“歌いながら戦う”新たなプリンセス誕生! TV アニメ『プリンセッション・オーケストラ』制作発表会レポート|本作のこだわりから注目ポイントを紐解く!
戦闘中の歌は、シチュエーションに合わせて毎回アフレコで収録
次のテーマは、音楽の魅力について。
本作は音楽にも強いこだわりがあり、諏訪プロデューサーや菊田さんによると“アフレコで歌う”という前提があったため、それに合わせた作り方をしたとのこと。そのため『戦姫絶唱シンフォギア』でのノウハウやアウトラインがあったとはいえ、事前に相当ディスカッションを重ねており、“熱くて格好いい”をキーワードに「改めて勝負をしたい」という想いで作ったと振り返りました。
また「この作品が誰かの原点になるといいな」との思いも口にした菊田さん。諏訪プロデューサーも「普遍的なもの、子供のときに聴いても大人になって聴いても格好良くて素敵だと思うものを作ろう」が根幹のコンセプトにあったことを明かしていました。
トーク中に触れていたように、大きな特徴として注目したいのは“戦闘中の歌は毎回アフレコで歌っている”こと。
変身バンクにしろ、必殺技にしろ、歌にしろ、やろうと思えば“使いまわし”が可能なところではあります。限られたリソースの中、クオリティをアップするため敢えてそうする場合もあるかもしれません。
しかし本作では、エピソードや戦闘のシチュエーションに合わせて「ピンチな感じ」「余裕を持って戦っている感じ」というように、ニュアンスを変えて毎回アフレコで歌っているとのこと。
かなり大変だったことは想像に難くないですが、キャスト陣は「大変よりも楽しい」「なかなかできない貴重な経験」と、苦戦しつつもそれを楽しんでいると話します。
しかも、最初のうちに苦戦することは、劇中でのプリンセスたちの成長物語とリンクする部分。「うまくいかなくても気にしなくていい」との菊田さんの言葉を受けて、キャストの3人は今後もがんばりますと意気込んでいました。
音楽関連でいえば、発表会後半に明らかとなったオープニングテーマも注目です。
楽曲タイトルは「ゼッタイ歌姫宣言ッ!」。作詞・作曲を上松範康さん(Elements Garden)、編曲を菊田さん(Elements Garden)が担当する激強布陣による1曲となっています。
「ゼッタイ歌姫宣言ッ!」は最初に作った楽曲で、本作の象徴になるものを作りたかったとのこと。「ッ」にもインパクトがあり「とにかく熱いパッションを持った曲」と菊田さん。
キャスト陣は楽曲を受け取ったときの印象として「衝撃でした」「格好良くもあり可愛らしい部分もある」「曲の冒頭を聞いた瞬間に鳥肌がたったので、早くフルで聴いてもらいたい」などと印象を語っていました。オープニングで流れる曲のイントロは本当に熱かったので、ぜひ楽しみにしていてください。
歌うのはキャスト3人が演じるプリンセスたちによるユニット「オルケストラ」。このユニット名は、なんと3人が考えたとのこと。
由来は、オーケストラの語源「オルケストラ」と歌の象徴である「カナリア」。この2つを組み合わせて「オルケストラ」という名前が生まれたそうです。さまざまな国の辞書を渡されて会議室で考えたそうで、なにもないところから作ることの難しさを振り返っていました。
オーディションでそれぞれインパクトを残したメインキャスト
話題は、キャストオーディションについても及びました。“歌いながら戦う”作品なだけに、オーディションでは演技だけでなく歌唱もあったとのこと。そして、テープオーディションに続くスタジオオーディションにおいて、この3人は「すごくインパクトがあった」と諏訪プロデューサー。どんなインパクトだったかは3人それぞれ違っていて、それを明かしてくれました。
スタジオオーディションのトップバッターだった葵さんのインパクトは、「歌がものすごく“ズレて”いたこと」。歌唱自体は上手いのになぜかズレていたそうで、なぜそうなってしまったのか葵さんから語られました。
葵さんは、ヘッドホンから聴こえる音などの切り替えをするボタンがわからず、いわゆる“返し(自分の声や伴奏)”が聴こえないまま、ヘッドホン越しに聴こえるわずかな自分の声を頼りに歌ったのだとか。その話を聞いて、逆にそれでよく歌えたねと驚く声があがります。それでも懸命に歌っている姿はすごくインパクトがあり「みなもっぽいね」とスタッフ陣は思ったとのこと。
藤本さんのインパクトは「シャドーボクシング」。オーディションで歌ってもらう際、特に具体性を伝えずに「戦う感じでお願いします」とリクエストしたところ、シャドーボクシングを始めた藤本さん。
歌自体も抜群に上手かったとのことですが、その表現は目からウロコだったみたいで、そういったギャップはかがり(ジール)とシンクロしていると思ったと諏訪さんや菊田さんが明かします。それを聞いた藤本さんは「シャドーボクシングをやってよかったです」と笑っていました。
