
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) -Beginning-』大ヒット御礼舞台挨拶レポート! 鶴巻和哉監督や榎戸洋司さんから戦闘シーンやシャリア・ブルに関する話題も飛び出した!?
2025年1月17日(金)から全国の映画館で公開され、10日間で興収14億3,279円、動員85万6千人を突破した劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』。その大ヒット御礼舞台挨拶が、2月2日(日)にTOHOシネマズ新宿で実施されました。
登壇者は土屋神葉さん(シュウジ・イトウ役)に加え、監督の鶴巻和哉さん&シリーズ構成・脚本の榎戸洋司さん。公開から2週間が経過し現在も大ヒット中となっている反響を受けての現在の心境や、まだまだ言えないことも多い作品の裏話がいくつか飛び出す場面も。
本稿ではこのイベントの模様をレポートします。
土屋さんが宣伝アンバサダーに就任!
MCを務めた松澤ネキさんから観客動員数100万人を突破したとの報告があり、登壇者のみなさんが会場入り。自己紹介と一言挨拶を済ませたところで、まずは公開後の反響を受けた現在の心境を語ってもらうことに。
土屋さんは観客動員100万人という数字に想像がつかないとコメント。榎戸さんは“緑のおじさん(※シャリア・ブルのこと)”が人気だと知り合いから聞いたそうですが、SNSなどではまだ名前が伏せられているため脚本家も知らないキャラクターがいると思ったそうです。
鶴巻監督は元々はあくまで先行上映のつもりだったので、ここまでヒットするとは思っていなかったと話してくれました。また、pixivやXでファンアートが盛り上がっていることにも触れ、本作に関するイラストをチェックしていることも明かしました。
その後、土屋さんが本作の宣伝アンバサダーに就任し、鶴巻監督からタスキが授与。土屋さんは「頑張るぞ、とガンダムが言っている」と自身の演じるシュウジのセリフになぞらえて意気込みを露わにしていました。
ガンダムは人を本気にさせる
最初の話題は、既存のシリーズファンや本作からガンダムを知る方へ向けて、制作で大切にしたこととなりました。榎戸さんは『機動戦士ガンダム』が放送された当時のことを振り返り、本作に参加する以前からガンダムという存在が心の中にあったと述べました。
続いて鶴巻監督は、本作の序盤について問われました。元々はアバンとして短くすませようと考えていたそうですが、どうしてもテレビシリーズだと尺に入らず窮屈になってしまうと頭を悩ませた模様。すると脚本の打ち合わせでその部分を独立させたらどうかとの提案があり、そこで入ってきたのが庵野秀明さんだったそうです。
そうして庵野さんにプロットを頼んだら1週間もかからず膨大な量が完成。庵野さんは本当にノリノリだったそうで、鶴巻監督もそんな庵野さん以上の適任者はいないと考えていたとのこと。また、鶴巻監督が自分だったら序盤はもう少し違ったアプローチになると分析する場面もありました。
▲鶴巻和哉監督
鶴巻さんは本作の話が来た時点では、ガンダムは好きでも監督をやれる程の自信はないと感じていた模様。宇宙世紀かオルタナティブ作品のどちらをやるか先方から指示はなかったものの、自分としてはNGにされるのではないかと思いつつ宇宙世紀のif(イフ)の物語を企画書にして提出したことを話してくれました。
榎戸さんは鶴巻監督がやるなら間違いなく宇宙世紀だろうとの確信があったのだとか。新しく歴史の隙間を埋めるか、端のほうの例えばアフリカ戦線の物語を描くかだと思っていたところ、本作のような意外なものとなり驚いたそうですが、今はこれが最適解だったと思っているとのこと。
また榎戸さんから余談として、ガンダムは人を本気にさせるという話がありました。ここで、本編には登場しないものの、鶴巻監督と夜中に1時間くらいリック・ドムとジムのどちらが強いかで舌戦を繰り広げたエピソードが飛び出しました。
▲榎戸洋司さん
鶴巻監督は自分たちのような年齢のアニメ好きは、ガンダムという作品がほとんど自分と一体化していると一言。ガンダムのある世界で育ってきているので、みんなそれぞれ自分にとってのガンダムがあるのだろうなと掘り下げてくれました。
人それぞれこだわりを持っているポイントが違うそうで、スタッフと打合せをすると自分にとってはそうでもない事柄にこだわる人もおり、日々発見があるのだとか。また、作品を見てくれる人にもそういうものがあると思うとちょっと怖くなるとも。
シャリア・ブルは掘り下げたくなるキャラクター!?
