【今週の『SPY×FAMILY』の話題】最新110話デズモンドが超能力者!?

マンガ誌アプリ「少年ジャンプ＋」で連載中の遠藤達哉先生による漫画『SPY×FAMILY』。スパイの父・ロイド、殺し屋の母・ヨル、人の心が読める娘・アーニャが互いに正体を隠しながら疑似家族として暮らす日常を描いた大人気作品です。

本作は、疑似家族として暮らす彼らのドタバタで温かい日常と薄氷の上に築かれた各国間の平和を守るためにそれぞれが奮闘するシリアスな物語のギャップが多くの読者を惹きつけ、アニメもSeason3（3期）の制作が決定しています。

更新日である月曜日、1月20日には最新110話が公開されました。物語の核心に触れる内容に多くの読者が感想をSNSへ投稿し話題になっています。本稿ではそんなSNSに寄せられた反響や感想とともに、110話の内容や今後の展開について考察していきたいと思います。

※本稿には、110話のネタバレが含まれますのでご注意ください。

ドノバン・デズモンドは超能力者!?

本話では＜黄昏＞のターゲットである国家統一党総裁ドノバン・デズモンドがアーニャと同じ人の心が読める超能力者である可能性が浮上しました。＜黄昏＞が精神科医として勤務する病院を受診したデズモンド夫人がロイドにそう打ち明けたのです。

「そう来たか……」「デズモンド超能力者説はびっくりした」「デズモンドのアップのコマ怖いよぉ」「ここで繋がってくるのか」「心が読めるのはアーニャだけじゃなかったなんて」と多くの読者が驚きの声を投稿。

読者の反応に反して、ロイドは当然その事実を信じていない様子。しかし、帰宅した父の心を読んだアーニャは「らすぼすアーニャとおなじちょうのうりょくしゃ…!?」と読者同様、驚きを隠せません。

「ロイド一回デズモンドと接触してるし危なくない？」という読者の声も上がっている通り、38話で一度標的と会って話をしているロイド。超能力者説が事実であれば彼の正体がデズモンドに筒抜けということになります。

「38話読み返してきたけどゾッとした」「これ本当に心読まれてたら詰んでない？」「黄昏って言ってないからギリギリセーフ？」「だからこのシーンはアーニャ不在なのか」「超能力者と思って読んだらそうとしか見えないんだけど」と38話を読み返して伏線の面白さを堪能する読者たち。私も読み返してきましたが、ロイドの訪問の申し出をきっぱりと断る姿や彼の一言一言の重みが全く違う印象を受け、ゾクゾクしました……。

また、106話で描かれたデズモンド一家そろっての会食風景も読み返してみたのですが、デズモンドが家族の心を読んでいるように感じられるシーンがいくつも出てきました。自分に話しかけようとしたダミアンに対し、何も聞かずに「うん」と返したり、一言も会話をしていないのに「有意義な時間であった」と言ってのけたりという一見不自然な部分も、心を読んでいると思えば合点がいきます。

まだ可能性が浮上しただけではありますが、これまでの伏線から、超能力者説が濃厚となったデズモンド。ロイドやアーニャの立ち回りが楽しみです。

デズモンドはアーニャ以前の被検体？

妻のメリンダは夫の様子が変わった時期を「上の子が生まれてしばらくして…いや下の子の時だったかしら思い出せないわ…とにかくずっと前」と言っています。被検体007だったアーニャは下の子（ダミアン）よりも1～2歳年下であるようなので、実験を受けた時期としては合致しており、デズモンドが被検体001から006のいずれかである可能性は濃厚と言えるでしょう。

また、本話で注目していただきたいのはP.8のデズモンドとP.9のデズモンド。P.9のデズモンドにだけ両側頭部に傷があるのです。これこそが実験を受けた際の傷跡ではないでしょうか。ちなみに第1話の新聞に載っているデズモンドには傷はなく、38話のデズモンドには傷があります。そうなると、アーニャにはそういった傷がないことが疑問として浮上しますが、大人に対する実験と幼児に対する実験では方法が違ったと考えれば彼女に手術痕がないのも納得です。

＜黄昏＞ピンチ!? 打開策はアーニャ……？

心を読める能力、なんてそう易々と信じることはできないのが普通。しかし、この事実を認めなければ＜黄昏＞は遠くない未来に窮地に立たされてしまうことでしょう。打開策として考えられるのはアーニャが自分の正体を打ち明けることだと思うのですが、そうなった場合、彼はアーニャをどうするのでしょうか。

優しく情に厚いロイドですが、スパイという職業上、その事実を知ってしまってはアーニャを手元に置いておくことはとても難しくなりそうです。秘密警察に捕まってしまうことは避けられてもフォージャー家を継続させることはできない可能性は十分考えられます。