冬アニメ『もめんたりー・リリィ』久野美咲さん(吉野さざんか役)×島袋美由利さん(咲耶あやめ役)インタビュー|「6人だけの世界で描かれる“心地よいカオス”とは?
ついに放送がスタートしたGoHands(『好きな子がめがねを忘れた』『デキる猫は今日も憂鬱』)が送るオリジナルTVアニメ『もめんたりー・リリィ』。謎が多い世界で、正体不明の機械〈ワイルドハント〉と戦う少女たち。彼女たちが立ち向かう姿や何気ない日常、そして絆を深めていく様子が描かれていきます。もちろん、3Dと2Dを駆使した映像表現は圧倒的で、戦闘シーンも大きな魅力と言えるでしょう。
第1話は、迫力のアクションシーンと、ゆる〜い「割烹」シーンのギャップが印象的なエピソードでした。その第1話について、吉野さざんか役の久野美咲さんと、咲耶あやめ役の島袋美由利さんに、語ってもらいました。
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お互いを補い合う関係性のさざんかとあやめ
──TVアニメ『もめんたりー・リリィ』は、GoHandsによるオリジナル作品です。物語を知ったときの印象をお聞かせください。
島袋美由利さん(以下、島袋):最初に資料を読んだとき、バトルから始まり、女の子たち6人と敵しかいない……。荒廃しているわけではなくて、文明は発達しているんだけど、人がいないという。その異様なコントラストが際立っていて、この話って、どういうものなんだろう?と思いました。
それと、キャラクターひとりひとりの個性が強くて、口癖もしっかりあって、引き込まれるんですけど、すこし懐かしさ覚えるところもありました。
久野美咲さん(以下、久野):アフレコ現場でも、「懐かしい感じがするよね」ってみんなで話してたよね。SDキャラになったりするんですけど、SEが文字になって画面に出てくるんです。そういう親しみのある演出がたくさんあって、素敵だなって思いましたね。
──世界観は、確かに特徴的ですよね。
島袋:そうですね。そういう世界で、物語がすごくシリアスに展開していくのかと思えば“割烹”?っていう(笑)。そういう新たな要素が入っている作品だという印象があります。実は先程、お料理の動画を撮ってきたんですけど、そのとき作品の印象を「心地の良いカオス」と表現させていただいたんですが、そんな感じです(笑)。
──まさに混沌でしたね。
島袋:だから物語を知ったときは、これからどうなっていくんだろう?っていう、オリジナルアニメならではのワクワク感がありました。
──お二人が演じているキャラクターの印象を聞いていきたいと思います。まず、吉野さざんかについてですが…。
久野:さざんかは、ギャルの女子高生です。いわゆるギャル語っていうんですかね? 「マジ」とか「やばい」とか、そういう言葉遣いが特徴的です。ですが、実際さざんか自身は、とっても真面目な女の子で、賢くて、場の空気も読めるし、周りのみんなをすごくよく見ている女の子なんです。
たとえば、みんなが落ち込んでいるときに、気を遣って敢えてふざけた感じに振る舞ってみたり、みんなを元気にさせるような立ち回りができるんですよね。
それに、あやめに対しての距離の詰め方、仲良くなって行き方もすごく丁寧だったので、相手を思いやりながら人との距離を測れる子だなって、演じていて感じました。そういうさざんかのきめ細やかな部分も魅力的に感じたので、そこを大切に表現できたらなぁと思って、お芝居させていただきました。
──ディレクションで、印象に残っていることはありますか?
久野:「ギャル語を立ててほしい」というディレクションがありました。さざんかにとってはアイデンティティでもあるので。「マジ」とか「やばい」だけでも、いろんなニュアンスがあるので、私自身も言い方をひとつひとつ工夫しました。
──久野さん自身、ギャル語は使わなそうですよね(笑)。
久野:はい。だから勉強しましたね(笑)。そもそもギャルという設定の役も、さざんかが初めてだったので、ギャル語のLINEスタンプを使ったりして、まずはギャルに馴染もう!って思いました。私の中で、金髪・ルーズソックス・ガングロみたいなイメージでギャルの知識が止まっているんですけど、最近のギャルは違ったりもして。色々なギャルがいると思うので、さざんかなりのギャルを確立できたらいいなと思いながらやっていました。
島袋:ギャル語のアクセント辞典みたいなものって世にないから、久野さんがずっと「このアクセントはこれでいいんですか?」と確認しながら、丁寧にギャルを築き上げているなぁと思っていました。
久野:言ったことがない言葉ばかりだったし、正解がわからなくて(笑)。新鮮でとっても楽しかったです。
──続いて、ギルティ咲耶あやめです。
島袋:**すでに「ギルティ」を付けてくださって(笑)。第1話の段階だと、ツッコミ役で融通が利かない堅物。四角四面に物事を考えている子なのかなという印象がありました。あとは戦闘シーンでのワードチョイスから漂う厨二感! この2つに着目される方は多かったのかなって思います。
でも、あやめはあやめで一生懸命で、今この状況にいる6人を何とかしなきゃと思って、あやめなりに周りをしっかり見ようとしているんです。でも、さざんかほどキャパが広い子ではない印象もあって、頑張らなきゃとか、やらなきゃ!で頭がいっぱいいっぱいになっているのかなぁって思います。だから先々に、さざんかに弱音を吐いちゃうシーンがあったりするんですけど……。
あと、ちょっと照れ屋なところとか、オタク語りとか、いろんな面が出てくる子なので、今はちょっと怖く見えるかもですけど、この先の変化に注目してくれたら嬉しいなと伝えたいです。
久野:特に、あやめが好きなことを話すシーンの美由利ちゃんのお芝居がとっても素敵なので、そこにも注目していただきたいですね。
それから、あやめとさざんかは対極的に表現されていることが多いんです。さざんかは、周りに対してアクションを起こすタイプだけど、あやめは前に出るというより内にこもるタイプで。あやめは思考をアウトプットするのではなくて、自分の中で掘り下げていくんですよね。出来事に対する反応の仕方が2人は真逆なので、掛け合いをしていてとても楽しかったです。
島袋:そうでしたね。作戦を立てることでみんなを引っ張っていくのがあやめだとしたら、自分が行動することで、みんなの内面を引っ張っていくのがさざんかだと私は思っていたので、両方の面で引っ張っていく役割だったなと思います。
久野:それぞれの役割がすごくいいバランスだよね。お互いに、無いものを補いあえる関係が、すごく素敵だなぁって。
島袋:アフレコはまだ分散収録だったんですけど、私たちはかなり一緒に録ることができたのも良かったです。
久野:すごくありがたかったよね。お互いのお芝居で、キャラクターを作り上げていけた部分も大きかったです。