もともとオーディションではリップルを受けていたという橘さん。同じように「戦いながら歌う感じ」をリクエストしたところ、歌の途中でダメージを受けた感じを表現して、そのパターンもあるのかとスタッフ陣を驚かせたそうです。企画原案の金子彰史さんも「リップルの引っ込み思案な感じではないが、ミーティアがいいのではないか」と思ったとのことでした。
そんな三者三様のオーディションで選ばれた3人。実際のアフレコではどのような演技を見せてくれるのか、どういった役作りをしているのか楽しみです。
ちなみに3人はすでにとても仲が良く、お泊り会もしたとのこと。年内にまたする予定らしく、チームワークはすでに抜群。ストーリー展開と合わせてチームワークにも注目したいポイントといえます。
サポートキャラや敵のキャラには豪華キャストが勢揃い
発表会では上記で触れたオープニングテーマ以外にも「キービジュアル」「追加キャスト」「放送情報」といった新情報が解禁となりました。
キービジュアルは葵さんらキャスト3人もこの場で初めて見たそうで、映し出された瞬間、大興奮。諏訪プロデューサーによると「めちゃくちゃ美しくて格好いい」がコンセプトであり、プリンセスたちがなにを司って戦っているのかがしっかり表現されているとのこと。よく見ると背後には怪しい人影もありますし、ぜひ細部までチェックしてもらいたいところ。
さらに、みなもたちプリンセスを導きサポートするアリスピアン・ナビーユや、プリンセスと対峙する敵のリーダー格である4人を演じるのは豪華キャスト陣。
まず、ナビーユを演じるのは下野 紘さん。下野さんはオーディションではなく指名でお願いしたそうで、メインキャラを演じる3人をはじめとする若いキャストをアフレコでも引っ張ってくれる方として、大沼心監督を含め満場一致で決まったのだとか。実際にアフレコ現場でアドバイスをくれたり、ツッコんでくれたり……本当に頼りになる存在だと3人が話していました。
敵のリーダー格を演じるのは、小林千晃さん(カリスト役)、千葉翔也さん(ギータ役)、榎木淳弥さん(ベス役)、武内駿輔さん(ドラン役)。
名前を見ただけでも楽しみですが、結構アドリブも多いといいます。諏訪プロデューサーが「役者のクリエイティブをなるべく尊重したい」と話していたように、そのアドリブによって当初はもっと悪いキャラにする予定だったものが人間味あふれるキャラクターになったそうです。
葵さんたちも「ブースにいてくれるだけで心強い」「勉強になる」「こんなアドリブを、ここでいれるんだ(と思いました)」「笑いをこらえなくちゃならないアドリブが満載」などと話していましたが、その一方で戦闘シーンになるとピリッとさせるのはさすがだったとのこと。
気になる放送情報は日曜の朝、いわゆる「ニチアサ」。この時間帯の変身ヒロインものは特別な存在であり、キャスト陣は「憧れのニチアサ」「信じられないです」と感激した様子。これを見ていた子どもたちが大人になり「あれ懐かしいね」と言ってもらえたら嬉しい、といった夢も語っていました。
ニチアサにするのはスタッフとしても挑戦的なところがあったようですが、Elements Gardenやキングレコードがこれまで培ってきた最も勝負のできるストロングポイントを日曜の朝に、といったところもコンセプトとしてあったと言います。来年の4月から、ニチアサのラインナップがさらに充実することになりますので、楽しみに待ちたいです。
変身アイテムやコスチュームにキャストも大興奮
発表会の最後には、玩具開発担当であるタカラトミーの五十嵐さんが登壇し、本作のおもちゃ展開についても紹介しました。
商品のCMは女児向けアニメでよく見かける、小さな子がおもちゃで変身するタイプのもので、本作のおもちゃに対する本気度がここからも伺えます。
プリンセスに変身するときに使う変身アイテム「ジュエルベル」や、変身した衣装「プリンセスコスチューム」、ジュエルベルがちょうど入る大きさの「ナビーユフェイスポーチ」、各主人公とナビーユの「ぬいぐるみ」、自分が好きな組み合わせで推しのキャラクターのチャームを作れる「ミルフィーチャームショット」といった実物がステージに登場し、キャスト陣は大興奮。「持って帰っていいですか?」と本気で欲しがる様子も。
商品の詳細はこちらのページをご確認ください。
https://princess-session.com/goods/
以上で発表会は終了。PVや詳細な説明、商品などはぜひ公式サイトや公式SNSなどでご確認いただき、来年4月の放送を楽しみに待ちましょう!
発表会アーカイブ動画
[文・千葉研一]
作品概要
あらすじ
そこには楽しいことが大好きな住民アリスピアンたちが暮らしていたが、いつしか謎の怪物ジャマオックが現れるようになり、穏やかだったアリスピアの平和は、少しずつ脅かされるようになっていった。このままではアリスピアからキラキラとした輝きが失われてしまう――。
そんなピンチにあっても、胸に歌を忘れない『プリンセス』たちの冒険を描いた物語。
勇気と元気がたくさん詰まった、ポップソング・ファンタジア――プリンセッション・オーケストラ!
キャスト
(C)Project PRINCESS-SESSION