エネルギッシュな主人公・要に振り回されるサブローは、妹を見守る兄のよう!? 『RINGING FATE』花澤香菜さん&梅原裕一郎さんインタビュー|二人の過去と、絆を深めながら戦っていく姿に注目してほしい
『時光代理人 -LINK CLICK-』のリ・ハオリン監督が手掛け、2025年1月8日(水)より放送開始となるオリジナルアニメ『RINGING FATE』。
物語の舞台は、生と死の狭間にあるという世界「崆(くう)」。その世界では、メカを操縦して戦う「運命のリング」があり、優勝者には生き返るチャンスが与えられます。記憶喪失の少女・要(かなめ)は、崆で悪名高い謎のメカ・サブローと出会い、ともに戦うことを決意。記憶と未来をかけた、二人の戦いが始まります。
放送開始を記念し、要役の花澤香菜さん、サブロー役の梅原裕一郎さんにインタビューを実施! 作品の印象、キャラクターの魅力、要とサブローの関係性などを伺いました。
コミカルさ・かわいさがありながら、バトルやシリアスな要素もある、さまざまな魅力が詰まった作品
──まずは、作品の印象をお聞かせください。
花澤香菜さん(以下、花澤):途中でたびたび意外な映像が入ってきて、今までのアニメではあまり見たことがない演出だったので、とても驚きました。
梅原裕一郎さん(以下、梅原):日本のアニメではなかなかないですよね。
花澤:いきなりカンフーのおじさんが登場してきて、「!?」って(笑)。あと、バランスよく緩急がついているので、観ていて飽きないなと思いました。
梅原:バトル要素や転生要素など、いろいろな要素が組み合わさった作品だなと。作品全体としてはコミカルでかわいらしいキャラクターたちが動いているなか、急にシリアスになったりと緩急が1話ごとでついていますし、外見はかわいいけれど、後ろに深いドラマが流れているんじゃないかなと感じました。
花澤:(取材時点で)まだ収録途中ですが、謎が多いんですよね。さっきの意外な映像の意図や意味をまだ教えてもらっていないので、今後が楽しみです。
──ご自身のキャラの回想なのか、過去なのかわかりませんが、演出の意図が気になりますよね。
梅原:そうですね。サブローは前世が何だったのか、人間だったのかさえもわからない状態で。キャラクターによっては(前世が)人間ではない場合もあるみたいなので、これから楽しみだなと思う反面、知るのが怖い部分もあります。サブローはきっと何か罪を犯している気がするので。
花澤:今後、生前のキャラも私たちが声をあてるはずなので、それがどうなるのか。難しいところでもありますね。
──設定などで驚いたところはありますか?
花澤:要は記憶を取り戻すために戦いますが、彼女の中にある「乾(かん)」の存在も重要で。生前で徳を積んだ人は多く、悪いことをした人は少なくなっています。
また死後の世界を描いた作品はたくさんありますが、「運命のリング」での対戦で勝利することで記憶を取り戻し、負けると記憶を少しずつ失っていくというのは斬新でした。
梅原:画作り的な面では、緻密なCGの中に、アニメーション的な表情変化とか、我々になじみ深い日本のアニメっぽい演出が散りばめられていて、3次元的なCGと2次元がうまく融合しているなと感じます。
花澤:目の表情が豊かですよね。シュッと簡単に描けそうな目になったり、映像が切り替わる滑らかさがとっても素敵だなと思って見ていました。要ちゃんでいうと、動きがとってもかわいらしくて、じっと何もしていないときがないんですよね。いつも何かに興味を持って動き回っている描写がかわいいし、(スタッフさんの)愛情を感じます。
──バトル中に要が攻撃を受け吹っ飛ばされたときに、目の表情が短時間のうちに何十回も変わったシーンはすごいなと思いました。
花澤:すごいですよね。あとおねだりするときの目がキラキラしているところとか、とても細かいです。
──要たちがアーマーを装着したときのメカの描写も精密でカッコいいですね。
