね。本番前も「大丈夫、いけるいける!」って声をかけてくれて。その声のかけ方がまた違うんです。心配がないというか、ふたりに大丈夫と言われたら大丈夫な気がする、という気持ちになれる。やはりそういう存在なんですよね、あのおふたりは。
おふたりに見守っていただいている中で、はじめての経験をできたというのはありがたかったです。今回のライブでは、私がステージに出ていない時、モニターでおふたりのステージを見ていて、「やっぱりすごいな」と感じる場面がたくさんありました。これからも背中を追いかけながら、私らしく成長していきたいと思います。そして、後輩のふたりも引っ張っていけるよう、頑張っていきたいです。
──それこそ「デリシャスパーティ♡プリキュア LIVE 2022 Cheers!Delicious LIVE Party♡」のあとにこういったタイミングで、Machicoさんにお話をうかがいましたが、1日目のライブで反省点があって公演が終わったあとに翌日に向けて何回も映像を見返したという話をしていましたね。
▼ベストアルバム『Machico♡プリキュアのうた!』インタビュー記事
吉武:同じタイミングだったんですね!
──確かその時も、こうして井上さんが横で頷いていた記憶があります。
井上 洸さん(以下、井上):懐かしいですね。Machicoさんにも吉武さんにも、期待値も込めて、厳しめに評価をしているところがあります。吉武さんにはリーダー的な役割も経験してもらう予定なんです。吉武さんにとって『プリキュア』のステージは特別な場。ここで得た経験が次の活動につながる大事な糧になると思います。
吉武:直接フィードバックをいただけるのは本当にありがたいです。自分の成長のためにも、今後も大切に受け止めていきたいと思います。
──ところで、「Happy≒Future」(『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』エンディング主題歌)の振り付け、とっても可愛かったですね! 〈ヒザのまわりガクガクする 〉の膝の動きがすごかった!
吉武:(笑)かわいいですよね! 嬉し〜。振り付けがかわいすぎました。