祝・音楽活動25周年! 声優アーティスト水樹奈々さんの人柄、楽曲、ライブパフォーマンスなどを熱く語りたい……! 彼女の魅力にハマった私がもらったもの
『NARUTO -ナルト-』の日向ヒナタ役や『ハートキャッチプリキュア!』の花咲つぼみ / キュアブロッサム役、戦姫絶唱シンフォギアシリーズの風鳴翼役など、数多くの人気キャラクターを演じ、またアニメ以外にも吹き替えやナレーションなど幅広く活躍されている声優・水樹奈々さん。
そんな水樹奈々さんは今年で歌手デビュー25周年! 3月19日にはニューアルバム「CONTEMPORARY EMOTION」が発売され、発売記念イベントも開催されます。
私は、いつも全力投球で何事にも真っ直ぐな姿勢に惹かれてファンになりました。声優業もアーティスト業もどちらのスタイルもブレることなく、25年駆け抜けてきた水樹奈々さんにはとても沢山の勇気と元気をいただいています。
本稿では水樹奈々さん大好きな筆者が声優業や人柄に関するエピソード、素敵な楽曲の数々とずば抜けた歌唱力、そしてライブでのパフォーマンスなど様々な観点から水樹奈々さんの魅力を語ります。
続けることの意義を考えさせられる水樹奈々さんの生き方
色々なメディアでご本人が語られていますが、とにかく昔からずっと歌を歌っていたという水樹奈々さん。歯科技工士であるお父様の夢が歌手ということで、学校から帰ってきたら歯科材料を削る騒音や粉じんの舞う悪環境な部屋で毎日レッスンがあり、宿題よりも歌の練習が優先だったというのは有名なエピソードですよね。
奈々さんの自叙伝「深愛」にはより詳細なエピソードが書かれていますが、お父様の夢をかなえ、そして結婚、妊娠、出産を経て今もなお第一線で活動されている点から奈々さんの忍耐力や努力家な部分が垣間見えます。
私が覚えている印象的なエピソードは、堀越高校の皆勤賞エピソードです。堀越高校は芸能活動が許されている学校として有名ですが、その当時奈々さんは仕事がなく芸能活動コースの生徒でありながら毎日学校に通っていて皆勤賞を取ったというエピソードです。
奈々さんの同級生には女優のともさかりえさんやアーティストの堂本剛さんなど、すでに芸能界で活躍されている方もたくさんいらっしゃり、そんな忙しい方々に授業のノートを貸していたのだそう。先生からは「デビューはまだなのか?」と聞かれることもあり、とても悔しい思いをされたそうです。
そんな悔しい思いをしても諦めず高校では好成績を維持し奨学金をもらい、同時に声優の専門学校にも通い、そうした努力が実り高校3年生でようやく声優デビューに繋がったのです。また堀越高校卒業時には学業優秀・品行方正の卒業生10人に贈られる「堀越賞」を受賞しました。
幅広い役柄をこなす声優業
水樹奈々さんの声優デビューは1998年。プレイステーション用ゲーム『NOëL 〜La neige〜』の門倉千紗都役で声優デビューを果たしました。
またアニメのデビューは、『時空探偵ゲンシクン』大和ソラ役でこの作品がテレビアニメ初レギュラー出演となりました。
ジャンルを問わず様々な声優の仕事で活躍するようになり、2002年にはアニメ『七人のナナ』で初めて主人公を演じ、その後は『NARUTO-ナルト-』や『ハートキャッチプリキュア!』、『魔法少女リリカルなのは』、『戦姫絶唱シンフォギア』等に出演されています。
アニメ以外にも洋画の吹き替えやナレーター業など多方面で活躍され、また直近でも人気アニメ『ダンダンダン』では、荒っぽい言葉遣いの裏側にある深い愛情を表現した星子役を務めたことも話題になりました。
どんなときでも寄り添ってくれる水樹奈々さんの歌の魅力
水樹奈々さんはこれまでシングル42枚、オリジナルアルバム14枚、ベストアルバム3枚とたくさんの楽曲を世に送り出してきました。アニメの主題歌にも起用されるなど、アニメ好きな人だったら奈々さんの楽曲を聴いたことがある方も多いでしょう。
