劇場版『美男高校地球防衛部ETERNAL LOVE！』由布院煙役・梅原裕一郎さん×鬼怒川熱史役・西山宏太朗さんインタビュー｜声優人生を変えてくれた『防衛部』への想い。10年の時を経て、キャラクターと作品の歩みを振り返る

2025年1月24日（金）より劇場版『美男高校地球防衛部ETERNAL LOVE！』が上映開始！

10周年を記念して、これまでのシリーズの“その後”を描く物語がオール新作カットで公開されます。

アニメイトタイムズでは、鬼怒川熱史役・西山宏太朗さん×由布院煙役・梅原裕一郎さんにインタビューを実施。10年の時を経たキャラクターを演じるにあたってのアプローチや、当時盛り上がりを見せていた生放送「バトルナマァーズ」を振り返っていただきました。

西山さん、梅原さんにとっての『美男高校地球防衛部』

──10周年という年に、劇場版『美男高校地球防衛部ETERNAL LOVE！』の上映が決定した際の率直な気持ちをお聞かせください。

鬼怒川熱史役・西山宏太朗さん（以下、西山）：僕たちにとっては、30分アニメで初めてメインキャラクターのオーディションに受かった作品なんです。そういう意味で『美男高校地球防衛部』は、声優人生を変えてくれた大切な存在ですね。初めて演じた時から10年が経ち、またこうして再び作品に携われることが嬉しくて仕方ありません。

由布院煙役・梅原裕一郎さん（以下、梅原）：僕にとっても本当に大切な作品でーー。

　
西山：ふふ。コピペですね。

梅原：以下略なんですけど……。

一同：（笑）。

梅原：久しぶりにアニメーションという形で作品に関わることができるのは、やっぱり嬉しいです。「10周年で何かやるのではないか」という風の噂は耳にしていたのですが、本当に実現するのかは聞いていなくて。実際に連絡が来たときは、このプロジェクトのために動いてくれていた方々への感謝の気持ちで一杯でした。それだけ大きな熱量がある作品に携わっていたんだなと。

──当時を振り返ってみて、ご自身が演じるそれぞれのキャラクターについてどのように感じられますか？

梅原：当時の音声をPVで確認したときに、「すごく尖ったことをやっているな」と感じました。もし今の僕が初めてこの役をやるとしたら、全然違うアプローチになっていると思います。当時の自分が持っていた気概というか、「なにか個性を出してやろう」という意識があったみたいです。今回はそれを踏襲しつつも、今の自分のアプローチを入れていきました。

　
西山：僕は「やれやれ」と言いながらみんなに付き合っている熱史の“やれやれ感”が好きでして。ああいうニュアンスが出てくる時は、熱史という名前の通り、心に友情や愛といった熱いものを持っていると思うんです。そして、それが侵されそうになる時は必死で守る。その脱力と力が入る部分のギャップを大切にできたら良いなと思っていました。

──久しぶりに役を演じるにあたって準備したことはありましたか？

西山：過去の作品を見返したんですけど、「やっぱり声が若いな」という印象で懐かしさとともに、小っ恥ずかしい気持ちになりました（笑）。

梅原：音の部分については考えましたね。当時どういう気持ちで演じたかは覚えていたのですが、やっぱり声の音も少しずつ変わるもので。そういった違和感は観ている方も感じてしまうので、できる限りその部分は再現したいなと。一方で、作中でも10年が経っているので、実際に10年経った自分が演じるリアリティはあるだろうと思いながら、できる限り自然に演じることも心がけました。

──キャラクターのアラサー感みたいなものは意識されたのでしょうか？

梅原：実際に自分が30代になってみると、「そこまで老けた音を出すほどの年齢でもない絶妙な感じだな」と分かったんです。そういう意味ではあまり肩肘張らず、ただ10代の役を演じる時よりはどこか心の余裕がある雰囲気を意識しました。

西山：最初は落ち着いた雰囲気を出そうと思っていたのですが、アフレコで「声が老けすぎだよ」というディレクションをいただきました。キャラクターによってディレクションは変わってくると思いますが、僕の場合はあまり気にしない方が良いということなのかなと。

──収録の現場の雰囲気はいかがでしたか？

西山：実は、僕は体調を崩してしまった関係で一緒に収録できず……（苦笑）。

ただ、みんなが録った音声を後から聴きながらアフレコできたので、それは良かったです。みんなの声を聴いているとあの頃の感覚が戻ってくるんですよね。防衛部は声を合わせて話すシーンがとても多いのですが、それもスッと言葉が出てきました。感覚的には10年で培ったものがそこに出ている気がします。

梅原：アフレコ前は「大丈夫かな？」と思う部分もありましたが、いざ始まってみればすぐに戻れました。当時は僕も新人でしたし、先輩方がいる中でお芝居するという緊張もあって、自分の役を演じることで精一杯だったんです。今は周りを見られるようになっているので、お互いがお互いのお芝居を支え合うというか。他の3人は僕よりキャリアのある方々なので元々できていたと思いますが、僕自身はそういう感じがしましたね。