梅原:重厚感がすごいですよね。キャラクターたちがほわほわしている分、それとは真逆の機械感があるメカとの組み合わせも、ギャップがあっておもしろいなという印象を受けました。
エネルギッシュな要に振り回されるサブローは、妹を見守る兄のよう
──ご自身の演じるキャラクターの印象と、演じる際に意識した点をお聞かせください。
花澤:要ちゃんを演じるときに意識したのは、「とにかくかわいく」です。少女のかわいらしさがあるけれど、それだけではなく、「絶対に私は生き返って記憶を取り戻すんだ」という強い意志を持っていて。また、他のキャラクターと話しているといろいろな面が出てきて、ちょっとずるがしこいところがあったり、悪い顔をすることもあるので、表情がコロコロ変わって見ていて飽きない子だなと思います。
要ちゃんがどう記憶を取り戻すのかに触れたシーンではシリアスになりますね。アフレコが終わるといつもヘトヘトになります。あの子、ずっとしゃべっているし、よく動いているので(笑)。
梅原:サブローは要とデコボココンビみたいな感じで、冷静沈着なキャラクターではあるけど、会話の中でギャグっぽいシーンになると勢いよくツッコんでみたり、イジられる部分もあって。「ただ冷静なだけ」ではない部分は大切にしたいなと思いました。
あと、ヘルメットのときと人間の姿のときで雰囲気を変えたいなと。要がかわいらしい小さな女の子だとしたら、サブローは彼女を見守るお兄さんのような、少し年上の精神感のほうがいいのかなと思ったりしていました。
──サブローの右耳に「S」と書かれていて、何か深い意味があるのか、あるいは単純にイニシャルなのか、気になりました。
梅原:そこまで気にして見ていませんでした。もしかしたら何かの伏線かもしれないし、まったく関係ないのかもしれないし……。今度からそこも気にしながら見てみたいと思います(笑)。
──この作品は会話劇的なところもありますが、お二人の掛け合いもテンポ感がありますね。
梅原:何も知らないからこそ突拍子もない行動に出る要に、サブローは振り回されつつも一緒に戦って……序盤は一緒に戦うという感覚はなく、むしろ乗っ取ろうしています(笑)。二人の会話のテンポ感は気持ちいいんですが、アフレコの段階ではセリフが被ってはいけないので、別録りせざるを得なくて。
花澤:そうですね。
梅原:あと、ヘルメットのサブローは少し音声を加工するという話だったので、その二つの理由から別録りになってしまいましたが、それでも会話のテンポ感は楽しかったです。
花澤:梅原くんが罵倒するセリフを言うところをあまり聞いたことがなかったので、すごく気持ちよかったです(笑)。すごくストレートに怒ってくれるのを感じながら楽しくやっています。最初は言い争っていますが、共闘していくようになって、そんな相性の良さが見られるシーンも出てくるので楽しみにしていてほしいです。
──サブローのほうが知識や経験がありそうなのに、要に振り回されている様子は微笑ましく感じました。
花澤:いいですよね。サブローは自分だけで動くことができないので、要ちゃんに抱えてもらっていますから(笑)。
梅原:サブローの生態については僕もまだわかりきっていなくて。肉まんを食べていたりするので、どういう仕組みになっているのか不思議です(笑)。
──作中で要が発した「過去(きおく)がなきゃ、今までの人生の意味がない」というセリフが印象的でした。
花澤:もし私が要ちゃんと同じように「崆」に行ったとして、そう言い切れるかと言えば難しいですね。戦わなくても幸せに暮らせるし。でも、自分が何者なのか知りたいという想いや、後悔が残る現世だったからこそ、生き直したいという気持ちが強いんだろうな、ということをあのセリフから感じました。
──このセリフは、役を演じる上でも大きいものだったんですね。
花澤:スタッフさんからも「意志の強さを出してください」とおっしゃっていただいていたので。自分にまつわることや記憶を取り戻すために戦うシーンなど、ひるまずに前に進んでいくところでは、このセリフのことも意識しています。