熱い曲は力強い歌声が、しっとりしたバラードには伸びやかな歌声が非常に映え、どんなジャンルの楽曲も引き立たせる歌声を持っています。
水樹奈々さんの原点は「演歌」。前述した通り奈々さんのお父様は非常にスパルタで、とにかく歌を歌い続ける日々でした。お父様の夢を託された奈々さんは演歌歌手を目指すようになり、地元では“のど自慢大会荒らし”の名で呼ばれ、恐れられるほどに。
その演歌の基礎こそが、今の水樹奈々さんの力強くも伸びやかな歌声の原点となっているのです。
そして奈々さんの歌の根幹には「応援」というテーマがあります。力強く明るい歌声は、落ち込んだ時や一歩踏み出せないときに聴くと本当に勇気をもらえます。
奈々さん自身が作詞・作曲した「POP MASTER」という曲は、まさに応援ソング。「諦めることも必要ってそんな都合のいい解釈は捨ててしまえ」という歌詞は水樹奈々さんの生き様そのもの。
人生の中で何度も悩んだ時、私はこの曲に救われてきました。
そして奈々さんの応援ソングといえば「POWER GATE」! この曲はライブの定番曲で最も歌われている曲の1つです。
「夢見て旅立てばきっと叶えられるはず」や「僕らが時代を変えていけるよ」など前向きな歌詞がたくさん含まれているこの曲は、ただ「頑張れ」というだけではなく寄り添ってくれる優しさを含んでいます。
ポジティブな歌詞はそれだけで心を明るくしてくれ、そこに更に奈々さんの力強い歌声が乗ることで最強の応援ソングになるのです。
ステージを駆け巡りながら歌う姿は圧巻! 多彩な演出に度肝を抜かれるライブパフォーマンス
水樹奈々さんといえばライブ!
2005年1月に声優史上2人目となる日本武道館でライブ、2009年には声優史上初となる西武ドームでライブを実現、そして『第60回 NHK紅白歌合戦』への初出場も果たし、さらに、2011年12月には声優史上初、日本人の女性ソロ歌手史上8人目となる東京ドームでのライブを開催という数々の偉業を成し遂げてきました。
水樹奈々さんのライブはファンとの一体感を大事にしていると感じています。広い会場になるほどステージと客席の間は空いてしまいますが、それを奈々さんは色々な趣向を凝らして埋めようとしてくれています。
時にはワイヤーで吊るされながら観客の上を飛んだり、ほうきに乗って飛んだり、色々なデザインのトロッコに乗って会場をぐるっと回ってくれたりと、思いも寄らない形で近くに来てくれるのです。
色々なデザインのトロッコと書きましたが、このトロッコがまたすごいんです! 曲やライブタイトルにちなんだ形のトロッコが登場するのですが、スケールがとにかくすごい。
“LIVEZIPANGU”で歌った 「RODEO COWGIRL」という曲では牛車のトロッコだったり、”LIVE RUNNER”というタイトルのライブの際は、タイトルにちなんでスニーカー型のトロッコだったりと、とても凝ったトロッコで登場してくれます。
またトロッコ以外にも奈々さんのライブには大道具が数多く登場します。”LIVE JOURNEY”では4両編成で電動式、車輪も可動し、前進・後退もでき、蒸気も出る銀河鉄道的な汽車に乗って登場したり”LIVE EXPRESS”では7.77トンあるLEDビカビカのデコトラで登場したり、とにかくすべてのスケールが大きい!
ライブに行くたびに次はどんなものを用意してくれているのだろうとワクワクさせてくれる奈々さんのライブは本当に楽しいです!
そして何と言っても奈々さんは体力オバケ! 広い舞台上をとにかく走りまくるのです。走るだけではなく走りながら歌う、そしてその歌声がブレない。
初めて見る人は本当に歌っているのかと疑ってしまうほど……。体力づくりに余念がないところがまたストイックで奈々さんらしいですね。
私的おすすめ楽曲5選
数ある曲の中から、私の独断と偏見で好きな曲を5曲選んでみました!
