
「ファーストライブという夢を一緒に叶えてくれて、本当にありがとうございます。ここからが始まりだと思って、大切に歩んでいきたい」 軌跡を進んでいく<吉武千颯 1st LIVE Blooming Start>ライブレポート
木々が芽吹き、爽やかな風が舞い込む季節に、プリキュアシンガーとしての活躍に加え、『ヒーラー・ガール』矢薙ソニア役、『ラブライブ!スーパースター!!』聖澤悠奈役など、声優としても活躍中のアーティスト・吉武千颯さんが、自身初のワンマンライブ<吉武千颯 1st LIVE Blooming Start>を開催した。
昨年秋、ゆずの北川悠仁氏とギタリストの佐々木“コジロー”貴之氏が共作した「Hajimariの合図」(TVアニメ『週刊ラノベアニメ』オープニング主題歌)で、華やかなソロアーティストデビューを飾った吉武さん。3月28日(土)に東京・時事通信ホール、翌29日(日)に大阪・ABCホールで行われた本公演のうち、自身の誕生日当日の28日夜公演の模様をレポートする。
予想外の出来事もチカラに
タイトルの「Blooming Start」は「咲き始める」「輝き始める」といった意味。そこには「1stライブという“始まり”の瞬間を大切にしながら、ここから先の未来へ向かって、さまざまな色や形の花を音楽や表現を通して、届けていきたい。そして、その一つ一つを、皆さんと一緒に咲かせていきたい」という、吉武さんの想いがある。そうしたコンセプトは、緑、花、リボンといったモチーフを散りばめたロゴやビジュアルにも色濃く表れていた。
そして当日、その“始まり”の瞬間をともに迎えようと、多くのファンが会場に集った。中には『プリキュア』シリーズを通じて彼女を知ったであろう親子や、公式ソングアンバサダーを務める「もちにゃん」のぬいぐるみを手にした来場者、この日のライブグッズだけでなく、これまでのグッズを身にまとった観客の姿も。そうした一つひとつが、これまでの活動の軌跡を物語っていた。
開演前、機材トラブルによりステージには吉武さん本人に加え、井上洸プロデューサー(ABCアニメーション)、この日のバンドメンバーであり公私ともに親交のある馬瀬みさきさん(Key.)、小林ファンキ風格さん(Gt.)が登場。突発的な状況のなかでも笑いを交えながら場をつなぎ、グッズ紹介なども織り交ぜつつ空気を温めていく。自画像をもとにしたイラストグッズの制作背景を語る場面では、「5歳のときに描いた?」と馬瀬さんから鋭いツッコミが。すでに身につけている来場者の姿に「なんで(トレーディングチェキ風カードの表側の)私の顔を伏せて、その裏側にある私のイラストを並べてバッグを作ってるの?(笑)」、「早速チェキカードケースに入れてくれてる、ありがとうございます」と声をかけるなど、観客との距離の近さも印象的だ。その一方で、小さなお子さんたちへの気遣いも忘れない。そうした柔軟な対応力とトーク力は、数々のイベントを重ねてきた彼女ならではのものだ。また、予定外の展開にも前向きに応えるファンの存在もあって、一体感はいっそう強まっていく。だが、この日のライブは決して「トラブルを乗り越えた公演」という一言ではまとめられない。むしろ、その出来事すら軽い前置きになるほどに、ステージそのものが充実していた。まさに、ソロアーティストデビュー曲の一節にある〈輝きに変えてみせる いつだって笑顔で〉を体現するかのような、吉武千颯のしなやかな強さが光った。
いよいよ幕が上がり、デビュー曲「Hajimariの合図」のイントロが響けば大歓声。キュートでみずみずしい歌声に呼応するように、ハンズクラップやコール、腕を掲げる動きが広がっていく。それに応えるように吉武さんも力強く腕を振り上げ、ボリュームたっぷりのピンクのミニドレスが軽やかに揺れ動く。さらに、初めてオープニング主題歌を担当した『わんだふるぷりきゅあ!』より「わんだふるぷりきゅあ!evolution!!」を披露。客席ではピンクのペンライトを振ったり、全力でジャンプしたりと、“仲良しパワー”が無限大に降り注いでいく。
はじめてばかりの日々を歌で振り返る
挨拶もそこそこに、「ユメ♡pallet」と「星座のチカラ」を連続で披露。前者はベストアルバム『“えがおのおくりもの” ~Chihaya Yoshitake Precure Song Best~』のオープニングを飾る、吉武さんが作詞を、馬瀬さんが作曲を手掛けたカラフルなナンバー。後者は『映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』の挿入歌としても知られるこの楽曲は、吉武さんと馬瀬さん、さらに井上プロデューサーにとっての“出会いの一曲”。その特別な意味合いも相まって、きらめく背景映像はいっそう鮮やかに輝きを増しているように見える。こうした“始まり”の楽曲たちが序盤を彩っていたのも印象的であった。
「本当に嬉しい。みんなと星座コールできてもう思い残すことないかも」と噛みしめるようにつぶやいたのは馬瀬さん。ここで一度吉武さんがバックステージへと戻り、馬瀬さんと小林さんがトークを展開。「あまりファンの方にフォーカスしすぎるのはよくないかもしれないけど、お客さんが面白すぎない? 感動した。もはや演者だよね」(小林)、「本当に面白い、すごい」(馬瀬)と観客の反応に触れながら、公私ともにパートナーであるふたりの掛け合いに、和やかな空気に包まれていく。しかしそれもつかの間(!?)、馬瀬さんが「私のコーナーをやってもいいですか?」と、自身が作曲したTVアニメ『トロピカル〜ジュ!プリキュア』前期エンディング主題歌「トロピカI・N・G」を演奏。
モニターにダンスMusicVideoと歌詞が映し出され、「歌わないとちーちゃん出てこないよ!」という呼びかけにより大合唱が巻き起こる。観客の声がひとつに重なり、ステージと客席が一体となってライブを作り上げていくなかで、ラストのサビを迎える直前に花やリボンが散りばめられた白いドレスに身を包んだ吉武さんが登場。「せーの!」と呼びかけ、歓声がさらに広がり「ビクトリー!! 」と笑顔を見せた。その後は、公式ソングアンバサダーを務めるもちにゃんの楽曲「Happy 2gether」へ。心をやさしく包み込むようなハートウォーミングな楽曲だからこそ、生のサウンドが優しく響いていく。




