ここから土屋さんにMCが交代。まずは、「シャア・アズナブルやシャリア・ブルといった往年のキャラクターを扱う上で大切にしたこと」という質問がありました。
榎戸さんは『フリクリ』の頃から鶴巻監督と、シャリア・ブルを主人公にリメイクを作ったら面白いのではないかと話していたことを明かしました。たった1話しか登場しないキャラクターではあるものの、掘り下げたくなる魅力があるキャラクターなのだそうです。
本作の戦闘シーンについても話題に。榎戸さんはビームライフルの撃ち合いだけの戦闘シーンはやめてほしいと言われていたそうで、鶴巻監督になら武器は何を使うのかと聞いたところ「ヒートホーク」だと言われて頭が真っ白になった模様。しかし、できた映像を見ると流石鶴巻監督と唸らされたのだとか。
鶴巻監督は、ガンダムの総監督である富野由悠季さんと玩具メーカーとの話になぞらえて、自分もガンプラや玩具のためにアニメを作ることに憧れがあったと心境を吐露。だからこそ本作のメカニカルデザインを担当した山下いくとさんに、アニメ映えだけでなくガンプラ映えするデザインがほしいと話していたとのこと。
その後はマヴという単語に込められた意味やマチュとニャアンの出会いのシーンのこだわり、作中の地名に関する裏話なども披露。マヴに関しては榎戸さんがアムロ・レイとララァ・スンのようにガンダムシリーズには対になる存在がいることから、これをわかりやすく表現できる言葉がないかと考えている時にふと浮かんだものだそうです。
マチュとニャアンの出会いのシーンに関しては鶴巻監督のアイディア。榎戸さんいわく、ああいったアクション込みで出会わせるのが鶴巻監督流の主人公の出会わせ方なんだそうです。
最後に鶴巻監督の誕生日をお祝い!
もちろん土屋さんへの質問も。好きなシーンについて問われると、アフレコ時はまだどんな作品なのか全貌が掴めていなかったと一言。その後、試写会でようやく感動したそうですが、その衝撃から立ち直れておらず、あえて挙げるとするなら初見でみたアバンの流れになる模様。
自身の演じるシュウジがガンダムに搭乗するキャラクターだと知ったのはオーディションの時だったそうですが、これはまたとないチャンスだと意気込んだそうです。その後、受かった時には現実なのかと驚きつつ大いに喜んだのだとか。
今後の注目ポイントについては悩ましいそうで、まだ言えないとのこと。とりあえず最後まで見てほしいとだけ述べてトークパートは終了に。その後は本作の音楽関係の告知を挟み、このイベントと同日の2月2日に誕生日を迎えた鶴巻監督をお祝いする場面がありました。
土屋さんから鶴巻監督へお花の贈呈があったところで、そろそろ本イベントは終了の時間。最後に鶴巻監督は、来場者のみなさんに感謝を述べると「テレビシリーズになると、このままの展開、繋がりとしては放送されない」とコメント。劇場版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』でしか見られないものがあるそうなので、まだ上映されている内にぜひ劇場へ足を運んでみてはいかがでしょうか!
作品情報

あらすじ
エントリーネーム《マチュ》を名乗るアマテは、GQuuuuuuX(ジークアクス)を駆り、苛烈なバトルの日々に身を投じていく。
同じ頃、宇宙軍と警察の双方から追われていた正体不明のモビルスーツ《ガンダム》と、そのパイロットの少年シュウジが彼女の前に姿を現す。
そして、世界は新たな時代を迎えようとしていた。
キャスト
(C)創通・サンライズ