奈々さんの楽曲は可愛いものからかっこいいものまで本当に様々です。かなり偏りがあるかもしれませんが、気になった方は是非聴いてみてください。
Late Summer Tale(アルバム名:HYBRID UNIVERSE)
この曲はイントロから神がかっていてワクワクさせてくれる一曲。
メロディックなイントロからAメロは少しシリアスな雰囲気を感じられ、そこから徐々に盛り上がりを見せ、サビへと入る感じが私はとても大好きです!
かっこいい中に少し哀愁を感じる、儚い物語のような曲です。
Orchestral Fantasia(アルバム名:GREAT ACTIVITY)
この曲を聴いたのは初めて見た奈々さんのライブDVDでした。そのDVDは「LIVE FORMULA」のDVDで本当に擦り切れるほど見た大好きなライブなのですが、この曲は特にこのライブ盤がかっこいい!
なにかが取り憑いたような表情で虚ろな感じで歌う奈々さんの姿には度肝を抜かれたのを今も覚えています。
落ちサビ前の泣きそうな歌声がまた曲の強さを盛り上げるようで、緩急がたまりません。
もちろんCDも他のライブDVD版もかっこいいので是非聴いてみてください!
オルゴールとピアノと-holy style-(アルバム名:MAGIC ATTRACTION)
こちらの曲はゲーム『Memories Off 2nd』のキャラクターイメージソング「オルゴールとピアノと」の別バージョンです。
静かなピアノから始まるこの曲は、奈々さんの歌唱力の高さを見せつけてくれます。メロディから淋しく悲しい曲に聴こえますが、歌詞を見ると頑張って前に進もうという決意の曲に思えます。
「頑張ろう」というような直接的な言葉は出てきませんが、「冷たい雨はあがったから」という歌詞に色々な意味が含まれているような気がします。
悲しいだけではなく、芯のある強さを感じる歌声が大好きな一曲です。
絶対的幸福論(アルバム名:NEOGENE CREATION)
とにかく真っ直ぐすぎな歌詞がささる一曲。
幸福ってなんだろうと考えた時「ただ楽しいだけじゃない、苦労を乗り越えたからこそ得られるものなんだ」とこの曲を聴いて考えるようになりました。そして自分らしい幸せを探していこうとも思えました。
そしてMVがシンプルでまたこれがいい。ワンカットで撮影されており、奈々さんの表情だけですべてが語られています。
真っ直ぐすぎてすこし照れくさいと感じてしまう部分もありますが、「幸せ」というものを考えさせてくれる素晴らしい楽曲だと思います。
テルミドール(アルバム名:départ chisato×nana)
最後の曲は水樹奈々名義ではなく、奈々さんが声を務めた門倉千紗都名義のアルバムの曲。
この曲は奈々さんの声優デビュー作となる『NOëL 〜La neige〜』のミニアルバムに入っている曲で、初々しい歌声を聴くことが出来ます。
初々しいと言ってもこの時から抜群の歌唱力で、とても17歳の歌声とは思えない大人の雰囲気を醸し出しています。
ちなみにイベント「NANA SUMMER FESTA 2007」で行った、奈々さんの曲で好きなものに投票しランキングを作るという企画で、キャラクターソングは投票不可としたにもかかわらず50位以内にランクインしたという、ファンの方から愛されている曲です。
まとめ
私は諦めずに何事も努力し続けることの大切さを奈々さんから教わりました。
そして色々な場面で奈々さんのいつも優しく寄り添ってくれて、時には力強く背中を押してくれる楽曲の数々に助けられてきました。私と同じようなファンの方々も多いと思います。
もし今回の記事で水樹奈々さんに興味を持っていただけたら、曲を聴くだけでなくぜひライブにも足を運んでみてください。とびきり素敵なパワーを貰えると思います!
そして改めて水樹奈々さん、デビュー25周年おめでとうございます!
最後は奈々さんがパーソナリティーを務める長寿番組、ラジオ「スマイルギャング」から奈々さんといえばの掛け声で締めさせてください。
これからも水樹奈々にかかってこーい!
[文/五反田ちさと]